ツツジの花が咲かない理由?剪定のプロが方法を伝授します
ツツジは一般的に育てやすい花といわれ、綺麗に咲いているツツジを公園や住宅街などの道端で見かけることも多いですが、場合によっては花が咲かなくなることがあります。
その理由は、肥料をあげすぎたり、枝を切りすぎたりといった、お手入れのやり方が関係していることが多いです。
ツツジの性質や剪定の仕方を知って、最適な時期に剪定を行う事で翌年もたくさん花を咲かせることができます。
美しく咲いたツツジを楽しむために、上手く咲かない原因やお手入れとして欠かせない剪定方法、最適な時期などをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ツツジとはどんな花?
ツツジの花が咲かない主な原因
花を咲かせるための剪定時期と剪定方法
ツツジを健康に育てるために!剪定以外に必要な基本知識
ツツジで華やかな庭に!プロの専門業者を活用して綺麗で健康的なツツジを楽しもう
ツツジの剪定をプロの剪定業者に依頼した場合の料金ってどれくらい?
ツツジの剪定業者はどうやって選ぶ?信用できる剪定業者とは?
自分での剪定は事故に注意!
ツツジとはどんな花?
そもそもツツジは、どうしてこんなによく見かけるのでしょうか。
ツツジは公園や住宅街でよく目にしますし、実際に家でツツジを育てているという方や、引っ越した家にツツジが植えてあった、子供のころ道端に咲いてるツツジの蜜を吸った…なんて方も多いのではないでしょうか。
それは、ツツジが日本で生まれた花だからだと言えます。
正確に言うと、中国なども含めた東アジア地域原産の花であり、日本の気候と合っているため良く育ち、放っておいても花が咲くという事です。
「ツツジ」の基礎知識
学名:Rhododendron
科名:ツツジ科
属名:ツツジ属
原産地:日本・中国を中心としたアジア東部
和名:ツツジ(躑躅)
英名:Azalea
樹高:低木
常落区分:常緑性
日照:日なた
耐暑:強い
耐寒:強い
開花期:4月中旬~5月中旬
花色:白、赤、ピンク、紫、複色
植えつけ時期:3月~6月中旬
剪定時期5月~6月
記念樹:「結婚祝い」「結婚記念日」「開店祝い」に向いています。ツツジは花が次々と咲くことより、「縁起がいいことが次々に起こる」縁起の良い庭木とされています。詳しくはこちらから
花言葉:「節度」「慎み」
ではなぜ剪定する必要があるの???って思ったりしますよね。
花も生き物ですから、定期的にお手入れしてあげないと病気になってしまいますので、きちんと剪定してあげましょう。
ツツジの花が咲かない主な原因
ツツジが咲かなくなる原因には、主に次の4つが挙げられます。
①日当たりが悪く日光不足
②肥料のやりすぎ
③剪定のやりすぎ
④剪定を実施する時期を間違っている
もともとツツジは他の植物よりも日光を必要とするので、日当たりが悪いと花を咲かせてくれなくなってしまいます。
また、それほど栄養を必要としない植物なので、花を咲かせようとたくさん栄養を与える・肥料をあげすぎるとかえって逆効果です。
また、樹形を整えようと、ついつい枝を切りすぎて花芽をなくしてしまう事も多いです。
そして、一番多い間違いが剪定時期です。
開花の準備をしている時期に、知らず知らずのうちに剪定してしまう方が多いようです。
花を咲かせるための剪定時期と剪定方法
【剪定時期】
ツツジは日本全国に咲いていますが、地域によって咲く時期が変わり、概ね4月~5月、地域によっては6月中旬頃に開花することもあります。
ツツジの剪定の理想的なタイミングは開花(大体8割ぐらいの花が咲いた頃)から2週間以内、岡山でいえば、5月から6月の間に行うのが理想です。
理由としては、ツツジは4月~5月にかけてピンクや紫の花を咲かせ、花が終わり6月~7月になると花芽をつけはじめるからです。
ツツジは花が咲いてから翌年の花芽を付けるまでの期間がとても短いので、早めに剪定する必要があります。
花芽をつけはじめる時期以降に枝を切ると、せっかく開花を待っている花芽を切り落としてしまうことになります。
短い期間ではありますが、5月・6月に剪定するようにしましょう。
ツツジの剪定時期についてもう1つ注意していただきたいのが、サツキとの違いです。
