憧れのドライガーデンをつくりたい!|おすすめ植物ドラセナの育て方をプロの庭師が伝授します
ドライガーデンのアクセントに!南国風の植物ドラセナ
観葉植物として知られている「ドラセナ」は、初心者でも育てやすい人気の植物です。カラーバリエーションや葉の形状が豊富なので、ドライガーデンのアクセントとして取りいれる人も多く、注目の植物のひとつです。
今回は、「ドラセナ」の特徴や魅力、枯らさない育て方やお手入れのポイントなどについてご紹介します。
目次
ドラセナの基本情報
ドラセナの特徴
ドラセナの育て方
水やり
日当たりと置き場所
肥料
植え替え
ドラセナの害虫
カイガラムシ
ハダニ
ドラセナの増やし方と剪定
まとめ
ドラセナの基本情報
分類:ドラセナ属
科名:リュウゼツラン(キジカクシ)科
学名:Dracaena
英名:dracaena,dragon tree
和名:ドラセナ、ドラゴンツリー
別名:幸福の木(品種名:ドラセナ・マッサンゲアナ)
原産地:アフリカ、ギニア、亜熱帯
樹高:30cm~5m ※種類による
葉張り:20~80cm ※種類による
常落区分:常緑低木
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
栽培可能地域:東海以南
開花期:数十年に一度
花色:白色
用途:観葉植物、ドライガーデン、ロックガーデンなど
花言葉:幸福
ドラセナの特長
ドラセナの品種は、50種類以上にもおよび、バリエーションの豊かさは、ドラセナの大きな魅力となっています。斑入りや、カラーリーフ、トルネードや剣形の葉など、個性豊かな色彩と形状は、どれか一種類に絞りこむのを迷ってしまうほどです。ドラセナは、大きいサイズや珍しい種類は高額になる傾向があり、数百円から数万円までと価格帯も幅広くなっています。
ドラセナの花言葉は「幸福」といわれていることから、贈り物やお部屋のインテリア、ドライガーデンのアクセントとして選ぶ人も多い植物で、ハワイでは、『幸福を呼ぶ』という意味の”ハワイアン・ティー”とも呼ばれており、自宅前で育てる方人も多いそう。
丈夫で育てやすいドラセナは、ビギナーでも扱いやすく、気軽に購入できるものを手にいれて、”じっくりと”成長を見守るのも楽しみのひとつとなります。愛着の持てるお気にいりのドラセナを、ぜひ見つけてください。
ドラセナの育て方
丈夫で育てやすいドラセナですが、育て方を間違えてしまうと枯れることもあります。ここからは、ドラセナの育て方のポイントを紹介します。
水やり
ドラセナを育てる際にとくに注意したいのが『水やり』です。「ドラセナをうまく育てられない」「ドラセナが枯れてしまう」という方のほとんどの原因が、水の与えすぎによるもので、水分の多い状態が続いたドラセナは根腐れをおこしてしまいます。
原産地がアフリカや亜熱帯地域のドラセナは、乾燥に強い植物ですから、乾かし気味に育てるのがポイントのひとつ。土が乾いているタイミングを確認してから水をあたえましょう。
ドラセナは多少の水切れをおこしても、自分の幹などに蓄えている水分を使って成長することができる植物ですが、幹に縦ジワがはいってきたり、葉が弱ってきたりしたときには、水切れのサインですから、ドラセナからのサインを見逃さないようにしましょうね。
また、冬の休眠期には水をあまり必要としないので、”少なめ”を意識するとよいでしょう。「健康状態が葉にでやすい」といわれているドラセナは、こまめに様子をチェックしながら、適度な水加減を覚えていきましょう。
日当たりと置き場所
ドラセナの原産地はアフリカや亜熱帯なので、耐暑性に強い特徴がありますが、直射日光は苦手です。強い日差しに長時間当たりすぎると、葉焼けをおこしてしまうので要注意。屋内でレースのカーテン越しに当たる日差し程度がベストといえますが、屋外のドライガーデンで管理する際には、日の当たり具合に注意が必要です。お部屋の環境によっては、日差しを確保できないという人もいるかもしれませんが、ドラセナはある程度の耐陰性があるので、2~3日に一度くらいのペースで、外の明るい場所で日光浴をさせてあげれば問題なく成長してくれます。
また、耐寒性が弱いドラセナは、冬場の管理には特に気をつけたいところです。10℃より低い環境では、寒さのために枯れてしまうこともあります。屋内でも安心せず、「夜になったら窓際から離して冷気を遮断する」などの工夫をしてあげてください。
肥料
