ユッカ・ロストラータの育て方をプロの庭師が伝授します
「ユッカ・ロストラータ」は、アメリカ テキサス州やメキシコ北部が原産のドライガーデンに最適な希少植物です。暑さ、寒さにも非常に強く、観葉植物として室内の観賞用としても、屋外の地植えにしても、日本のほとんどの地域で育てることができます。気候の良い地域では4m以上に育てることができるので、お家のシンボルツリーとしてや、新築の記念樹としても用いられています。また、幹や葉の形が特徴的で無骨なイメージからか、男性からの人気も高い植物です。このページでは、「ユッカ・ロストラータ」の育て方やお手入れ方法、剪定などについてご紹介します。
ユッカ・ロストラータの基礎知識
学名:Yucca rostrata
科名:リュウゼツラン科
属名:ユッカ属
原産地: アメリカ南部、メキシコ北部
和名:ー
英名:Beaked yucca、Big Bend yucca
樹高:低木 2m~6m
常落区分:常緑性
日照:日なた
耐暑:強い
耐寒:強い
開花期:8月~9月
花色:白
剪定時期:3月~4月
記念樹:「新築祝い」「開店祝い」に向いています。上へ上へと葉を茂らせる姿と、「偉大」「颯爽」という花言葉より、「お店の開店祝い」などに用いられたり、ユッカの葉からは癒しのマイナスイオンが放出されているとも言われいるため、「新築祝い」のギフトしても活用されています。また、耐暑性、耐寒性に強く、育て方も簡単なため、送られた方の負担が少なくて済むことも、記念樹に用いられている理由になっています。
花言葉:「偉大」「颯爽」
ユッカ・ロストラータの特長
「ユッカ」は、種類が豊富で約50種もの種類があります。中でも一段とスタイリッシュなものが「ユッカ・ロストラータ」です。「ユッカ・ロストラータ」の一番の特長は、放射状に広がる葉とそれを支える茎の無骨感は、美しい姿と希少性でコレクターの間でも高額で取引されている植物です。
また、耐暑性、耐寒性に優れ、乾燥にも強く、成長が遅いため、日々のメンテナンスや剪定の必要性がないことも人気の理由となっています。
ユッカ・ロストラータの育て方
植える場所
「ユッカ・ロストラータ」を地植えする場合は、日陰でも日向でも枯れることはありませんが、基本的には日なたの暑い場所を好みます。
「ユッカ・ロストラータ」は、乾燥地帯が原産の植物なので、土中の水分が多すぎると根腐れしますので、地植えする際には、土の中の水はけを良くしておきましょう。植え込む深さの倍くらい深く掘り、パーライトや鹿沼土を混ぜ込みましょう。堆肥 5:軽石 3(パーライト・川砂など):硬質赤玉土 1:ゼオラオト 1の割合で用土を整え、できることならpH濃度も6.5程度に合わせてあげましょう。
耐寒性は強い植物なので、マイナス5度程度まではそのままでも大丈夫ですが、マイナス5度以上に冷える場所や凍るような場所の場合は、放射冷却が防げる壁際などに植えましょう。また、霜よけ対策を施すのも必要です。
水やり
「ユッカ・ロストラータ」は乾燥に強い植物で、水を与えすぎると根腐れを起こすことがあるため、水やりには注意が必要です。鉢植えで育てる場合は、土が乾燥してからたっぷりと与えるようにしましょう。槌が乾く前に水やりをすると痛む場合もあるので、注意が必要です。
地植えの場合には、植栽時に、たっぷりお水を与え、その後は不要です。猛暑時などで1週間以上にわたって晴れた日が続き、土が乾いている場合には水やりを行いましょう。冬場、0度を下回ったら水やりは不要です。5度までの場合は月に一度程度、水やりを行いましょう。
肥料
「ユッカ・ロストラータ」の肥料は、生長期に入る前の春に、緩効性のプロが使う基本肥料を、株から少し離れた所にひと握り程度あげる程度で大丈夫です。肥料を与える時期は、最高気温が20℃を超えた頃で、20℃を超えない気温の際には、肥料を与えない方が元気です。一般的には植物は寒肥をと言われますが、「ユッカ・ロストラータ」は、寒い時期の肥料は、根が肥料で焼けてしまい弱る原因となります。
植え替え
地植えの場合は、基本的に植え替えは必要ありませんが、鉢植えの場合は、植え替えた方が生長が少し早くなります。その場合は一年に一度、一回り大きな鉢に植え替えましょう。用土は前述の比率で用意しましょう。
病虫害・病気対策
「ユッカ・ロストラータ」は、比較的病気や害虫に強い植物ですが、ハダニや炭疽病などのトラブルが発生する場合もあるので、できるだけ早期に発見して対策を講じましょう。
受粉
「ユッカ・ロストラータ」は、花を咲かせることはできますが、自家受粉することはできないので、海外では「ユッカ蛾」と言われる蛾に依存していますが、この蛾は日本にはいないため、実をつけさせたいなら、人口受粉を行ってみましょう。
ユッカ・ロストラータの剪定方法
「ユッカ・ロストラータ」は、下葉が枯れて、上に伸びる植物です。日本では10年で1mの生長とも言われています。冬場になると下葉が枯れてきますから、春になる頃までに切り取っておきましょう。
まとめ
「ユッカ・ロストラータ」は、成長が緩やかで1年間に10cm程度しか伸びませんが、環境が整えば4~5m位にもなる樹木です。乾燥にも、耐暑にも耐寒にも強く、メンテナンスがほとんど不要で、格好いいドライガーデンには最適です。個性的で美しい「ユッカ・ロストラータ」を使ったお庭を作ってみませんか。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