「シェードガーデン」の庭づくり|日陰に強いおすすめの植物を紹介


ガーデニングはしたいけれど「うちの庭は北向きだから、無理・・・」と諦めていらっしゃる方に、「シェードガーデン」をおすすめします。
シェードガーデンとは、日陰や半日陰でもよく育つ植物を植えこんだガーデンのことです。むしろ日陰では、しっとりとした大人の風情のガーデンができあがります。
こちらの記事では、シェードガーデンの庭づくりの方法と、日陰や半日陰でもよく育つおすすめの植物の種類をご紹介します。

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目次

シェードガーデンとは?
シェードガーデンの庭造り
■日向のシェードガーデンの庭づくり
■半日陰のシェードガーデンの庭づくり
■日陰のシェードガーデンの庭づくり
■湿り気・乾燥気味のシェードガーデンの庭づくり
・ダンプシェードガーデン
・ドライシェードガーデン
<保存版>シェードガーデンにおすすめの植物一覧
■ライトシェード&ハーフシェードガーデンにおすすめの植物
①ホスタ
②アスチルベ
③クリスマスローズ
④その他
・ライト&ハーフシェードのダンプガーデン
・ライト&ハーフシェードのドライガーデン
■ディープシェードガーデンにおすすめの植物
①アジサイ
②シノブ
③シラン
④その他
・ディープシェードガーデンのダンプガーデン
・ディープシェードガーデンのドライガーデン
■日陰のグランドカバーにおすすめの植物
・ライト&ハーフシェードガーデンのグランドカバープランツ
・ディープシェードガーデンのグランドカバープランツ
・ダンプシェードガーデンのグランドカバープランツ
・ドライシェードガーデンのグランドカバープランツ

まとめ
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シェードガーデンとは?

シェードガーデンとは、日の光が差し込みにくい薄暗い庭に、日陰を好む植物や、日照にあまりこだわらない植物を植えて楽しむ庭づくりのスタイルです。

ガーデニングといえば、お日様のよく当たる、明るい場所で行うイメージがありますよね。ところが住宅地は、庭が南向きの好立地ばかりではありませんよね。マイホームが北玄関だと、緑あふれる素敵な玄関アプローチは無理なのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。植物選びを間違わなければ、ガーデン雑誌に出てくるような庭づくりも可能なんですよ。むしろ、植物たちの息遣いが聞こえてきそうな、しっとりとした大人の風情のガーデンができあがります。植物の特性を生かして、素敵な庭づくりにチャレンジしてみましょう。

*今シェードガーデンが見直されています*

地球温暖化が進んだ昨今では、直射日光が強すぎたり、西日が厳しかったりと、植物が育ちにくい環境になりつつあります。以前なら簡単に育っていたはずの植物でも、夏の猛暑で葉焼けを起こしたり、宿根草のはずが暑さに負けて一年草扱いになったり、ということが、残念ながらよく起こるようになりました。
そこで、東側や北側の、夏涼しい半日陰の庭が、ガーデナーたちに見直されるようになったのです。

シェードガーデンの庭造り

日陰や半日陰の庭をシェードガーデンと呼びますが、ひとくちにシェードガーデンといっても、何パターンかのタイプがあるのはご存じでしたでしょうか。

・ライトシェード…木漏れ日程度の日陰
・ハーフシェード…午前中のみ日が当たるような半日陰
・ディープシェード…一日中、薄暗い日陰
更に、
・ダンプシェード…しっとりと湿った日陰
・ドライシェード…乾燥気味の日陰
に分かれます。

どの程度の日陰かによって、植える植物は変わってきます。更に、植物には湿った用土を好む植物と、乾燥気味を好む植物とがあります。それらの違いによって、多少なりとも庭づくりや土づくりも変わってきます。それらの混栽も不可能ではないですが、初心者がシェードガーデンを作る際には、いずれかのタイプでまとめて植えると、後々のお手入れが楽になるのでおすすめです。

日向のシェードガーデンの庭づくり

まずは「ライトシェードガーデン」の庭づくりの仕方について説明します。
「日陰を好む植物を植えたいのに、日当たりが良すぎて植えられない植物がある」とは、贅沢なお悩みのようですが、実は、地球温暖化のせいで、このように悩まれるガーデナーは本当に多くなりました。あこがれていたイングリッシュガーデンのおしゃれな宿根草を買ったのに、ひと夏で枯れてしまった、と言うのではあまりにも残念ですよね。

