この写真は岡山市内にお住まいの実際のユーザー宅のお写真です。
近年人気が爆上げのドライガーデンですが、岡山においてもお家のお庭や店舗前の外観などで、ちらほら見かけるようになりましたが、ドライガーデンに向く植物や石に土、そしてデザインなど、知見や経験が豊富なガーデナーが岡山には少ない中で、ドライガーデン、オージープランツが得意なガーデナーに、そのノウハウを伝授していただきます。
目次
岡山にはどんな地域特性があるの?
岡山の気候は?
耐寒性ゾーンとは?
岡山のエリア別耐寒性ゾーンは?
【岡山・倉敷エリア】
【御津・吉備高原エリア】
【津山・新見以北エリア】
【牛窓~児島海岸沿いエリア】
【諸島部エリア】
岡山の冬の特徴を解説!
岡山のドライガーデンにおすすめの植物をカテゴリー別に分けて解説!
岡山でおすすめのドライガーデン向きシンボルツリー
1.オリーブ
2.ココスヤシ(ブラジルヤシ)
3.ユッカ・ロストラータ
4.パンパスグラス
5.ソテツ(蘇鉄)
岡山でおすすめのドライガーデン向き中低木
1.ダシリリオン
2.ヤツデ
3.アガベ
岡山でおすすめのドライガーデン向き下草
1.金鯱サボテン
2.龍の髭・黒龍・白龍
3.カレックス
岡山でおすすめのドライガーデン向きオージープランツ
1.バンクシア
2.グレビレア
3.メラレウカ
岡山のドライガーデンにおすすめの石(ロック)や岩
1.大窪石(岡山市)
2.小豆島石(小豆島町)
3.矢掛石(小田郡矢掛町)
4.万成石(岡山市)
岡山のドライガーデンにおすすめの土づくり
岡山のドライガーデンにおすすめのデザイン
1.三植(さんしょく)
2.樹木の表と裏を見極めよう
3.気勢を重視しよう
岡山にはどんな地域特性があるの?
岡山県のホームページには「岡山県の気候は、北に中国山地、南に瀬戸内海と四国山地が横たわり、夏・冬の季節風はこれらの山地を越えるときに多量の雨や雪を降らせてから岡山県に吹き込むため、年間を通して雨や雪が少なく温暖で日照時間が長いのが特徴で、これが、「晴れの国おかやま」と呼ばれるゆえんともなっています。」と書かれている通り、温暖で雨が少なく日照時間が長いというのが大きな特徴ですから、ドライガーデン向きの植物にはぴったりな気候ですが、県南の沿岸地域と県北の山麓地域の気候は全く異なるので、このあたりを注意して植物を選ぶのは大きなポイントです。
岡山の気候は?
岡山県の気候区分は県中南部は瀬戸内海式気候、県北部の中国山地沿いは日本海側気候に属していますが、岡山県の気候は地形や地理的条件の下、島々と平野部からなる瀬戸内側、吉備高原と盆地を中心とした内陸部、中国山地の3つに大別されていて、これらの地形や地理的条件がそれぞれの気候特性として現れています。
瀬戸内側気候特性
瀬戸内側は、温暖で、降水量は年間を通して少なく、年間降水量は1,000~1,300mm程度です。岡山市の2022年の最低気温は-1.0℃、最高気温は33.9℃です。
内陸部気候特性
内陸部は、瀬戸内側に比べて気温はやや低く、年間降水量は1,300~1,500mmとやや多めです。日応寺の2022年の最低気温は-5.6℃、最高気温は34.4℃です。
中国山地気候特性
中国山地は、気温はかなり低く、年間降水量は1,600~2,000mmで、冬季の降水量が多く、県北東部の一部には、広戸風という特殊な風が吹くこともあります。津山の2022年の最低気温は-6.0℃、最高気温は36.5℃です。
耐寒性ゾーンとは?
