【アロエ ストリアータ(口紅アロエ)】育て方の基本を庭師が伝授

 「ドライガーデンの主役にしたい!」個性が光るアロエ ストリアータの育て方をプロの庭師が伝授します

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の育て方|庭.pro

ドライガーデンの主役にしたいアロエ ストリアータ(口紅アロエ)
きれいな葉色と旋回しながら育っていく姿が特徴的なアロエ ストリアータは、ドライガーデンロックガーデンが似合うアロエ属で、アロエの中でも最も美しく「アロエの女王」と呼ばれています。
南アフリカの砂漠地帯などに自生するたくましさは、威風堂々とした姿にあらわれています。そんな、原産地と真逆の気候の日本でアロエ ストリアータを育てるには、いくつかのコツが必要です。
今回は、「アロエ ストリアータ(口紅アロエ)」の特徴や魅力、枯らさない育て方やお手入れのポイントなどについてご紹介します。

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目次

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の基本情報
アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の特徴
アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の育て方
水やり
日当たりと置き場所
用土
肥料
植え替え
アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の病害虫
アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の増やし方
まとめ

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の基本情報

分類:アロエ属
科名:ユリ科
学名:Aloe striata
英名:Coral aloe
和名:慈光錦
別名:口紅アロエ
原産地:南アフリカケープ地方など
樹高:約1m
葉張り:約30~50cm
区分:多肉植物
耐寒性:5℃前後まで
耐暑性:強い
開花期:冬の終わり~春先
花色:サンゴ色、朱赤
用途:観葉植物、ドライガーデンロックガーデンなど
花言葉:永遠の健康(アロエ)
アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の育て方|庭.pro

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の特長

別名「口紅アロエ」とも呼ばれるストリアータは、アロエ属のなかでは珍しく葉にトゲを持たない植物です。
また、茎を持たない無茎のストリアータは、葉を大きく旋回しながら成長していきます。淡いピンクや赤に縁どられた葉や、斑入りの葉は美しく、花が咲かない季節でも存在感のある姿をたっぷりと楽しませてくれるでしょう。
冬の終わりから春にかけて、サンゴ色や朱赤の花が開花すると、蜜を求めてハチや鳥があつまります。異国情緒漂う花姿は、特にドライガーデンロックガーデンとの相性がよく、個性的な庭づくりを華やかに演出してくれるはず。
ストリアータは、日当たりと水やりのコツを掴めば初心者でも育てやすく、観葉植物として鉢で育てることもできます。お気に入りの鉢へ植え替えをして、お部屋のインテリアとして空間を彩るのも楽しみ方のひとつですよね。

 

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の育て方

初心者にも育てやすいアロエ ストリアータ(口紅アロエ)ですが、原産地の気候と大きく異なる日本では、育て方を間違えると枯れてしまうこともあります。ストリアータをお迎えするまえに、育て方のポイントをチェックしておきましょう。

水やり

葉と根に水分を蓄えているアロエ ストリアータは、乾燥した状態を好み成長していく植物です。砂漠など乾燥した気候が原産地なので、同じような環境へ近づけて育ててあげましょう。

水のあたえすぎは根腐れをおこしてしまうので要注意。
1週間に1回程度の水やりが目安ですが、必ず土が乾いている状態を確認してから、鉢底から流れでるくらいにたっぷりとあたえます。

11月~3月は休眠期へはいります。
この時期の水やり加減で根腐れをおこしてしまうパターンが多いので、”少なめ”を意識してください。休眠期間の水やりをしなくても枯れることはないので、気がついたタイミングであたえる程度でよいでしょう。

日当たりと置き場所

日当たりのよい環境が好きなアロエ ストリアータは、毎日6~8時間ほど日光浴をさせてあげましょう。風通しがよく、日光があたる場所で20℃~30℃がベストといえます。

砂漠の乾燥した気候で育つストリアータは、風が好きな植物。屋内で育てる際には風通しが悪くなるので、換気をこまめにしてあげることも大切です。また、屋外でストリアータを育てる場合には、真夏の直射日光に注意してあげましょう。葉焼けをおこし弱ってしまう原因になります。半日陰または、強い日差しを少しでもさえぎれる場所まで移動すると、元気に成長してくれます。

温暖な地域では、冬でも屋外で冬越しができますが、5℃前後が目安となります。霜にとても弱い性質があるので、心配な方は屋内で管理してあげるとよいでしょう。

用土

砂漠の乾燥した気候で自生するストリアータの用土は、排水性のよい土壌を意識しましょう。砂質土や砂利質土がベストな環境といえます。

植え付けや植え替え時、ご自身で用土をブレンドする際の例としては、鹿沼土(小粒)、赤玉土(小粒)、ピートモス、川砂、くん炭をおなじ割合で混ぜ込むのもおすすめです。水はけのよい土壌の種類や、割合を追求してみるのも面白いかもしれませんね。

肥料

アロエ ストリアータは肥料をあまり必要としない植物です。
肥料を与えるなら年1度、生育期真っ盛りの夏がおすすめです。緩効性肥料を株元から離した場所へ、置肥として与えるだけで充分です。

 

植え替え

アロエ ストリアータを鉢で管理している方は、2年に1度を目安に植え替えをしましょう。
ストリアータは鉢に根がまわると、先端の根が腐りはじめてしまいます。また、成長を鈍く感じたり、鉢が小さく見えたりする際には、2年を待たずに植え替えをするのもおすすめです。

