知っておきたいお庭づくり10のポイント


ご自宅のリビングから、明るい日差しが差し込むお庭を眺めながら毎日を過ごせることほど幸せなことはありません。お庭の木々は、春にはいっせいに芽吹き、色とりどりの花を咲かせ、梅雨明けから初夏には新緑の葉を伸ばし、夏には日陰を作ってくれ、秋の紅葉に冬の冠雪まで、四季の移ろいとともに、私達の生活に潤いと安らぎをもたらしてくれます。
自然なお庭を楽しむには、豪華な広いお庭である必要はありません。わずか数本の庭木でも、その木の持つ美しさが生きる植え方をして、愛情をこめたお手入れを行えば、その木は手をかけた分だけ必ず期待に応えてくれます。
このページでは、お庭に自分の手で木を植えてみようと思っている方や、これから庭師に作庭をお願いしようと考えている方のために、知っておいて欲しいポイントをまとめました。このページによって、お庭づくりのポイントを知り、我が家の庭をいっそう美しいものにして、四季を感じる、豊かな日常生活を楽しんでいただければ幸いです。

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目次

1.庭づくりの好期は春と秋
2.お庭に手間をどこまでかけられる
3.植える場所を間違えると庭木は育たない
4.庭づくりの前に土づくり
5.調和のとれた配置をしよう
6.和風の庭木と洋風の庭木の混植はやめよう
7.小さめのお庭には落葉樹を多く植えてみよう
8.隣家との境に植えるときの注意点
9.花木は四季を楽しむ工夫をして植える
10.4~5年に一度植え替えると木々も美しく

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庭づくりの好期は春と秋


お庭は”一番身近な小さな大自然”です。春になったら一斉に若葉が芽吹き、秋のモミジの真っ赤な紅葉まで、四季折々の移り変わりを、我々の目に絶え間なく表現してくれます。
「我が家にも少しでもお庭をつくりたい」と感じるのは、四季の移り変わりの美しさを表現する自然を愛してきた日本人にとってはなくてはならないものではないでしょうか。そんなお庭を自分で少しずつ作っていくも善し、庭師に作ってもらうのも善し。庭師に基礎を作ってもらって、あとは自分の好きなように手を入れていくのも善し。お庭は様々な楽しみ方があります。そんなお庭を作る最適な時期は春と秋です。気温が30℃を超えるような真夏や霜柱が立つような氷点下の冬には、我々人の活動も鈍くなるように、庭木にも休眠期や半休眠期があったり、活発に生長する時期があります。
このような木々の一年間のサイクルの中で、庭づくりのスタートに一番適しているのは春と秋の彼岸ごろということになります。
春は木々がこれから生育する時期、秋は休眠に入る時期という相反するシーズンですが、木々にとってはこれらのシーズンがもっとも根付きやすい時期となります。春先は発根、発芽時期であり、秋は一年間の生長を経て充実している上に、落葉樹は蒸散が少なく乾燥を防ぐことができ、植え痛みを防ぐことができる好期となります。

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お庭に手間をどこまでかけられる

お庭づくりで考えておきたいことは、樹木やお花などのお手入れする時間をどのぐらいとれるかです。毎週末はお庭に出て楽しみたい方、お庭にはほとんど手をかけられない方など、お庭に関われる時間を考えた植栽の量や種類を選ぶことが大切です。苗木のときには小さな木でも年月を経て2階の屋根よりも大きくなることや、つる植物のように目を離したら手に負えなくなるほど広がってしまうものなどがあります。樹木は生き物なので放っておいたら枯れたり、予想以上に生長したりしますから、ご自身の生活スタイルとメンテナンスにかけられる時間を考えて植栽の量と種類を検討しましょう。

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植える場所を間違えると庭木は育たない


あなたのお庭にも、一日中良く日が当たる場所、日陰がちな所、乾燥しやすい所、いつも湿っているような所、風通りのよい所など、一軒のお家のお庭でも様々な環境の場所が混在しているはずです。
庭木や花木を植え付けるときに、一番注意しないといけない点が、この場所毎の環境の違いです。マツカイヅカイブキイチョウシラカバといった、日光を好む樹種は、お庭の中でもできるだけ日照時間の長い場所を選ぶ必要がありますし、逆に日光を嫌う、アオキセンリョウなどを植えてしまうと、葉が焼け見苦しい姿の庭木になってしまうことでしょう。樹木には、陽樹(たくさんの日照を必要とするもの)、半陰樹(光線が弱い半日陰程度なら生育に支障のないもの)、陰樹(日陰でも生育できるもの)、極陰樹(日陰でなければ生育できないもの)の、四つのタイプに分かれますので、それぞれの特徴に合わせた植え場所を選ぶことで、はじめてイキイキとした美しい樹姿を楽しむことができることになります。

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庭づくりの前に土づくり


庭木が元気に育つ庭には、植物にやさしい土があります。植物が元気に育つ土というのは、スコップで簡単に土に穴が掘ることができて、雨が降っても水たまりにならずに水が浸透していって、土自体が保湿できる土です。もともとが畑であれば肥沃な土質かも知れませんが、元々は駐車場や建物が建っていた場所などの場合は、古い基礎が埋められていたり、砕石などで固められていたりして、根が伸びにくく養分も少ない土の場合もあるので、このような場合は土壌改良も必要です。

