上の写真は、ドライガーデン・ロックガーデンで最も使われている花崗岩の石ですが、ドライガーデンやロックガーデンには、どのような色や形の石が合うのでしょうか。今回はドライガーデン・ロックガーデン用におすすめの石をドライガーデンを長年手がけているガーデナーが詳しくご紹介いたします。
目次
ドライガーデンに合う石って?
カリフォルニアテイスト/砂利:ベージュ×庭石:ブラウンチャート
アリゾナテイスト/砂利:レッド×庭石ピンクベージュ
ウエストコーストテイスト/砂利:ホワイト×庭石:ホワイト
キラウエアテイスト/砂利:ブラック×庭石:ブラック
ドライガーデン用の石の種類は?
花崗岩(かこうがん)
凝灰岩(ぎょうかいがん)
安山岩(あんざんがん)
砂岩(さがん)
石灰岩(せっかいがん)
石英岩(せきえいがん)
石や砂利の量の計算方法は?
お庭の面積
砂利の厚み
砂利の大きさ
砂利の量
砂利の量の計算式
ドライガーデンに合う石って?
ドライガーデンに使われている石は、石というよりもむしろ、岩と呼んだ方が良いのではないかと思うような、ゴツゴツとした大きな石に人気がありますが、目の細かい砂から巨大な岩まで、そのドライガーデンのテーマによって、岩や石、砂までもトータルにコーディネイトできる所も、ドライガーデンの大きな魅力ではないでしょうか。
テーマ付けでコーディネイトの幅も広がるドライガーデンですが、テーマに合うカラーの石のバリエーションには以下の四種類があります。
カリフォルニアテイスト/砂利:ベージュ×庭石:ブラウンチャート
ブラウン系の石は、全国で著名な岐阜石割栗石、チャートなどとも呼ばれていますが、ブラウンベースの中にピンク、青、赤、白、グレーなどが入り混じっている割栗石です。この系統の石は全国各地で採掘されていますので、近隣のものがあれば活用を考えてみましょう。
アリゾナテイスト/砂利:レッド×庭石ピンクベージュ
砂利には赤い色をした溶岩石の砂利、スコリアのレッド。庭石には、揖斐赤石、山伏石 、そしてスコリアロックなどをチョイスしてみましょう。アリゾナの砂漠をイメージして、荒々しい赤肌を想像させる色合いの砂利とロックでアメリカ西部の良き時代にタイムスリップしてみませんか。
ウエストコーストテイスト/砂利:ホワイト×庭石:ホワイト
砂利には白川砂利、庭石にはホワイトゴブルロックやホワイトロックなどをチョイスしてみましょう。大理石由来の石には、丸みを帯びたかわいらしい石やごつごつと角のある石など、さまざまな形状のものがあるので、自分のイメージに近いものを探しぬこう。
キラウエアテイスト/砂利:ブラック×庭石:ブラック
砂利にはスコリアブラック、庭石には、ブラックロックや浅間石などを活用してみましょう。国内では黒色の石の産出は少ないのでとても希少ですが、火山から流れ出て冷え固まった溶岩のイメージには、本物のスコリアなどがやはり一番適しているのですね。
ドライガーデン用の石の種類は?
ドライガーデンに用いる石は、前述のカラーでコーディネイトすることもオシャレですが、石の持っている質感で全体的なイメージを作り上げるということも可能です。
花崗岩のざらざらした質感や、石英岩のような光沢、石灰岩の持つ様々な堆積物の質感など、優しいイメージから無骨なイメージ、そして琉球石灰岩のサンゴが堆積した南国のイメージなど。様々な石の持つ質感などを生かして、自分オリジナルなドライ・ロックガーデンを作ってみましょう。
花崗岩(かこうがん)
花崗岩は、深成岩の一種でマグマが冷え固まったものです。 花崗岩の主要な構成鉱物は、石英と長石、黒雲母、角閃石などで、磨くと美しいことより、庭石や建築物などに用いられています。
代表的な花崗岩、岩手県「姫神小桜石(ひめかみこざくらいし)」、福島県「青葉石(あおばいし)」、茨城県「稲田石(いなだいし)」「真壁石」(まかべいし)「坂戸石」(さかどいし)、兵庫県「播磨本御影石」(はりまほんみかげいし)、岡山県「万成石」(まんなりいし)「大窪石」(おおくぼいし)「北木石」(きたぎいし)、香川県「小豆島石」(しょうどしまいし)「庵治石」(あじいし)、愛媛県「大島石」(おおしまいし)、広島県「議院石」(ぎいんせき)、山口県「徳山石」(とくやまいし)、福岡県「内垣石」(うちがきいし)
凝灰岩(ぎょうかいがん)