サツキはツツジの親戚にあたり、見た目もよく似ている木ですが、ツツジとサツキは開花時期が異なるため、剪定の時期も違ってきます。
サツキと同じだろうと思って同じタイミングで剪定をしてしまうと、ツツジだけ花が咲かない、ということになってしまいますので気をつけましょう。
ツツジを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。
【ツツジの剪定に使う道具】
剪定の時期がわかったら、次に道具を揃えましょう。
ツツジの剪定には、専用の道具を使うことをおすすめします。
専用の道具であれば効率的に、植物に負担を与えずに、剪定作業を行うことができます。
【注意】
ホームセンターなどで安く売られている道具は、すぐに刃こぼれしたり、噛み合わせが悪くなったりしてしまうことがあります。
長く使うことを考えると、ある程度しっかりとした専用の道具を購入することをおすすめします。
木バサミ、刈込バサミ、剪定バサミの3つの道具を紹介します。
○木バサミ
直径1cm以内の細い枝を切るときに使います。
少し独特なな形をしていますので、慣れるのに時間がかかってしまうかもしれません。
まずは、自分の手にフィットしたものを選ぶというのがポイントです。
そうすることで、作業することにより手の皮がむけたり、手に豆ができるのを防ぐことができます。
ハサミを手の平に乗せたときに、ハサミの全長と、手首から指先までの長さが同じくらいになるものが最適
な大きさです。女性は18cm以下、男性や手の大きな人は22cmくらいが目安でしょう。
○刈込バサミ
枝を1本1本切るためではなく、株全体の形づくりをするときに用います。
植木屋さんが持っているハサミといえばこのイメージですよね。
コツさえつかめば、初心者・素人でも使えます。
ただ、刈込バサミは意外にも繊細な造りになっていますので、メンテナンスは欠かせません。
・切れ味が悪くなった→砥石で刃を研ぐ
・動かしづらくなった→椿油などの刃物用の油をつける
などの刈込バサミのメンテナンスをすることで長く快適に使うことが出来ます。
○剪定バサミ
太い枝を切るためのハサミです。
力の弱い人でも楽に切ることができるように作られており、挿し木などを作る際、根元から切り取るときに活躍します。
力を入れなくても簡単に切ることができるので、握力が弱い方や女性でも使えます。
簡単に切れるので、長時間使っても疲れにくく、効率的に剪定するための必需品と言えます。
【ツツジの剪定方法】
ひととおりの道具と軍手を用意したら、早速剪定作業です。
ツツジの剪定のポイントは、一回り小さくするように切り込んでいくことです。
枝を短くしていくようなイメージで、太めの枝を小枝の手前で切り戻しします。
ある程度切り戻しができたら、全体が丸くなるように刈り込んで樹形全体を整えます。
剪定するときは、枝を切りすぎないように気をつけましょう。
花芽の位置に注意しながら、どのように花が咲くのかをイメージしながら樹形を整えるのもコツのひとつです。
① 樹形をイメージする
ツツジはこの形にしなければならない、という決まりはありません。
一般的には丸い形に剪定することがほとんどです。
② イメージした形の、ひと回り小さくなるくらいの長さに切る
理想のイメージよりも3cmほど小さくなるように切っていきます。
イメージ通りの長さに切ってしまうと、花が咲く翌年には枝が伸びて、イメージよりも大きく、不格好な形になってしまいます。
想像力を働かせて、枝が伸びたらイメージした大きさになる、という長さを目指しましょう。
あとで調節するので、刈込バサミでざっくりと切ってOKです。
③ 内側の枝を切り取る
イメージよりひと回り小さく剪定できたら、内側の枝を取り除いていきます。
枯れ枝や、絡みあった枝などを根元から切り取りましょう。
風通しを良くすることで、害虫が付きづらく、病気になりにくくなります。
また、不要な枝を潔く切り落とすことで、養分を無駄に使うことも防げます。
太い枝や細い枝、それぞれに合わせて木バサミと剪定ばさみを使いましょう。
④外側を剪定する
最後に外観を整えていきます。
刈込バサミでも太刀打ちできない太い枝などは、剪定バサミを使って切っていきます。
ときどき離れた場所から全体を見て、イメージした樹形に整えていきましょう。
【注意】
強剪定はしない!