園芸の世界では「最低気温」を段階別に分けた『耐寒性ゾーン(USDAハーディネスゾーン)』を参照することがあります。これは、植物が育つうえでどのくらいの寒さまで耐えられるのか、アメリカ農水省(USDA)が作った指標です。庭木を地植えにする際に参考にすると良いでしょう。
ちなみに、植物のラベルを見ても「耐寒性ゾーン」が書かれていることはほとんどにありません。調べるには「学名+zone」などで検索すると(ほとんどが英語のサイトですが…)見つけられるかもしれません。例えば「シマトネリコ」なら、学名「Fraxinus griffithii」と「zone」で検索して調べると、耐寒性ゾーンは「8~10」などと記載されていることが分かります。
耐寒性ゾーン表
3a | -37.2°C ~ -40.0°C | 3b | -37.2°C ~ -34.4°C |
4a | -34.4°C ~ -31.7°C | 4b | -31.7°C ~ -28.9°C |
5a | -28.9°C ~ -26.1°C | 5b | -26.1°C ~ -23.3°C |
6a | -23.3°C ~ -20.6°C | 6b | -20.6°C ~ -17.8°C |
7a | -17.8°C ~ -15.0°C | 7b | -15.0°C ~ -12.2°C |
8a | -12.2°C ~ – 9.4°C | 8b | – 9.4°C ~ – 6.7°C |
9a | – 6.7°C ~ – 3.9°C | 9b | – 3.9°C ~ – 1.1°C |
10a | – 1.1°C ~ 1.7°C | 10b | 1.7°C ~ 4.4°C |
11a | 4.4°C ~ 7.2°C | 11b | 7.2°C ~ 10.0°C |
12a | 10.0°C ~ 12.8°C | 12b | 12.8°C ~ |
※『PROVEN WINNER』サイトの「耐寒性ゾーンマップ」が分かりやすいので、参考にするとよいと思います。
岡山のエリア別耐寒性ゾーンは?
岡山県は大きく分けて、岡山倉敷エリア、御津・吉備高原エリア、津山新見以北エリア、牛窓~児島海岸沿いエリア、諸島部エリアの五つに分けられます。
【岡山・倉敷エリア】
岡山県人口の63%が集積している岡山市・倉敷市の市街地エリアは、ビジネス街、ショッピング街、住宅などが入り混じる地域で、災害が少なく温暖な気候です。
【耐寒性ゾーン】
岡山市・倉敷市は《9a》ゾーンです。
【御津・吉備高原エリア】
吉備高原エリアは、標高200~500メートルの高原地帯で、気候はやや内陸性で県南部と比較して冷涼な地域で、高原気候のため昼夜の寒暖差があり、朝晩が涼しいといのが最大の特徴です。
【耐寒性ゾーン】
吉備高原都市・岡山市北区御津宇垣は《8b》ゾーンです。
【津山・新見以北エリア】
東西に中国山地が走る岡山県北部地域は、新見市・津山市以北を主体とした地域です。年間を通じて降水量は岡山県内で最も多く、1600~2000mmで、降雪期では平地で30cm・山間部は200cm程度の積雪があるため、一般的にドライガーデンに用いられる植物は越冬が難しい地域でもあります。
【耐寒性ゾーン】
新見市・津山市は《8a》ゾーンです。
美作市・勝央町・奈義町・西粟倉村・蒜山高原は《7a》ゾーンです。
【牛窓~児島海岸沿いエリア】
岡山県南の沿岸地域は、兵庫県境から広島県境までの瀬戸内海に面した 7 市(備前市、瀬戸内市、岡山市、玉野市、倉敷市、浅口市、笠岡市)で、瀬戸内海特有の穏やかな景観と美しい海浜は、その大部分が瀬戸内海国立公園に指定されており、「瀬戸内式気候」という独特の気候です。年間平均降水量は 1,100mm 程度と少なく、年間平均気温は約16℃と温暖で、下降気流の影響が多い地域であることから晴天になることが多く、日照時間は年間 2,000 時間程度ととても長い。また、岡山の沿岸地域は地形的に強い風が吹きにくく、強い台風の来襲も少なく、夕方の海風から陸風に変わる時には「瀬戸の夕凪」で有名な無風状態になることが多い。
【耐寒性ゾーン】
牛窓・宝伝・沙美・寄島・笠岡は《8b》ゾーンです。
小串・玉島は《9a》ゾーンです。
出崎・宇野・渋川・児島・下津井・水島は《9b》ゾーンです。
【諸島部エリア】
岡山県南の諸島部地域は、気候は瀬戸内海型気候で、温暖少雨、年平均気温は15度前後です。海洋性気候の影響を受け冬でも0℃以下に下がることが少ない。また、瀬戸内沿岸は地中海性気候に近く、オリーブ栽培が盛んな牛窓は日本のエーゲ海とも呼ばれています。
【耐寒性ゾーン】
前島・黄島・黒島は《8b》ゾーンです。
犬島・小豆島は《9a》ゾーンです。
井島・直島・本島・与島は《9b》ゾーンです。
岡山の冬の特徴を解説!
