コルジリネの育て方をプロの庭師が伝授します
「コルジリネ」は、オーストラリアやニュージーランドが原産の葉模様が美しい、熱帯性の樹木です。原産地域では「神聖な木」呼ばれ、古くから儀式などでも使われていたそう。コルジリネは、太く棒状に伸びる根茎を持つことより、ギリシア語で「コルディレ(こん棒)」と呼ばれていたのが名前の由来となっています。
コルジリネは赤色や黄色などのカラフルな新葉の葉色が魅力ですが、新葉が鮮赤色になる「アイチアカ」、葉が細く緑色地に淡赤色の覆輪斑が大きく入る「レッド・エッジ」、緑色地に黄色の縦縞が入り、葉縁は赤みを帯びている「クリスタル」(別名キィウィ)、葉形は「レッド・エッジ」と同様ですが、乳白色の覆輪斑が入る「ホワイト・エッジ」などの品種があり、フラダンス用のフラ・スカートに用いられているものは「ライ」と呼ばれるもので、ハワイでは食品包装にも使用されています。このページでは、「コルジリネ」の育て方やお手入れ方法、剪定などについてご紹介します。
コルジリネの基礎知識
学名:Cordyline
科名:キジカクシ科
属名:コルジリネ属
(※リュウゼツラン科・センネンボク属に分類される場合もある)
原産地: オーストラリア、ニュージーランドなど
和名:千年木(せんねんぼく)、ニオイシュロラン
英名:Cordyline
樹高:低木 10cm~200cm
常落区分:常緑性
日照:日なた
耐暑:強い
耐寒:やや弱い
耐陰:弱い
開花期:6月
花色:白、薄紫色
剪定時期:4月~5月
記念樹:花言葉の「幸福な交際」、「爽やかな交際」などより、恋人へのプレゼントや結婚記念日などのプレゼントに最適です。乾燥を好むため、ドライガーデンのお庭へのプレゼントなどに最適です。
花言葉:「幸福な交際」、「爽やかな交際」
コルジリネの特長
コルジリネは、ハワイで「魔除けの木」とされていて、家に訪れる悪霊を祓ってくれるとしてご家庭のお庭に植えられています。コルジリネの原種は日本では、ニオイシュロランと呼ばれ、ドライガーデンやロックガーデンの主木として用いられていますが、コルジリネには、赤色や黄色などの新葉のカラフルな葉色のものなどの改良品種が多く出回っています。根は太い茎状のものを地中に伸ばす地下茎を持つのが特長で、姿が似ていて間違われやすいドラセナ属とはこの根茎の部分が異なっています。耐寒性も強く、南関東以西であれば地植えも可能なため、ユッカやアガベなどとのコーディネイトで、ドライガーデンやロックガーデンに多く用いられています。
コルジリネの剪定方法
コルジリネは、生長期が終わった冬の時期に、樹形が乱れてきた場合は、全体を整える剪定を行いましょう。高さや曲がりを整えたい場合は、曲がっている部分の手前で切り戻しましょう。樹形が乱れていない、切り戻しも必要ない場合は、枯れた葉などを切り取り、通気性を良くしておきましょう。
コルジリネの育て方
植える場所
コルジリネは、耐陰性が弱いため日当たりの良い場所を選んで植えましょう。基本的に南関東以西であれば、日当たりと水はけの良い場所であれば、放任で育つほど丈夫な植物です。乾燥にも強く、根が張れば砂地などの悪環境でも十分に育ちます。
土づくり
コルジリネは、水はけの悪い場所では根腐れを起こしてしまう可能性があるため、市販の観葉植物用の土を混ぜ込んだり、自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土4:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整を行いましょう。
水やり
コルジリネの水やりは、生長している春~夏の期間は、土の表面が乾燥したらたっぷりと与えましょう。生長が止まっている冬の期間は、一週間に1回程度とし、乾燥気味に育てていきましょう。
また、ハダニの発生予防として、葉水も定期的行いましょう。葉水は表と裏にしっかりと水をかけておきましょう。
肥料
コルジリネへの肥料は、春~秋の生長期に与えましょう。冬場は肥料焼けをする可能性があるので、肥料は与えないようにしておきましょう。肥料は液肥を1週間~2週間に1度の割合で与えましょう。緩効性の置き肥を用いる場合は、冬の休眠期に入る前に肥料は取り除いておきましょう。
植え付け・植え替え
コルジリネの植え付け、植え替えの適期は5月~7月頃です。鉢植えの場合は根が鉢いっぱいに回っているようであれば植え替えが必要ですが、基本的には生育が旺盛な植物ですから、毎年植え替えることが生長を促進させます。
夏越し
コルジリネは、夏の暑さには強いですが、風通しが良くなるようにしておきましょう。
冬越し
コルジリネは種類により、耐寒性に違いがありますから、冬場の気温には気を配る必要があります。コルジリネ・アウストラリスという品種は、耐寒性が強いため、地植えで冬越しできますが、他の品種の場合は、雪や霜が当たらないように、寒冷紗などで防寒対策を行いましょう。
病虫害・病気対策
コルジリネは、比較的病気や害虫に強い植物なので、病害虫の被害はほとんどありませんが、ハダニやカイガラムシなどの害虫が稀に発生する場合がありますので、早めに発見できるように注意しておきましょう。
増やし方
コルジリネは、5月中旬頃~8月の間に、挿し木で増やすことができます。明るい日陰で約1か月程度で発根、発芽し、2か月後頃には鉢上げができますから、チャレンジしてみてくださいね。
まとめ
コルジリネは、日当たり良く乾燥気味の環境ならば病害虫も少なく丈夫に育ちます。品種によって様々な色合いのコルジリネは、洋風のお庭、特にドライガーデンやロックガーデンなどのお庭のコーディネイトにはぴったりな植物です。
ハワイで「魔除けの木」とされているコルジリネを、クールなドライガーデンやロックガーデンに植えてみませんか。コルジリネを使ったオシャレなドライガーデンのお庭を作りたい」という方には、ドライ系植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでドライ系植物を知り尽くした庭.proにぜひお声がけください。
2024年1月30日
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