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調和のとれた配置をしよう


お庭を作るときに一番迷うことが、どこにどんな庭木を植えたら、元気に成長して美しく育つのかということではないでしょうか。また、庭木同士のバランスを考えて配置しないと、ただ並べただけの、締まりのない庭になってしまいます。
庭木は、主木(しゅぼく)、副主木(ふくしゅぼく)、添え木(そえぎ)という高さの違う三種の木を不等辺三角形に植えることが配植の基本で、天・地・人の形として、庭師に伝えられていますが、これに下木として根締めや前付けを植えると、落ち着きのある見栄えのよいお庭となります。
当然、お庭には大小がありますし、洋風の住居に合わせた芝生や花壇などを配したお庭のスタイルも好まれています。お庭のレイアウトや植栽の位置決めについては、現場で考え込むよりも、まずは平面図と立体図を描いてみると、イメージもより具体的になっていきます。そんな方法も用いて、理想のお庭のイメージが固まってからお庭づくりにかかれば、労力も極力少なくてすみます。

植栽|庭.pro

和風の庭木と洋風の庭木の混植はやめよう


お庭の植栽を検討するときに注意しなければならないのが、樹種の選び方です。住居にも和風建築と洋風建築があるように、庭木にも日本的なものや、西欧的な印象の強いものがあります。例えば、クロマツ、アカマツやゴヨウマツ、ツバキなどは純日本的な庭木です。また、ドラセナカルミアなどは洋風庭園向きの庭木です。
主木をマツにして、添え木をドラセナにしたのでは、トンチンカン的なお庭になってしまいますし、芝生を植えたお庭にモミジヤツデはやっぱり似合わないと感じます。あえてそのような組み合わせを行う庭師も居ますが、ご自身で植えられるときはアンバランスな組み合わせは避けておいた方が良いと思われます。

小さめのお庭には落葉樹を多く植えてみよう


お庭の植栽の組み合わせを考えるときに、常に緑葉を見せてくれる常緑樹と四季折々に変化が楽しめる落葉樹を、どの程度の比率で植えるかということも重要なポイントです。広く奥行きのあるお庭の場合は、常緑樹を主木にして、それに落葉樹を調和させるのが基本ですが、面積の小さなお庭に常緑樹を多く植えてしまうと、お庭自体が狭く感じられますし、冬は葉が落ちてしまい寒々しい庭になってしまいます。こんな場合は常緑樹3割、落葉樹7割程度の割合にすると程よいバランスとなると思います。もう少し常緑樹を増やしたい場合は、広葉樹よりも針葉樹をセレクトしたほうが、お庭もより広く見えます。

隣家との境に植えるときの注意点

お庭に隣家が接近しているような場合、庭木の植え方によってはトラブルの原因になりますから十分注意しておきましょう。生垣の苗木を植える場合は、境界線よりも30cm内側に植えつけるのが常識で、これならば60cm幅に育っても隣家へ越境することはなく安心です。また隣家トラブルの原因となるものは、落葉樹や花木です。落葉樹や花木の場合、隣家に接近して植えてしまったら、落ち葉や花がらを隣家にも落とすようになってしまいます。隣家との境には、刈り込みができて、手入れができる高さまでの常緑樹がおすすめです。

花木は四季を楽しむ工夫をして植える

季節によって、色とりどりの花で目を楽しませてくれる花木は、お庭には植えておきたい庭木ですが、広い庭園であれば、さまざまな花木を植えることができますが、かぎられたスペースの場合には、春夏秋冬を楽しめるように、それぞれの木の開花時期を組み合わせ、樹種を選んでみましょう。
春ならウメボケハナモモユキヤナギドウダンツツジコデマリコブシジンチョウゲなど、初夏から夏にかけてはシャラヒメシャラツツジアジサイザクロサルスベリなど、秋にはハギモクセイサザンカ、コウテイダリア、コバノセンナ、ニオイバンマツリ、ロウバイ、など、冬から早春はマンサクロウバイカンツバキアセビ、など、木の大きさ、花の色と形やお世話の手間などを考えて、好みの花木を植えるのも、庭づくりの楽しみとなります。

4~5年に一度植え替えると木々も美しく


庭木は自然樹と異なり、木全体にまんべんなく太陽の光が当たることは稀で、植える場所にもよりますが、ほぼ不可能といって良いのではないでしょうか。どのように植えても東と南側は生長が早く、北側は貧弱になってしまうものです。
庭木のお手入れは、剪定や施肥、病害虫防除などが主なお手入れと考えがちですが、できることなら4年~5年の間に一度、植え替えてやることも、美しい庭木を育てるための手入れのひとつとなります。
庭木を植え替えるというと大仕事のように聞こえますが、異なる場所に植え替えるというよりも、北側を南側に変える程度の植え替えです。枝の状態や樹勢などを見て少しだけ動かすということでも良いと思います。植え替えるということは、当然根切りを行うことになるため、またそこから新根が生え、木に勢いを付けるということにも繋がります。
植え替えの期間はできれば4年~5年毎に行えたら最適で、10年以上植え替えなしとしていた場合、植え替え前に根回しという作業が必要になったり、樹姿を整えるのも、一般の方では容易ではなくなります。

庭木の移植に最適な時期と方法を庭師が伝授
樹齢55年のさくらの木の移植作業/岡山市北区 庭木の移植を考えるタイミングの多くは、お家の建て替えやリフォームの時です。樹木の移植は種類や大きさよりますが植えつけて5年以上経っていると根がしっかり張っているので何も考えずに移植してしまうと枯...

木々が元気に育ち、四季折々の楽しみを見せてくれるお庭を頑張って作ってみましょう。庭木も基礎のお手入れを理解できたらそんなに難しいものではありませんから、お休みにはお庭に出て楽しんでみてください。お庭を通じて安らぎのある豊かな生活を。

お庭づくりや剪定、庭木のお世話などの作業が難しい場合は、庭のプロ集団『庭.pro』までご相談ください。
綺麗な庭で皆様の暮らしが豊かになれば幸いです。
2024年1月25日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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