岡山県は「晴れの国」と呼ばれ、気候は温暖で災害も少ないところで、夏は涼しく冬は暖かい、楽園のような岡山の気候と言われていますが、県南部と県北部では気候は大きく異なります。特に、県北部の中国山地側は冬になると気温は低く降水量も多いため、積雪があり、車を運転する際はスタッドレスタイヤなどが必要になります。
岡山県内では、気象庁による雪の観測は計5か所で行われていますが、岡山市の降雪は極めて少なく、年間降雪量は平均1cmと、雪はほぼ積もらない状況ですが、北部山間部では年間降雪量は500cm以上、過去には1m以上の積雪も観測している地域などがあり、その積雪量は「豪雪地」そのもので、岡山は県内でも場所によって極端な差があるので、お住まいの地域の降雪量と平均最低気温を良く調べておきましょう。
岡山のドライガーデンにおすすめの植物をカテゴリー別に分けて解説!
降雪地や霜が降りる地域では、多肉植物などの種類によっては、屋外で冬越しできない可能性があります。植物選びは耐寒性とお住まいの耐寒性ゾーンを確認しておきましょう。
岡山でおすすめのドライガーデン向きシンボルツリー
岡山でのドライガーデン向きのシンボルツリーには、やはりテッパンのオリーブにユッカ、そして今一押しのヤシとパンパスを選んでみました。岡山でも育てやすく目を見張るドライガーデンになるような樹種のセレクトをしてみましたがいかがでしょうか。
1.オリーブ
学名:Olea europaea(Zone:8b~11a)
「オリーブ」は、ドライガーデンのシンボルツリーにはとても多く用いられています。一年中葉が青々としている常緑樹で、生命力の強さと花言葉である「平和」の象徴とされており、記念樹として新築や子供の誕生記念などにも用いられています。
2.ココスヤシ(ブラジルヤシ)
学名:Butia yatay(Zone:8b~11a)
ココスヤシ(ブラジルヤシ)はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなどが原産で、南アメリカ温帯夏雨季気候区に分布しています。ココスヤシは、青緑色の葉が美しく、ヤシ科の中でも比較的小ぶりですが、南国ムードあふれる風貌に、リゾートガーデンやドライガーデンに大人気です。そして、耐寒性があり、丈夫で育てやすく、ドライガーデンへ地植えにした場合、根付いてしまえば”メンテナンスフリー”なので、ぜひトライしてみてくださいね。
3. ユッカ・ロストラータ
学名:Yucca rostrata(Zone:5b~11a)
リュウゼツラン科ユッカ属のユッカロストラータは、アメリカ テキサス州やメキシコ北部が原産のドライガーデンのシンボルツリーに最適な希少植物です。暑さ、寒さにもとても強く、屋外の地植えでも、日本のほとんどの地域で育てることが可能です。
また、上へ上へと葉を茂らせる姿と、「偉大」「颯爽」という花言葉や、ユッカの葉からは癒しのマイナスイオンが放出されているとも言われいるため、「新築祝い」のギフトしても用いられています。
4. パンパスグラス
学名:Cortaderia selloana(Zone:7a~10b)
パンパスグラス(pampas grass)は、南アメリカ原産のイネ科の多年草です。日本では、シロガネヨシ(白銀葭・白金葭)、おばけススキとも呼ばれています。白銀色の綿毛が美しく、観賞価値がとても高く、切り花やドライフラワーとしてもたくさん用いられています。
5.ソテツ
学名:Podocarpus macrophyllus(Zone:8b~11b)
ソテツ(蘇鉄)は1億5000万年以上も昔の恐竜が生きていた時代から存在していた植物です。その容姿は、どこか南国を思わせる見た目で、近年ではドライガーデンやリゾートガーデンにとても多く用いられています。生育のスピードがゆるやかで、病害虫に強く育てやすいのでビギナーの方にもおすすめです。
岡山でおすすめのドライガーデン向き中低木