こういった場合は、日向の庭に樹木を植栽して、木漏れ日を利用すればうまく育つかもしれません。落葉性の雑木を用いた庭づくりをすれば、夏には涼しげな木漏れ日の庭を、冬には葉が落ちて太陽の光が降り注ぐ庭になります。

ハナミズキジューンベリーヤマボウシなど、手入れをすれば樹高が5m以内に収まる庭木に、1~2mの低木を添えると立体的になり、こなれた印象の雑木の庭になりますよ。緑の木陰が濃くなれば、下記に記す「ハーフシェードガーデン」にもなります。初心者は、植える前にどんな庭木が適しているのか、造園に詳しい専門業者に相談することをおすすめします。

半日陰のシェードガーデンの庭づくり

「ハーフシェードガーデン」とは、いわゆる半日陰のことです。半日陰とは一般的に、午前中いっぱいはよく日が当たり、午後2時以降は日陰になるような場所をいいます。一般的な住宅街によくある環境で、主に、東向きの庭や、東に開けている土地がこれに当てはまります。上記のライトシェードとさほど環境は変わりませんので、同じ植物が植えられます。

半日陰の庭づくりは、ホームセンターで売っているビニールハウスに、遮光ネットを張れば簡単なのですが、エクステリアとしてはおしゃれではありません。園芸のセミプロか、園芸マニアでない限りは、お勧めできません。そこで、西日を遮るように、見栄えのいいオーニングやパーゴラなどのエクステリアを設えてみてはいかがでしょうか?シンボルツリーなど庭木を合わせてもよいですね。

これなら、植物だけでなくご家族も、夏は半日陰、冬はひなたぼっこができるアウトドアリビングとしても活用できそうです。季節のシェードガーデンを眺めながらのティータイムや晩酌などができ、SNS映えしそうですね。

日陰のシェードガーデンの庭づくり

「ディープシェードガーデン」は、ほぼ一日中日陰の環境のことをいいます。完全に北側で東も西も隣家が建っているような庭や、南側に山があるような環境です。勘違いしてはいけないのは、真っ暗ではないということです。植物は光合成をしているので、たとえ苔であっても生きるためには日の光が必要です。ディープシェードガーデンは、曇り空くらいの日の光があるガーデンだと思っていてくださいね。

たとえば二世帯住宅で、渡り廊下があって真ん中に坪庭(中庭)があるような住宅の場合、このディープシェードガーデンに該当するかもしれません。ホテルや旅館、商業施設にもこのような環境はありそうですね。

ディープシェードを好む植物なんて本当にあるの?とお思いかもしれませんが、日本に昔からある植物で、日陰が好きな植物は沢山あります。植物の種類については、あとで一覧表にしてご覧いただきますが、観葉植物や熱帯植物にもディープシェードを好むものが多いんですよ。熱帯植物はジャングルに自生するものも多いので、草木がうっそうと茂ったところが好きだからです。

湿り気・乾燥気味のシェードガーデンの庭づくり

シェードガーデンの中で、日の差し具合によって上記の「ライトシェードガーデン」「ハーフシェードガーデン」「ディープシェードガーデン」の3タイプに分かれましたが、そこから更に、土壌の湿り具合によって「ダンプシェードガーデン」と「ドライガーデン」に分かれます。

■ダンプシェードガーデンとは

「ダンプシェードガーデン」とは、湿り気を帯びた土壌のシェードガーデンのことをいいます。日本は水が豊富な国です。一見、普通の住宅地でも、地下に水脈が流れているような土地は多いものです。よく「水に関する地名が付いているところには地下に水脈がある」と言われますよね。そういう土地の場合は、ダンプシェードガーデンの可能性があります。

■ドライシェードガーデンとは

【画像出典:LIXIL https://www.lixil.co.jp】

一方、「ドライシェードガーデン」とは、乾燥気味の日陰の土壌のことをいいます。このような土地は、日本にはあまりないかもしれません。しかし、住宅の屋根や、カーポートやエクステリアの屋根の関係で、降雨の影響があまりない場所があるかもしれません。あるいは、軒下に、鉢植えで育てている場合は、ドライシェードガーデンになっているかもしれません。

<保存版>シェードガーデンにおすすめの植物一覧

「庭.pro(ニワドットプロ)」がおすすめするシェードガーデンの植物を、特におすすめの3種類と、その他を一覧にしてご紹介します。貴重な資料ですので保存版にして、シェードガーデンの庭づくりをする際には、ぜひ参考になさってくださいね。
また、それらの足元にふさわしいグランドカバープランツも併せてご紹介します。