凝灰岩は、火山灰が堆積してできた堆積岩です。火山灰が起源のため角ばった形をしたものが多く、白色、灰色、黒色などの色に変質したり、中にはピンク色、赤褐色や緑色を帯びるものもある。多孔質で柔らかい石質で、強度もあるが風化しやすいので、風雨などでの劣化で自然な趣を醸し出してくれます。
代表的な凝灰岩、北海道「札幌軟石」(さっぽろなんせき)、秋田県「十和田石」(とわだいし)、栃木県「大谷石」(おおやいし)、石川県「滝ヶ原石」(たきがはらいし)、静岡県「伊豆石」(いずいし)、兵庫県「竜山石」(たつやまいし)
安山岩(あんざんがん)
安山岩は、火成岩の一種で、マグマが急速に冷えて固まった岩石です。安山岩の主要な構成鉱物は、斜長石、輝石や角閃石で、灰色、白色、黒色などの斑晶が入ったりしているものが多いが、風化や変質によっても、見た目が大きく変わり、淡い灰色で光沢が少ないものが多い。
代表的な安山岩、宮城県「伊達冠石」(だてかんむりいし)、秋田県「男鹿石」(おがいし)、福島県「白河石」(しらかわいし)、栃木県「芦野石」(あしのいし)、神奈川県「根府川石」(ねぶかわいし)、石川県「戸室石」(とむろいし)
砂岩(さがん)
砂岩は、主に砂が堆積して固結した岩石です。砂岩の主要な構成鉱物は、石英、長石、白雲母などで、副成分鉱物は、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、ジルコン、電気石、柘榴石、金紅石などで、0.1~2ミリの砂粒が固結した堆積岩ですから、堆積層が表情に現れることが多く、濃淡のコントラストで筋模様が見えることも特徴の一つで、表面はざらざらしているため、汚れや苔が付きやすく、メンテナンスが必要です。
代表的な砂岩、群馬県「多胡石」(たごいし)、大阪府「和泉砂岩」(いずみさがん)
石灰岩(せっかいがん)
石灰岩は、生物の化石や海水中の成分などが沈殿して固まった堆積岩です。沖縄県本島中部から南部地域で採掘される琉球石灰岩は、主に珊瑚や貝殻などが堆積してできた石灰岩です。含まれる炭酸カルシウムの比率が高い場合は白色で、不純物により灰色や茶色、黒色などの石灰岩もあります。石灰岩は柔らかく、加工も風化もしやすいという特徴があります。
代表的な石灰岩、北海道「札幌軟石」(さっぽろなんせき)、秋田県「十和田石」(とわだいし)、栃木県「大谷石」(おおやいし)、兵庫県「竜山石」(たつやまいし)、香川県「豊島石」(てしまいし)
石英岩(せきえいがん)
石英岩は、純粋もしくは純粋に近い珪酸からできる火成岩です。主要な構成鉱物は二酸化ケイ素で、六角柱状のきれいな結晶を作ることが多く、結晶度が高いものは水晶と呼ばれています。石英は成分が水晶とほぼ同じで、ガラスのような割れ方をします。
代表的な石英岩の産地は、三重県茂原、広島県大須・大野、岡山県慶長、山梨県東沢、等
石や砂利の量の計算方法は?
ドライガーデンに用いる岩、石、砂利などの量はどのくらい必要か?といってもなかな難しいですね。これらを計量するためにはどれだけの面積に敷くのかを把握する必要がありますから、事前に敷く面積を計算しておきましょう。
お庭の面積
砂利を敷く面積は「縦(m)×横(m)= 面積(㎡)」です。
砂利の厚み
お庭に敷く砂利の量は、面積と砂利の厚みによって決める必要があります。厚みの目安は、人が歩く程度なら「3~5cm程度」で、自動車を乗り入れる場所では「10cm程度」は必要です。
砂利の大きさ
日本の寸法規格(尺貫法)は、1分が約3mmですから、7厘は約2mm、3分は約9mm、5分は約15mmとなります。
砕石などの粒形規格では、1号60~80mm、2号40~60mm、3号30~40mm、4号20~30mm、5号13~20mm、6号5~13mm、7号2.5~5mmです。
概ねこのどちらかで表されています。この粒の大きさで厚みを変えるという場合もあります。
砂利の量
必要な砂利の量は、ドライガーデン用であれば、1cm程度は必要ですから、1平方メートルあたり、10リットル程度は必要です。
砂利の量の計算式
砂利敷きの面積「縦(m)×横(m)」=「面積(㎡)」
砂利の容量「面積(㎡)×厚み(cm)×10(リットル)」=「必要な容量(リットル)」
計算例)縦1m×横3m=3㎡ 3㎡×1cm×10ℓ=30ℓ
砂利は10ℓ12㎏前後ですから、この場合は3袋で36㎏程度の砂利が必要になりますね。
2024年1月30日更新