強剪定とは、枝を根元から切り落とすことを言います。
過度に極端な剪定をしてしまうと、次の年に花が咲きにくくなってしまいますので気を付けましょう。
ツツジは育成しやすい庭木として愛されていますが、剪定方法や時期を間違えると花を楽しめなくなってしまいます。
花が咲き終わってから花芽ができる前までの短い期間に、全体を小さくするように切り戻し・刈り込みを行うことが重要です。
花が咲かない原因が自分では特定できない、剪定は初めてなので不安だ、ツツジの剪定時期は忙しい時期と重なってなかなか時間が取れない…といったときは業者へ相談してみるとよいでしょう。
また、ベストな剪定時期を過ぎてしまっているけれど花芽を残して樹形を整えたい、と言った場合などはプロの剪定業者に相談すればお悩みを解決してくれるかもしれません。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
ツツジを健康に育てるために!剪定以外に必要な基本知識
ツツジは古くから庭木として愛されており、花がいくつも並ぶように咲くこと、花がまるで筒のような形状をしていることから「つつじ」という名前が付けられたといわれています。
そんなツツジは、時代とともにさまざまな種類が生まれており、落葉性のツツジと常緑性のツツジでは性質が多少異なります。
しかし、育て方やお手入れの仕方はどのツツジもほとんど同じです。
ツツジの植え方や病気予防法など、健康的なツツジを育てる方法を知りましょう。
【ツツジの植え方】
ツツジは春または秋に植えるのが良いと言われています。
大きな植木鉢とツツジの苗を用意し、水はけがよく柔らかい土を入れます。
できれば、ツツジ専用の土を使うのがおすすめです。
土にもいろんな種類がありますが、ツツジを植える土を選ぶときは
・水はけがよい
・柔らかい
の2点に注意すれば大丈夫。黒土、赤玉土、鹿沼土などがおすすめでしょう。
土から10㎝ほど枝が出るよう浅めに苗を植え、植えたあとは水をたっぷりかけてあげましょう。
【水・肥料のやり方】
ツツジは水分が大好きで、反対に乾燥が苦手です。
お庭に植えている場合はそれほど水やりに気を遣う必要はありませんが、土が乾いているようであれば、朝と夕方に1回ずつ水をあげるのが最適です。
日中に水やりをすると葉が弱ってしまうので水やりをする時間帯には注意しましょう。
また、根元に水をあげるようにすると、葉や花が日焼けすることを防ぐことが出来ます。
もともと栄養がない場所でもたくましく育つ庭木なので、養分はあまり気にしなくても大丈夫ですが、逆に養分を与えすぎると花が咲かない要因になるので気をつけましょう。
肥料を与える場合は、花が枯れたあとや秋・冬に緩効性の化成肥料を離れた場所に撒きます。
【挿し木による増やし方】
ツツジは挿し木を使うことによって植木を増やすこともできます。
7月ごろに花芽がついた新しい枝を10㎝分ほど切り、先の方に生えている葉だけを数枚残して水につけておきます。
1日ほど経過したのち、水はけのよい土を入れた植木鉢に挿しておきます。
毎日水を与え、風通しの良い場所で次の春を迎えるまで育てます。
【ツツジがかかりやすい病害虫と有効な対処】
ツツジを脅かす病気の代表格といえば、褐斑(かっぱん)病やうどん粉病、炭疽(たんそ)病 、もち病などが挙げられます。
これらの病気には、塩基性硫酸銅またはチオファネートメチルと呼ばれる成分が入った薬剤を使うことで効果的に病原菌を撃退することができます。
【ツツジに被害を与えやすい害虫】
とげを持つケムシやイラガ、葉を白っぽくするツツジグンバイなど、あらゆる害虫がツツジの葉や枝を蝕みます。
ホームセンターなどで手軽に手に入れられる園芸用の薬剤、スプレータイプや液状、固形のものなど、いろいろな農薬が有効ですので、害虫の被害を見つけたらすぐに対処しましょう。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
ツツジで華やかな庭に!プロの専門業者を活用して綺麗で健康的なツツジを楽しもう
ツツジは苗から育ち、大きくなれば挿し木で増やすことも難しくないため、育てるのは一見簡単なように思いますが、実はその過程において、いろいろと気をつけなければならない点がいくつかあります。
水を好む性質なので水をたくさん与えることは大切ですが、肥料はそれほど必要ではないので与えすぎはよくありません。また、病気や害虫に脅かされたときには適切な対処が必要です。
「育て方がわからない」「合っているか不安だ」というときには、プロの専門業者に相談してみるとよいでしょう。
万が一病気にかかってしまったときにも、すぐに専門業者に対応してもらえば元気なツツジを取り戻せる可能性が高まります。
ツツジの剪定をプロの剪定業者に依頼した場合の料金ってどれくらい?