ライトシェード&ハーフシェードガーデンにおすすめの植物

①ホスタ

ホスタは、キジカクシ科の温室地帯で育つ宿根草です。金色の葉のものや斑入り、小型種など、個性があるのでたくさん集めたくなります。

②アスチルベ

アスチルベはユキノシタ科の宿根草です。梅雨時に風情のある花穂を上げて、白やピンク、紫などの花で、日陰の庭を楽しませてくれます。

③クリスマスローズ

冬の日陰の花の人気ナンバーワンは、何といってもキンポウゲ科のクリスマスローズ(ヘレボルスではないでしょうか。昔から根強いマニアが沢山います。

④その他

明るい日陰や半日陰でよく育つ、その他の植物の一覧表です。こうしてみると、意外と沢山ありますよね。

草花類:
アサギリソウ(キク科)、インパチェンス(ツリフネソウ科)、エキザカム(リンドウ科)、オシロイバナ(オシロイバナ科)、オダマキ(キンポウゲ科)、オミナエシ(オミナエシ科)、ホスタ(ユリ科)、ゲウム(バラ科)、コリウス(シソ科)ジキタリス(ゴマノハグサ科)、シュウカイドウ(シュウカイドウ科)、シロタエギク(キク科)、スイトピー(マメ科)、スカビオサ(マツムシソウ科)、ベラルゴニウム(フウロソウ科)ホタルブクロ(キキョウ科)、ミヤコワスレ(キク科)など

球根類:
クルクマ(ショウガ科)、シラー(ユリ科)、スノーフレーク(ヒガンバナ科)、パイナップルリリー(ユリ科)など

観葉・熱帯植物類(冬季は室内):
リーガスベゴニア(シュウカイドウ科)、ブライダルベール(ツユクサ科)など

庭木・果樹類:
イヌツゲ(モチノキ科)、カイヅカイブキ(ヒノキ科)、カナメモチ(バラ科)、クチナシ(アカネ科)、コウヤマキ(スギ科)、コデマリ(バラ科)、サザンカ(ツバキ科)、シャラノキ(ツバキ科)、ジンチョウゲ(ジンチョウゲ科)、ツバキ(ツバキ科)、ドウダンツツジ(ツツジ科)、ムラサキシキブ(シソ科)、モチノキ(モチノキ科)、モッコク(ツバキ科)、スグリ(ユキノシタ科)、ラズベリー(バラ科)など

ハーブ類:
チャイブ(ユリ科)、バジル(シソ科)、レモンバーム(シソ科)など

多肉類:
イースターカクタス(サボテン科)、エケベリア(ベンケイソウ科)、カニバサボテン(サボテン科)、カランコエ(ベンケイソウ科)、シャコバサボテン(サボテン科)、ハナキリン(トウダイグサ科)など

ライト&ハーフシェードのダンプガーデン

明るい日陰や半日陰で、なおかつ湿った土地を好む植物の一覧表です。素敵な植物が植えられそうですね。

草花類:
フクジュソウ(キンポウゲ科)、ホウセンカ(ツリフネソウ科)など

球根類:
エランティス(キンポウゲ科)、カラー(サトイモ科)、スノードロップ(ヒガンバナ科)、フリチラリア(ユリ科)、ユリ(ユリ科)など

観葉・熱帯植物類(冬季は室内):
ハートカズラ(ガガイモ科)、フィカスプミラ(クワ科)、マツバラン(マツバラン科)、レザーリーフファン(オシダ科)など

庭木・果樹類:
ヤマブキ(バラ科)、ブルーベリー(ツツジ科)など

ライト&ハーフシェードのドライガーデン

明るい日陰や半日陰で、なおかつ乾いた土壌を好む植物の一覧表です。アヤメ科やツツジ科が多い印象ですね。あとは多肉も活躍してくれそうです。

草花類:
アヤメ(アヤメ科)、イチハツ(アヤメ科)など

庭木・果樹類:
アセビ(ツツジ科)、シャクナゲ(ツツジ科)マサキ(ニシキギ科)、ビワ(バラ科)など

多肉類:
クジャクサボテン(サボテン科)、金のなる木(ベンケイソウ科)、月下美人(サボテン科)、サンスベリア(リュウゼツラン科)、セダム(ベンケイソウ科)、ミドリサンゴ(トウダイグサ科)など

ディープシェードガーデンにおすすめの植物

①アジサイ

梅雨時の、日陰の花の代名詞のようなアジサイです。品種改良が進み、どんどん新しい品種が生まれているので、どれを植えようか選ぶのも楽しみですね。

②シノブ

シノブはシダ植物門のシノブ科の着生植物です。シノブが玉になって吊るされているのを見たことはないでしょうか。しっとりとしたシダの風情がある植物です。

③シラン

シランは日陰の庭に地植えでもよく育つ、とても丈夫なラン科の植物です。昔から庭に植えられているので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

