新築時にハウスメーカーに任せっぱなしだった植栽部分・・・今はどうなっていますか?枯れてみすぼらしくなっていないでしょうか?
マイホームの庭づくりに本格的に着手したいな、と漠然とお考えの皆さん、そろそろ本腰を入れて庭リフォーム&ガーデニングしませんか?
センスよく庭づくりしたいけれど、何から着手してよいか分からない・・・そんな方のために、この記事では、今人気の「ナチュラルガーデン」の庭づくりにおすすめのアイデアをご紹介したいと思います。
目次
ナチュラルガーデンとは?
・風景美のイングリッシュガーデン
・ナチュラルガーデンとイングリッシュガーデンの違い
ナチュラルガーデンにおすすめの庭づくり10選
①グランドカバープランツを利用する
②多肉植物を上手に使う
③何もないフリースペースを作る
④外構物の下のスペースを有効活用する
⑤壁面を緑化する
⑥フェンスに這わせる
⑦鉢に高低差をつける
⑧シャビーな塗装で個性を出す
⑨ジャンクな雑貨で魅せる
⑩花と野菜が共演したポタジェ
まとめ
やっぱりプロに依頼したい方
ナチュラルガーデンとは?
風景美のイングリッシュガーデン
宮殿の庭園のような格式高いフォーマルガーデンとは異なり、その正反対ともとれるアンフォーマルな庭園、自然そのままの美を讃えるのが「イングリッシュガーデン」です。小川や丘を迂回して曲線を描くナチュラルな小道など、イギリスの片田舎の風景を基調とし、自然のありのままの草花を愛でるのが特徴です。
イングリッシュガーデンでは風景美を尊重するので、道を直線にしない、ガーデンの途中に現代風の人工物を置かない、自然界にはない派手な色使いは避ける、などの暗黙のルールが垣間見られます。
「ナチュラルガーデン」も自然な姿を愛でるという意味では、イングリッシュガーデンとほぼ同様に使われる言葉ですが、あまりルールに縛られると敷居が高く感じられ、気後れしてしまいますよね。
ナチュラルガーデンとイングリッシュガーデンの違い
現代の一般住宅の庭づくりにおけるナチュラルガーデンは、本場のイングリッシュガーデンのルールに従う必要は全くなく、自由な発想で庭づくりを楽しめます。イングリッシュガーデンでは、2m越えの背の高い植物が当然のように登場しますが、それは広い庭があってこそのこと。一般住宅ではなかなか難しいですよね。なるべく生活の邪魔にならないように植栽はコンパクトにしたいところです。
ナチュラルガーデンの目的は、時代に合ったやり方で、センスよく庭づくりを楽しむことです。たとえば狭いスペースで見映えよくまとめたり、益虫やコンパニオンプランツの力を借りてなるべく無農薬、低農薬を目指したり、廃材を利用し地球にも優しいガーデニングを目指したりと、ちょっとしたアイデアで誰でも簡単に、おしゃれな庭づくりを楽しむことができますよ。次の章では、ナチュラルガーデンにおすすめの庭づくりのアイデアを、10の項目に分けてご紹介したいと思います。
ナチュラルガーデンにおすすめの庭づくり10選
①グランドカバープランツを利用する
ナチュラルガーデンに欠かせない植物の一つに、「グランドカバープランツ」があります。グランドカバープランツとは、地を這うようにして広がるタイプの一年草または多年草です。シバザクラやアジュガ、クリーピングタイムなどの植物がグランドカバープランツです。
高さがないので人の動線にあっても邪魔になりません。基本的に雨水だけで生きていけるので、水やりや肥料やりなどの手間もなく、小さいながらも陽に向かって活き活きと成長する姿を見ると、気持ちがよいものです。
多少踏まれてもびくともしない丈夫さを持ちますので、たとえば、車が出入りする駐車場のコンクリート土間の目地にグランドカバープランツを植えることも可能です。広い範囲に植えるなら芝生が一番オーソドックスですが、グランドカバープランツは、10cmもないような枕木や飛び石の間など「こんなところに植物は無理」と思われるような、庭のちょっとした隙間にも生やすことができて、ナチュラル感を出すことができます。
②多肉植物を上手に使う