岡山でおすすめのドライガーデン向き中低木には、テッパンのふたつに、チャレンジ樹木のひとつをチョイスしてみました。ダシリリオンはクールな樹形でとても強靭な種類です。アガベも耐寒性は非常に高く、そして水切れにもとても強い樹種です。そして、ヤツデは日本にお住まいの方なら日常的に目にしている樹種です。
1.ダシリリオン
学名:Dasylirion(Zone:8a~10b)
ドライガーデンにとても良く似合うダシリリオン。「ダシリリオン(属)」は、別名“メキシカングラスツリー”とも呼ばれ、メキシコを主とした北米南部に自生するキジカクシ科の植物ですが、乾燥地帯に自生するダシリリオンは、水切れの心配が少なく、暑さ寒さに強く、成長がゆっくりなため、手がかからずとても育てやすい植物です。
2.ヤツデ
学名:Fatsia japonica(Zone:7b~11)
ヤツデは日本古来の原産種で、耐陰性があるので、シェードガーデンの主役になる庭木で、とてもお手入れも簡単なのでドライガーデンの脇役に選んでみました。手のひらを広げたような独特な葉は”天狗のうちわ”に似ていることから、別名「テングノハウチワ」と呼ばれていますが、魔物を追い払う力があるとも言われているので、信じて植えてみてはいかがでしょうか。
3. アガベ
学名:Agave(Zone:8b~11)
クールな樹形のアガベ(Agave)は、原産地では乾燥した場所に自生していますが、古くから園芸用として栽培もされており、フィラメントという繊維質の白い毛を持つ種類のものや、白斑や黄斑、外斑や中斑など斑の入り方なども様々な種類があります。大きさも直径5cm~2m程度まで育つものや、中には5mを超えるものまで多種多様なバリエーションがあります。また、耐寒温度も様々なので、地植えする場合は耐寒温度を良く調べてから購入しましょう。
岡山でおすすめのドライガーデン向き下草
クールなドライガーデンを一層格好よく整える、低木や下草には、個性豊かで岡山で育てやすいものをチョイスしたいものです。ここでは、目を見張るもの、入手しやすいもの、トライして取り入れてみて欲しいものをピックアップしてみました。
1.金鯱サボテン
学名:Echinocactus grusonii(Zone:9b~11)
日本では「金鯱(キンシャチ)サボテン」の愛称で慕われているゴールデンバレルカクタスは、メキシコやアメリカ南西部原産の乾燥を好む植物です。個性的な特徴を持つ姿からドライガーデンやロックガーデンに用いられることが多く、「短棘金鯱」や「長棘金鯱」のほか、白いトゲを持つ「白棘金鯱」など、多種多様なトゲを持つ個体もあり、珍しいタイプの石化した「モンスト」や、成長点がつぶれた形状の「綴化(てっか)」など、個性豊かなバリエーションがあるサボテンです。
2.龍の髭・黒龍・白龍
学名:Ophiopogon japonicus(Zone:6a~10b)
龍の髭・黒龍・白龍(タマリュウ・ジャノヒゲ)は、キジカクシ科・ジャノヒゲ属に分類される多年草で、丈夫なグランドカバーとしてとても多く用いられています。直射日光には弱く、どちらかというと日陰を好み、環境が合えばどんどんと増えていき、手入れもあまり必要としませんが、保水と直射日光には気をつける必要があります。
3.カレックス
学名:Carex(Zone:5a~9b)
カレックスは、細く長い葉が特徴のグラス類ですが、葉の幅が広いものから細いもの、葉色は緑色、ライム色、ブロンズ色、そして、斑の入る種もあります。とても育てやすく特長の異なるものを組み合わせて、個性的なドライガーデンづくりには最適な下草です。
岡山でおすすめのドライガーデン向きオージープランツ
こちらの特殊樹のコーナーでは、「人とは違う」「よく見るものではつまらない」「こだわりのある庭オンリーワンなお庭にしたい」という方におすすめの樹木を選びました。ドライガーデンやロックガーデン、アジアンリゾート風やハワイアンリゾート風、など、住む方のお好みに合わせて個性的なお庭を作りましょう!