ツツジ剪定を自分でするのは不安…という場合は、やはりプロの剪定業者に依頼するべきでしょう。
しかし、料金がかかるという理由から依頼をためらってしまう方や、業者の技術力や信頼性がわからないので依頼しないという方も多いのではないでしょうか。
ツツジ剪定を安心して業者に依頼するには、おおまかな料金をあらかじめ調べておくことと、技術力・信頼度の高い業者を選ぶことが重要です。
料金の決められ方と業者の選び方を見ていきましょう。
ツツジの剪定でかかる費用の計算方法は大きく2パターン。
ツツジ剪定の費用は剪定業者によって違いますが、多くの業者が取り入れている代表的な2つの料金設定をご紹介します。
・対応する剪定職人さんに対する料金
・ツツジそのものに対する料金
まず、剪定職人さん1人にかかる料金で決められているパターンの場合、剪定を終わらせるのに必要な時間や対応する人数が多いほど費用が高くなります。
ツツジ自体を料金の基準にしているパターンの場合、ツツジの木の高さや本数はもちろんのこと、生垣の場合は横幅や長さが関係してくることもあります。
つまり、ツツジの状態や切り方の要望が同じでも、業者ごとの料金設定の違いによって費用が変わってくることになります。
また、消毒や木の枝の処分などのオプションがついたり、ツツジの切り方を変えたりすることによっても料金が変動してくる場合があります。剪定の依頼を決める前に見積もりをとって、料金を確認したり比較するとよいでしょう。
ツツジの剪定業者はどうやって選ぶ?信用できる剪定業者とは?
剪定費用の安さだけが剪定業者選びの基準ではありません。
【適切な料金設定】と【実績の多さ】にも注目して、業者の信頼度を計ることが大切です。
【適切な料金設定】
料金設定が明確に決められており、しっかりとした見積りを出してくれる剪定業者は信頼性が高いです。
不明瞭な点は電話などで質問して明確にしておくことも大切です。
【実績の多さ】
実績が多い=経験と知識が豊富であるということです。
ツツジの剪定経験豊富な剪定職人・業者なら、庭のツツジも花咲くように丁寧に剪定してくれるでしょう。
費用を調べてもその費用が適切・妥当なのかわからない、目安の費用しか分からない…そう感じている方はぜひ見積もりを取ってみてください。
剪定業者に見積もりを出してもらうことで、費用を明確にすることができ、作業ごとにかかる料金が目に見えてわかるようになります。
また、剪定業者の費用の差だけではなく、技術力や経験値、対応そのもののサービスレベルなどもしっかりと見えてくることでしょう。
庭のプロ集団『庭.pro(ニワドットプロ)』では、無料で見積もりをご依頼していただけます。
もしご自身での剪定作業に取り組むことが難しいと感じる作業や、時間がかかったり面倒だと感じてしまったりする作業は、庭のプロにお任せするのも綺麗にツツジの花を咲かせるコツです。
自分でできることは自分で行い、できないことだけを任せる。このようにして、賢く綺麗にツツジを咲かせましょう。
作業が難しい場合は、庭のプロ集団『庭.pro(ニワドットプロ)』までご相談ください。
綺麗なお庭で皆様の暮らしが豊かになれば幸いです。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