多肉植物は、あまり水分を必要としないので、降雨があれば水やりも要りません。挿し葉でよく増えますので、葉がぽろっと取れて勝手に増えてくれますよ。前項のグランドカバープランツとして利用するなら多肉植物のセダムと言う種類を利用するとよいでしょう。ゴールデンカーペットや万年草などが、地を覆うように広がるので向いています。
また、多肉植物はおしゃれなアイテムとしても活躍します。単体でも見栄えのするハオルチアやエケベリアなどの多肉植物を、ブリキ缶やリメイク缶、かごなどに入れればSNS映えすること間違いなしです。缶やかごの中に麻布を無造作に敷いても雰囲気が出ますよ。
多肉植物は乾燥気味を好みますので地面に直接置くよりは、ウッドデッキやテラス、棚など一段高いところに置く方が、風通しもよく見栄えもよくなります。
③何もないフリースペースを作る
ナチュラルガーデンの夢が膨らみ、あれもこれも欲張って植えたくなってしまいますが、実は「何も植わっていない場所」を作ることがナチュラルガーデンを成功させるコツです。余白の部分があって初めて植栽が生きてきます。
何もないスペースと言っても芝生を植えたり、レンガ敷きの多目的スペースを作ったり、砂利を敷いたり、何かしらの外構があるとマイホームの完成度はより高くなりますよ。
何もないフリースペースがあれば、見た目もすっきりしますが、家族や友人とバーベキューを楽しんだり、子どものビニールプール遊びや、ペットのシャンプーをしたり、花火や餅つきなど季節のイベントに使うこともできますね。また、自宅の庭に広い場所があると、災害があった時など、いざという時にも安心です。
④外構物の下のスペースを有効活用する
花壇を造るとなると、それなりのスペースが必要なので「狭い我が家にガーデニングは無理・・・」と諦めていたご家庭でも、たとえば、郵便受けの下や、目隠しの下はいかがでしょうか。玄関ポストや目隠しを庭リフォームする際には、プチガーデンも併せてお考えになるとよいと思います。
スペースを見つけたら、土づくりを行えばどこでもガーデニングはできますよ。
まずスコップで掘り返し、石や建築ガラなどを取り除き、腐葉土と堆肥、軽石などをすき込んで水はけをよくし、地面より少し高く土を盛ることから始めましょう。
立派な花壇は無理でもイエローやホワイトの石の塊や、アンティークレンガをすこし置くだけでも雰囲気が出て、ナチュラルガーデンのできあがりです。
⑤壁面を緑化する
狭いスペースでガーデニングをするとなると、どうしても場所に限りが出てしまいます。足元がガーデニングでごちゃごちゃし過ぎるのは見栄えも悪く、緊急避難経路の邪魔にもなりますよね。そういう時は、板塀やラティスフェンスなどにハンギングバスケットを飾り、足元をスッキリさせましょう。縦のラインに植物を飾ることによって高低差でメリハリも生まれます。また、日影の庭でも高さを出すことによって、日に当たる時間が長くなる場合もあります。
窓枠の下も、ナチュラルガーデンにはよい場所です。YKK APやLIXILなどから、専用のフラワーボックスが市販されていますので、住宅のイメージに合ったものが選べそうですね。外構の主要メーカーから販売されているフラワーボックスなら、品質的にも信頼でき安心ですね。
⑥フェンスに這わせる
栽培スペースの関係で、イングリッシュガーデンのような大型植物は植えられなかったとしても、外構のフェンスを使ってつる性の植物を育てれば、省スペースでゴージャスに見せることができますよ。つるバラやクレマチス、アサガオや風船カズラなどの植物をフェンスに這わせれば、通路や隣家からの目隠しにもなり、一石二鳥です。
大型の植物が、大雨の後に倒れて通路の邪魔になったり、お隣の庭に倒れ込んで迷惑をかけたりするようでは困りますよね。花が付きすぎて重たくなる植物をフェンスに持たれかけさせることによって、花が倒れてくるのをフェンスが受け止めてくれる効果もあります。
⑦鉢に高低差をつける
また、背の高い植木鉢を利用して高低差を出す方法もあります。同じ背の高さの鉢をただ並べるとのっぺりした印象になりますが、高低差を出して縦のラインを強調するとメリハリや奥行きも感じられて、よりナチュラルなイメージになります。鉢植えなら後から追加しても、自由自在に組み合わせられますね。