④その他

一日中日陰の庭でもよく育つ、その他の植物の一覧です。昔から庭植えにされている和の風情の植物が多く見られます。昔の住居は日陰が多かったのかもしれませんね。

草花類:
イワヒバ(イワヒバ科)、ジャガ(アヤメ科)、リュウノヒゲ(ユリ科)、シラン(ラン科)、ダイモンジソウ(ユキノシタ科)など

球根類:
グロキシニア(イワタバコ科)など

観葉・熱帯植物類(冬季は室内):
アグラオネマ(サトイモ科)、エスキナンサス(イワタバコ科)、オモト(ユリ科)、カラテア(クズウコン科)、コルジリネ(リュウゼツラン科)、シンゴニウム(サトイモ科)、スパティフィラム(サトイモ科)、タマシダ(シノブ科)、トラディスカンティア(ツユクサ科)、ハラン(ユリ科)、ペペロミア(コショウ科)、ポトス(サトイモ科)など

庭木類:
アオキ(ミズキ科)、イヌマキ(マキ科)、カクレミノ(ウコギ科)など

ディープシェードガーデンのダンプガーデン

一日中日陰の庭で、なおかつ湿った土地を好む植物の一覧表です。観葉植物が意外と多いので、洋風住宅にも合いそうです。鉢植えで管理すると冬に室内に入れられますね。

草花類:
エビネ(ラン科)、ニューギニアインパチェンス(ツリフネソウ科)、パンダスミレ(スミレ科)など

球根類:
アキメネス(イワタバコ科)、カラジウム(サトイモ科)など、

観葉・熱帯植物類(冬季は室内):
アジアンタム(ホウライシダ科)、アロカシア(サトイモ科)、オオタニワタリ(チャセンシダ科)、ゲットウ(ショウガ科)、タニワタリ(チャセンシダ科)、トクサ(トクサ科)など

庭木類:
マンリョウ(ヤブコウジ科)、ヤツデ(ウコギ科)など

ディープシェードガーデンのドライガーデン

一日中日陰の庭で、なおかつ乾燥気味の土地を好む植物の一覧表です。種類は少ないですが、オーストラリア原産のネイティブプランツに乾燥した日陰を好むものが多そうですね。

草花類:
アマドコロ(ユリ科)、キキョウラン(ユリ科)、クンシラン(ヒガンバナ科)、ハーデンベルギア(マメ科)など

観葉・熱帯植物類(冬季は室内):
レックスベゴニア(シュウカイドウ科)など

日陰のグランドカバーにおすすめの植物

シェードガーデンによく合う耐陰性のある、おすすめの植物をご紹介しましたが、それらの植物を引き立たせる、まるで日陰の絨毯のような役割をしてくれる「グランドカバープランツ」があると、一層完成度の高いシェードガーデンの庭づくりができます。こちらの章では、日陰でもよく育つグランドカバープランツを、タイプ別に
ご紹介したいと思います。

■ライト&ハーフシェードガーデンのグランドカバープランツ

明るい日陰や半日陰にぴったりの、おすすめのグランドカバーは以下の植物です。
グレゴマ(シソ科)
アサギリソウ(キク科)
ワイヤープランツ(タデ科)

■ディープシェードガーデンのグランドカバープランツ

完全日陰にも耐える、おすすめのグランドカバーは以下の植物です。
タマリュウ(キジカクシ科)
アジュガ(シソ科)
アイビー(ウコギ科)など

■ダンプシェードガーデンのグランドカバープランツ

湿った日陰でよく育つ、おすすめのグランドカバーは以下の植物です。
リシマキア(サクラソウ科)
ツワブキ(キク科)
フッキソウ(ツゲ科)など

■ドライシェードガーデンのグランドカバープランツ

乾き気味の日陰でよく育つ、おすすめのグランドカバーは以下の植物です。
セダム
ディコンドラ
ツルニチソウなど

まとめ

いかがでしたか?こちらの記事では、北向きの庭や日陰になり易い場所に適した「シェードガーデン」の庭づくりの方法と、日陰や半日陰でもよく育つおすすめの植物の種類をご紹介しました。

お住いの立地(隣家との距離など)やお庭の面積、土壌などに合せた樹種を選んだり、お手入れの事についてプロに相談したいという方は、是非「庭.pro(ニワドットプロ)」におまかせください!

2024年1月30日更新

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