生育期の5月~9月が植え替えの適期。
排水穴が多めの鉢を選ぶと、排水性や通気性がよいでしょう。

【植え替えで準備するもの】
・鉢
・混合済みの用土または多肉植物用の土など
・鉢底ネット
・軽石
・ハサミ

【植え替えの手順】
1. 植え替えの約1週間まえから水やりをストップして土を乾燥させておく
2. 鉢から株を抜き、根についている土をやさしく揉み落とす
3. 傷んで腐っている根は、消毒済みのハサミでカットする
※根をカットしたときは数日間は根を乾燥させ、植え替えをおこなう
4. 鉢底に鉢底石、軽石をしき、混合済みの用土または多肉植物用の土をいれ、株を植えていく
※植え替えたあと4~5日間ほど水やりをしない。根を乾燥させることで菌がはいるのをふせぐ。

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の病害虫

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の育て方|庭.pro

アロエ ストリアータが気をつけたい病害虫はいくつかあります。代表的な病害虫を紹介するので、育てる際の参考にしてみてください。

【根腐れ病】
過湿の状態が長くつづくと根腐れ病をおこしてしまいます。適度な水やりと風通しのよい環境を心掛けましょう。
葉がしおれて変色してきた場合には、根を掘りおこしてみましょう。
黒ずんでぬるぬるした根は切り落として乾燥させ、新しい用土へ植え替えをして様子をみてください。

【さび病】
浮かびあがるような茶色やオレンジ色、黒色の円形の斑点がでていたら、さび病に感染しているかもしれません。
根腐れ病とおなじく、過湿と風通しの悪さが原因で発生してしまう病気です。被害が広がらないうちに、症状がでている部分を早めに切りとる対処法がおすすめです。
また菌がほかの植物へうつらないように、ゴミ袋へいれて捨てましょう。広範囲に広がっている場合には、水1Lに対して重曹1gを薄めたものを霧吹きで散布する方法もよいでしょう。

【ネジラミ】
カイガラムシの仲間のネジラミは、水の切りすぎが原因で発生する害虫です。根腐れ病やさび病など、過湿が原因でおこる病気を心配するあまり、水を切りすぎないようにしましょう。
乾燥した環境を好むネジラミと、ストリアータの成育環境は似ているので、冬の休眠期の水やり頻度には注意が必要です。発生してしまった際には、オルトラン粒剤などを使って駆除しましょう。

【カイガラムシ】
日当たりや風通しが悪い状態の植物に発生するカイガラムシ。吸汁されて植物が弱るまえに駆除しましょう。幼虫であれば殺虫スプレーで駆除できますが、殻をかぶった成虫には効きづらいので、歯ブラシでこすり落とすなど、地味ながら確実な対処法がいちばんです。

【アブラムシ】
大量発生するアブラムシは、放置せずに見つけたらすぐに駆除しましょう。吸汁された植物が弱るだけではなく、アブラムシの排泄物から「すす病」を引きおこしてしまうことも。また、ウィルスを媒介するので、殺虫剤などを使って早めに駆除するのがおすすめ。
殺虫剤を使いたくないという方は、牛乳やハッカ油を薄めたものをスプレーしたり、歯ブラシでこすり落としたりする方法も効果がありますよ。日当たりや風通しが悪い環境を好むカイガラムシは、大発生するまえの段階で食い止めたい害虫です。暗くてホコリっぽい場所でも発生しやすいので、「室内の観葉植物だから大丈夫」という安易な気持ちは、いったん捨てましょう。
カイガラムシに吸汁された植物は、弱ってしまうだけではありません。排泄物や分泌液には糖分が含まれているので、アブラムシやアリが集まりやすく、「すす病」を誘因してしまうこともあるのです。
成虫のカイガラムシには殺虫剤が効きにくいので、歯ブラシでこすり落とすか、発生している枝を切り落としてしまいましょう。大切に育てているドラセナのためにも、カイガラムシの発生は未然に防ぎたいところ。万が一発見した際には、早めの駆除が大切です。

アロエ ストリアータ(口紅アロエ)の増やし方

ストリアータの増やし方は「挿し木・株分け・種まき」の3つの方法があります。

かんたんに増やす方法としておすすめなのは、「株分け」です。成長したストリアータは、ランナーや子株が根元からでてくるので、5~6cmほどの大きさになるまで見守りましょう。充分な大きさになった子株は、生育期の4~9月に切り離し、新しい鉢へ植え替えをしてあげましょう。植え替えたあとの子株はデリケート。直射日光のあたらない場所で管理し、4~5日ほど経ったあとで水やりをスタートします。

「挿し木」も、比較的かんたんにストリアータを増やせる方法のひとつです。株分けとおなじく生育期の4~9月におこなうのがベストですが、繁殖にとくに向いているシーズンは4~5月。消毒済みのハサミやカッターを使用して、葉を何枚かつけた状態で茎をカットします。切り口はしっかりと乾かしましょう。軽く土へ挿し、根がでるまでは水をあたえずに半日陰~明るい日陰で管理します。この間、葉がしおれるようであれば、霧吹きで軽く水をかけてあげましょう。

そしてストリアータの種まきですが、発芽率が低くあまりおすすめできません。種を採取できた方は、春まき4~5月、秋まき9~10月のいずれかにチャレンジしてみるのもよいでしょう。

お好きな方法でストリアータを増やしてみてくださいね。

まとめ

個性的な見た目から「育てづらい植物」と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、いくつかのポイントをおさえて育てれば、アロエ ストリアータはけっして難しい植物ではありません。むしろ初心者の人にこそチャレンジして欲しい植物といえます。ゴツゴツとしたロックガーデンや、タフでカッコいいドライガーデンの主役として、ストリアータを育ててみてはいかがでしょうか。アロエ ストリアータを使ったオシャレなドライガーデンのお庭を作りたい」という方には、ドライ系植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでドライ系植物を知り尽くした庭.proにぜひお声がけください。

2024年1月30日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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