また、本来は植木鉢ではなかったものを利用して高さを出すテクニックもあります。たとえば画像のように木箱を組み合わせて高さを出す方法もあります。農業用の一輪車に培養土を入れて花や野菜などの植物を育てるのもフォーカルポイント(見どころ)となりおすすめです。高さも出てカントリー風に仕上がりますよ。
⑧シャビーな塗装で個性を出す
ワンランク上のナチュラルガーデンを目指すなら、シャビーな塗装を取り入れてみましょう。シャビーなファニチャーでおしゃれに見せている達人がSNS上には沢山います。ところでシャビーとは何のことかご存じでしょうか。語源は「シャビーシック」からきていて、「古くて上品」というニュアンスで使用されます。わざと朽ちさせた退廃の美の技巧で、アンティークと似たような意味ですが、アンティークが本物の骨董品なのに対し、シャビーは人の手でわざと古ぼけさせたりすることがよくあります。
シャビーな塗装のやり方ですが、木材に濃い水性ペンキを塗った後に淡い色の水性ペンキを塗り、ヤスリで擦ったり、ハンマーでたたいたりして下地を見せると古ぼけた雰囲気になるのでDIYしてみるのもよいでしょう。口で言うのは簡単ですが、アートのセンスが必要となります。今は「クラック塗料」という誰でも簡単にシャビーな塗装ができるよいペンキが市販されています。工程通りに塗り重ねると、あら不思議、素人でも簡単にバリバリに割れた塗装が完成します。
DIYは好きだけど美的センスに自信がないと言う方は、シャビーな加工を施した既製品を購入するか、専門業者にお任せしたほうがよいでしょう。
⑨ジャンクな雑貨で魅せる
自然風景美のイングリッシュガーデンでは、自然にない色味や、工業製品、プラスチックなどの人工的なものをガーデンに置くのはご法度ですが、ナチュラルガーデンならジャンク雑貨はよいフォーカルポイント(見どころ)となります。
割れた鉢や、錆びて穴の開いたブリキのバケツやジョウロなどもオブジェとして使えます。このままだとただの廃棄物だった壊れたジョウロも、棚や椅子などをDIYしてニュアンスのある色にペイントすれば、あっという間におしゃれポイントに早変わりです。今流行りのアウトドアリビングに置いてもよいかもしれませんね。
⑩花と野菜が共演したポタジェ
マイホームの限られた敷地の中で「ガーデニングと菜園の両方は厳しい」とお感じの方は、ポタジェにチャレンジしてはいかがでしょうか。ポタジェ(potager)とはフランス語で「混ぜ合わせる」という意味で、草花と一緒に野菜やハーブ、果物などを混植し、美しさと実益を兼ねたガーデンスタイルです。野菜と草花両方を兼ねるのであれば、土づくりが肝心となります。植物や野菜作りに詳しいスタッフがいる専門業者に相談できるとよいですね。
無農薬、低農薬で育てる家庭菜園に欠かせないのがコンパニオンプランツです。特定の植物の臭いや根っこに住む微生物などにより、害虫や病原菌を遠ざける効果が期待できたり、肥料を呼び寄せたりすることができます。たとえば、マリーゴールドにはネコブセンチュウを殺す物質が根から出るので、コンパニオンプランツとしてよく利用されます。
キュウリにはネギ、トマトにはニラ、タマネギにはクリムゾンクローバーなど、植える物によって効果的なコンパニオンプランツは違いますので、詳しくは野菜作りに詳しいスタッフにお尋ねくださいね。
まとめ
マイホームに「ナチュラルガーデン」を成功させるためのコツを、画像を交えてご紹介いたしました。おしゃれに見せるということはセンスが問われる部分も多いのですが、あまりルールにとらわれず、ご自分の好きなようにするのが一番です。いくつかのポイントを押さえてメリハリのある庭づくりをすればワンランク上のナチュラルガーデンを目指せそうですね。
もし迷ってしまったら「こんな質問をしたら笑われるかな」と思わずに、何でも庭のプロ集団『庭.pro』にご相談してくださいね。庭&ガーデニングのプロがご希望やお住いの条件に併せてご提案させていただきます。
2024年1月30日更新