大切なウメ(梅)の木。自分で剪定したいけど、失敗して枯らしたり、傷めてしまったらどうしよう・・・。
そんな方に、ウメ(梅)の木の剪定方法やコツ、剪定時期についてご紹介します。
目次
ウメ(梅)の木の基礎知識
ウメ(梅)の木の種類
ウメ(梅)の木の育て方
ウメ(梅)の木の剪定方法
ウメ(梅)の木を剪定をするメリット
ウメ(梅)の木を剪定する時期は?
自分での剪定は事故に注意!
ウメ(梅)の木の基礎知識
学名:Prunus mume
科名:バラ科
属名:サクラ属
原産地:中国中部原産
和名:ウメ(梅)
英名:Japanese apricot
樹高:高木
常落区分:落葉性
日照:日なた
耐暑:強い
耐寒:強い
開花期:1月~3月
花色:白、ピンク、複色
植付時期:幼木の場合11月~12月、成木の場合2月下旬~3月中旬位。
剪定時期:6月~7月、10月~1月(成木)
記念樹:「結婚祝い」「父母への感謝」「巣立ちのお祝い」に向いています。梅は縁起の良い木とされています。詳しくはこちらから
花言葉:「上品」「高潔」「忍耐」「忠実」
サクラと見分けるのが難しいウメ(梅)ですが、「花柄(かへい)」がないのが特徴です。枝からそのまま花が咲いているように付いています。まとまって咲くのではなく、節ごとにひとつずつ咲きます。寿命が長く早春に開花することで古くから日本でも愛されいます。
ウメ(梅)の木の種類
梅の木の種類は500種類とも言われ、花弁の数も様々です。大きくは「花ウメ」と梅干などへ実を加工される「実ウメ」に分けられます。花弁の色は白・紅・ピンクなどがあります。
ウメ(梅)の木の育て方
鉢植え、庭植えともに日当たりの良い場所を選びます。水はけが良く肥沃な土地を選びましょう。水遣りは植えて2年未満の木には土の表面が乾いたら水をたっぷりとやります。
庭植えで2年以上経つウメ(梅)の木には基本的に水遣りの必要はありませんが、夏場など乾燥が強い場合は水をしっかりとやりましょう。
ウメ(梅)の木の剪定方法
苗を付けてからの年数と、季節によって剪定の仕方を変える必要があります。
1年目
剪定の時期:9~11月の秋口
苗木の成長を促すために、地面から30~60㎝の高さに幹を剪定します。
2年目
剪定の時期:12~1月の寒い時期
きれいな樹木形成の土台をつくります。
幹から上に伸びる大きい枝を3本だけ残し、他の枝は全て切り落とします。残した枝から出る細い枝も、3本ほどになるまで剪定します。また、残した細い枝は30%ほどまで切ります。
3年目
剪定の時期:12~1月の寒い時期
上に伸びる枝を残し、それ以外の枝は枝元から切り落とします。
下に伸びている、他の枝と交差している、他の枝に比べて伸びすぎているような枝は切り落としましょう。
4年目以降
剪定の時期:6~7月の夏
全体的に軽く剪定して、木の形を整えます。枝が偏っている箇所や、内側に伸びているものは枝元から剪定します。1年で1m以上伸びた生長の早い枝も切り落とします。
剪定の時期:10~1月の秋口~冬
翌年の花つきや実つきを良くするための剪定を行います。
枝が偏っている箇所や、内側に伸びているものは枝元から剪定します。細く弱い枝も取り除きます。
残った枝の花芽を確認します。枝元から花芽を5~6個残し、その先は剪定します。
太い枝を切った場合は、切り口に癒合剤などを塗って雑菌に侵されるのを予防しましょう。
ウメ(梅)の木を剪定をするメリット
ウメ(梅)の木は、「正しい時期」に「正しい剪定」をする必要があります。それができていないと樹形が崩れるだけでなく、花も咲かない・・・といった事態になりかねません。
また、枝は年々伸びるので、数年に1度は太い枝も強く切り戻します。そうしないとどんどん大きくなって、手に負えなくなってしまうかもしれません。
ウメ(梅)の木を剪定する時期は?
特に庭植のウメ(梅)の剪定の時期は重要です。
今年花が咲いた枝には、来年は花は咲きません。花が終わることに新芽が出始め、生長していきます。
ウメ(梅)には「花芽」と「葉芽」があり、花芽が翌年つぼみとなって花を咲かせます。葉芽は新芽として新しい枝を伸ばします。花が終わって伸び始めた新芽が「花芽」か「葉芽」か、確定するのが7月~8月ころとなります。
庭植えだと木の勢いが強いので、確定する前にバッサリと切ってしまうと、切られた事によりウメ(梅)の木が新しい枝を伸ばさなければ、と花芽も葉芽に変わってしまいます。このように剪定時期を間違えると、翌年ウメ(梅)の花を楽しむことができない…という事態に陥ってしまうわけです。
ですのでウメ(梅)の木の剪定は、花芽が確定した9月から、つぼみが膨らみはじめるまでの間に行うのが良いですね。秋口だとまだ葉がしっかりと茂っているので、分かりにくいこともあります。自信のない方は、ある程度葉が落ちてから剪定するのがおすすめです。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