1.バンクシア
学名:Banksia(Zone:9a~11)
オーストラリアの中でも特に乾燥した地帯に自生するバンクシア。80種ほどの品種があり、そのほとんどがオーストラリア固有種です。個性的な花や樹姿がかっこよく、近年のオージープランツ(オーストラリアンプランツ)人気の中心的な存在です。もともと痩せ地で育つため非常に強健で意外と花付きもよく、育てやすいオージープランツ(オーストラリアンプランツ)です。日本でも育ちやすいのは、「バンクシア・インテグリフォリア」、「バンクシア・エリシフォリア/エリキフォリア」、「バンクシア・スピヌローサ」などです。
2.グレビレア
学名:grevillea(Zone:7a~10b)
グレビレアは約250種ほどあるヤマモガシ科の植物で、そのほとんどがオーストラリア固有種として知られています。葉の形、花の形などさまざまな形状の品種があり、一季咲きや四季咲き、高木や低木、匍匐性など形態もさまざまです。グレビレアは交配がしやすいこともあって、多種多様な園芸品種が生まれています。
3.メラレウカ
学名:Melaleuca(Zone:8a~11)
ティーツリーとは、世界に300種ほどの品種があるフトモモ科メラレウカ属の総称ですが、樹高が1m程度の低木から、20mを超えるような高木までさまざまなタイプがあります。オージープランツ(オーストラリアンプランツ)なので乾燥に強いと思われますが、沼地や湿地で自生している樹種で、とても水が大好きです。品種によっては雨季にはしばらく水浸しになるような地でも育つので、根腐れよりも水切れに注意が必要です。
岡山のドライガーデンにおすすめの石(ロック)や岩
岡山でドライガーデンを作るなら、使って欲しい地元の石。岡山の庭師なら必ず使っている大窪石から、全国でも著名な肌色に近いピンクの万成石など、サビ色からピンク系まで、個性のある地元石をご紹介しました。
1.大窪石(岡山市)
大窪石(おおくぼいし)は、岡山市の大窪地区で採掘される花崗岩です。サビ色のグラデーションが鮮やかで、洋風でも和風でもしっくりと整う、岡山の地元石です。
2.小豆島石(小豆島町)
岡山県南でよく使われる小豆島石の産地である小豆島は、古くより良質な花崗岩の産地で、徳川幕府による大阪城再建時には数多くの小豆島石が使われています。小豆島では、は花崗岩(かこうがん)、安山岩(あんざんがん)の二種類が採掘されていて、花崗岩は「シロ(白色系)」「サビ(黄色系)」の二色があります。
3.矢掛石(小田郡矢掛町)
矢掛石とは、小田郡矢掛町で採れる白系花崗岩です。矢掛石は「白桜みかげ」とも呼ばれていて、穏やかな石目が特徴です。矢掛石は、矢掛町で採掘される備中青みかげとは異なり、近年はあまり採掘されていない希少な石です。
4.万成石(岡山市)
万成石は、岡山市中心部の富山城址のある矢坂山の万成地域(地元では万成山とも呼ぶ)で採掘される花崗岩です。気品のある美しい淡紅色が特徴で、その美しさから、明治神宮外苑の絵画館、伊勢丹ビル(新宿)、三越本店(日本橋)や、石原裕次郎さんなどの著名人のお墓にも数多く利用されています。
岡山のドライガーデンにおすすめの土づくり