丈夫で育てやすいドラセナは肥料がなくても育つ植物ですが、春から秋の成長期に肥料を与えると、さらに安定した成長をみせてくれます。
肥料の種類は2つ。
速効性のある「液体肥料」または、ゆっくりと浸透する「緩効性化成肥料」をあたえましょう。液体肥料は水で希釈したものを10~14日に1回あたえます。緩効性化成肥料は2ヶ月に1回の目安で、幹から離した場所へ置き肥にします。どちらのタイプの肥料にするか、植物の状態やお好みで選んでみてくださいね。
植え替え
ドラセナは、2~3年に一度のペースで植え替えを行いましょう。また、鉢底から根がでているのを見つけたタイミングで植え替えをするのもよいでしょう。
植え替えの適期は、5月中旬~7月の成長期で、2回り程大きな鉢へ植え替えましょう。冬の休眠期に入る前までに、しっかりと根を成長させる期間をつくってあげましょう。
【植え替えで準備するもの】
・鉢
・観葉植物用の土
・鉢底石
・ハサミ
【植え替えの手順】
1. 鉢底に鉢底石をしき、観葉植物用の土を3分の1入れる
2. 鉢からドラセナの株を引き抜き、古い土を落としていく
3. 傷んでいる部分があったらカットする
4. 新しい鉢へうつし、土をかけたら水をたっぷりと与える
ドラセナの害虫
病害虫には比較的に強いドラセナですが、気を付けたい害虫は2種類です。大切なドラセナを枯らしてしまう“きっかっけ”となる害虫は、予防と対策をチェックしておくことが早期発見へとつながります。
カイガラムシ
日当たりや風通しが悪い環境を好むカイガラムシは、大発生するまえの段階で食い止めたい害虫です。暗くてホコリっぽい場所でも発生しやすいので、「室内の観葉植物だから大丈夫」という安易な気持ちは、いったん捨てましょう。
カイガラムシに吸汁された植物は、弱ってしまうだけではありません。排泄物や分泌液には糖分が含まれているので、アブラムシやアリが集まりやすく、「すす病」を誘因してしまうこともあるのです。
成虫のカイガラムシには殺虫剤が効きにくいので、歯ブラシでこすり落とすか、発生している枝を切り落としてしまいましょう。大切に育てているドラセナのためにも、カイガラムシの発生は未然に防ぎたいところ。万が一発見した際には、早めの駆除が大切です。
ハダニ
高温の乾燥している環境で発生するハダニも、不快な害虫の代表といえます。葉の色素が抜けたような白い斑点や、ベトベトとしたクモの糸状のものを見つけたら、ハダニの被害にあっていることが考えられます。特徴あるドラセナの美しい葉が吸汁されつくしてしまわないうちに、スグに駆除の準備にはいりましょう。ハダニは水に弱い性質があるので、シャワーでまんべんなく水やりをするのもおすすめ。
また、牛乳を水で2~3倍に薄めたものをスプレーすると、ハダニを窒息させる効果があります。
この方法で駆除した翌日は、葉についている牛乳を洗い流すのを忘れないようにしましょう。大量発生してしまった場合には、やはり殺虫剤で確実に駆除する方法がおすすめです。
ドラセナの増やし方と剪定
ドラセナは剪定時に切った枝で、挿し木や水耕栽培で増やせる植物です。
葉が多く茂りやすいドラセナは、バランスを見ながら剪定するのがおすすめです。剪定の適期は、成長期の5~7月が剪定にベストな時期といえます。ドラセナは、剪定したところから新しい葉がつぎつぎに生長していくので、初心者でも剪定に失敗しにくい植物です。ぜひ剪定にチャレンジしながら、挿し木や水耕栽培でドラセナを増やしてみてくださいね。
まとめ
寿命が長いドラセナは、ポイントをおさえて育てれば、数十年に一度しか咲かないといわれている花を見せてくれるかもしれません。「幸福」という花言葉を持つドラセナの花を見ることができたら、感動もひとしおだと思いませんか?憧れのドライガーデンをイメージしながら、ぜひお好みのドラセナを迎えいれてあげてくださいね。
そんなドラセナは、洋風のお庭、特にドライガーデンやロックガーデンなどのお庭のコーディネイトにはぴったりな植物です。ドラセナを使ったオシャレなドライガーデンのお庭を作りたい」という方には、ドライ系植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでドライ系植物を知り尽くした庭.proにぜひお声がけください。
2024年1月25日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