ナツメヤシの育て方をプロの庭師が伝授します
「ナツメヤシ(Date Palm)」は、北アフリカからペルシャ湾岸沿岸が原産で、紀元前5000年頃から栽培されている、ヤシ科ナツメヤシ属の常緑の高木で樹高30mにも達するものもあります。ナツメヤシの果実はデーツ(Date)と呼ばれ、栄養価が高くアラブの方などは主食にもなるほど重要な果実です。
そんなナツメヤシは、ドライガーデンのシンボルツリーなどに最適な希少植物で、樹齢は200年にも達する長寿の植物で、近年の温暖化により、関東以西であれば、冬越しも可能になってきたため、人気が急上昇しています。このページでは、「ナツメヤシ」の育て方やお手入れ方法、剪定などについてご紹介します。
ナツメヤシの基礎知識
学名:Phoenix dactylifera
科名:ヤシ科
属名:ナツメヤシ属
原産地: 北アフリカ、西南アジアのペルシャ湾沿岸
和名:棗椰子
英名:Date Palm
樹高:高木 12m~30m
常落区分:常緑性
日照:日なた
耐暑:強い(45℃)
耐寒:強い(-9.4℃)
開花期:3月~6月
花色:黄
結実期:10月~12月
剪定時期:-
記念樹:ヤシの木全般の花言葉の「勝利」より、ヤシの木は栄光と勝利のシンボルとなっていますので、合格祈願などに最適です。特に、ドライガーデンなどのシンボルツリーに最適です。
花言葉:「贅沢」、ヤシの木全般の花言葉は「勝利」です。
ナツメヤシの特長
ナツメヤシは北アフリカやペルシャ湾沿岸が原産で、古代エジプトなどでも栽培されていたとされています。ヤシ科ナツメヤシ属には、アフリカ、アラビア、インド、東南アジアなどに14種ほどあり、単幹や株立ちなども見受けられますが、ナツメヤシ属は種間交雑が容易いため、多くの雑種が存在している模様です。
ナツメヤシの果実は、栄養価が高く、アラブの方は主食にされていたほどで、現在では、ドライフルーツやゼリー、ジャムなどに加工されています。ナツメヤシは、雌雄異株で、雄株1本に対し雌株50本に実をつけさせることができる、豊産が可能なヤシで、1つの房に500~1,000の果実を、1年で5~10房にもなるので、大変重宝されており、寿命も大変長く、樹齢200年にもなる樹も存在しています。
ナツメヤシの育て方
植える場所
日当たりのよい場所を好み、幹が大きく育つため、5m以上の間隔をあけて植え付けましょう。
土づくり
地植えの場合、土壌は特に選びませんが、粘土質などの場合は、少し腐葉土を混ぜて植え付けましょう。
水やり
地植えの場合、春、秋は表土が乾いたら与える程度としましょう。乾燥には弱いため、夏季はたっぷりと与え、葉水も与えましょう。冬は月に1程度で様子をみましょう。
肥料
元肥として化成肥料を適量施す程度で大丈夫です。
植え替え
地植えの場合は、基本的に植え替えは必要ありませんが、移植には強いため、樹形バランスが悪い場合は、丁寧に掘り起こし根巻きを行い、株の向きを変えると、バランスの良い株になります。
冬越し
ナツメヤシの耐寒温度は-9.4℃と大変強いですが、雪や霜には弱いため、防寒対策を行いましょう。
病虫害・病気対策
ナツメヤシは、比較的病気や害虫に強い植物なので、害虫予防などは不要ですが、乾燥が続いたときなど稀に、カイガラムシやハダニが発生することがありますから、見つけ次第取り除きましょう。
株分け
ナツメヤシは、生長すると株元から脇芽が出てくるので、株分けして増やしましょう。
ナツメヤシの剪定方法
成長が遅いので、基本的に定期的な剪定の必要はありません。冬場に枯れてきた下葉を取り除く程度で構いません。
まとめ
南国リゾートの象徴とも言えるヤシの木をお庭のシンボルツリーとして植えてみませんか。ナツメヤシは広く出回っているココスヤシと同じくらいの耐寒性があり、関東以西では路地植えで越冬が可能です。大きく枝を張り雄大な姿は、ドライガーデンやロックガーデンなどのアメリカンなお庭にぴったりなシンボルツリーです。
「オシャレなドライガーデンのお庭」、「アメリカンなお庭」を作りたいというこだわり派の方には、南国リゾート敬の植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでも知り尽くした庭.proにお任せください。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