岡山でドライガーデンを作るなら、一番注意して欲しいのが土づくりです。国立研究開発法人森林整備センターでは、「地質は、安山岩、花崗岩、粘板岩が広く分布し、西北部及び東部の沿岸部では流紋岩が分布し、これらが主を占めている。 また、土壌については、北部では褐色森林土が大部分を占め、中部では乾性褐色森林土の出現率が高く、南部沿岸部では、深層風化を受けた未熟土が分布している。」としていますが、県南部の平野部では、堆積した粘土質層がとても多く見受けられます。
そうなんです。ドライガーデンの大敵は粘土質の土。特に田んぼの畔にあるような、ねっとりとして水はけの悪い粘土質の土が一番の大敵なんです。このような場合は、水はけの良い土に土壌改良が必要です。
一般的な土の配合は、「硬質赤玉土6:川砂2:腐葉土2程度」が一般的ですが、よりドライ系を強く、サボテンなども織り交ぜるなら以下を試してみてください。
重要なポイントは・・・「通気性」(空気がスムーズに流れること)、「排水性(水がスムーズに流れること)、「保水性(水を含んで保持できること)、「保肥力(肥料の成分を保持できること)、「粒の大きさ(粒が細かく大きさが一定のこと)です。
配合の種類は・・・赤玉土4、鹿沼土2、川砂1、腐葉土1、軽石1、バーミキュライト1です。
この配合をベースとして、高山系のアガベ(アガベ ユタエンシス)などを入れる場合は、蒸れに一層弱いので軽石の分量を少し増やしてみましょう。
また、日当たりが良く用土が乾くスピードが速いなら保水成分を少し増やしたり、徒長せず引き締めて育てたいなら水分量や肥料分を少なくして育てていきましょう。
岡山のドライガーデンにおすすめのデザイン
お庭づくりでは、全体の調和のとれた配植がとても大切です。これを考えずに無造作に植えてしまったら、ただの庭木置き場のようなお庭になってしまいます。
ドライガーデンのお庭づくりでも、昔ながらの和風庭園でも、植栽を植える位置、配植にも様々な効果を生むポイントがあるので、庭職人に受け継がれている配植の黄金パターンを覚えてみませんか。
三植(さんしょく)
配植の黄金パターンは、主木(しゅぼく)、副主木(ふくしゅぼく)、添え木(そえぎ)という高さの異なる三種類の木を不等辺三角形に植えることが配植の基本とされていて、いわゆる「天・地・人」の形として今もこの手法が取り入れられています。
この黄金比のパターンを用いてドライガーデンも配植していくというのが、整ったドライガーデンづくりの基本となります。
このような形に下木(したぎ)として根締め(ねじめ)や前付け(まえづけ)を植えると、より奥行を感じられるるお庭となります。
この手法が昔ながらの日本庭園を作庭する基本となる安定した配置とされている「三植」と呼ばれる植栽手法ですが、この基礎レイアウトに則ってドライ系植物も配置していくと、座りの良いお庭づくりが進んでいきます。
樹木の表と裏を見極めよう
樹木には実は表側と裏側があります。私たちは、植樹を行う際には、その木の表と裏をじっくりと見て見極めたうえで植え付けます。単植の場合は表面を鑑賞位置から正面に見えるように植えます。表と裏の見極め方は、日照を受け葉が多く茂り、枝ぶりが均等にバランス良い方が表です。
気勢を重視しよう
配植には「気勢」を重視してみましょう。「気勢」とは樹木の質感や模様などから、強さと方向があり、その方向を見定め、数年後にどのような景観になるかと推測して配植してみましょう。
2024年1月31日更新