[プロが教える]庭木の病気・害虫対策!消毒の最適時期やおすすめ薬剤もご紹介!

うどんこ病やアブラムシなど、放っておくと枯死してしまう恐れがあるのが庭木の病気や害虫です。しかし、症状の見分け方がわからないため、対処方法もわからないという悩みを抱えていませんか。

この記事では庭木を病気や害虫から守りたい人に向けて、以下をわかりやすく解説します。
・庭木の病気の見分け方
・庭木の病気ごとの対策法
・おすすめの薬剤、消毒に適した時期
・庭木の病気の予防法と対策
・薬剤散布の注意点

間違った対策や予防をしていても、庭木は傷んでいく一方です。庭木の病気の見分け方から対処法、予防法までを紹介しますので、薬剤散布の参考にしてください。

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目次

庭木の病気の見分け方は?対策すべきは害虫かも!
樹木の外観から判断する
害虫がついていたら食害や病気の恐れがある
庭木の病気ごとの対策法!おすすめの薬剤や消毒に最適な時期を紹介
樹木が衰弱するうどんこ病には木酢液や重曹のスプレー
葉が落ちてしまう褐斑病は患部を取り除く
枝が枯れてしまうてんぐ巣病は切除する
幹が枯れる胴枯病には薬剤散布
成長を阻害する根頭がんしゅ病・こぶ病は切除する
庭木の成長を阻害する害虫は木酢液をスプレーする
庭木を病気にさせない対策や予防法
殺菌剤を使用する
剪定して風通しをよくする
土壌を改良する
庭木の病気対策に薬剤散布で消毒するときの注意点
用法・用量を厳守する
薬剤散布のタイミングに注意する
装備品を整え皮ふの露出に注意する
作業条件を確認する
作業後は薬剤を洗い流し立ち入らせない
庭木の病気のことなら庭.proにご相談ください!

庭木の病気の見分け方は?対策すべきは害虫かも!

庭木の病気は外観から見分けられます。また、観察中に害虫を見つけた場合は、害虫が病気を呼び寄せる原因になっている恐れもあります。
それぞれ詳しく解説します。

樹木の外観から判断する

樹木の枝葉・幹・根っこを観察することで、病気を外観から判断できます。

枝葉に白い粉がついていたり、細かい枝が異常発生したりしている

葉に白い粉のようなものがついていたら「うどんこ病」でしょう。 カビの一種で、放っておくと感染を広げ増殖し、ウイルス病にかかったりカビが生えたりして木を衰弱させます。

細かい枝が異常に発生して鳥の巣のようになるのは「てんぐ巣病」でしょう。感染すると花がつかず樹勢が衰え、やがて枯れる原因になります。葉がついていている間は見分けづらいため、落葉しているときに症状を観察しましょう。桜の木によく発生するため、植えている場合は特に注意が必要です。

どちらも樹木の枝葉に発生する代表的な病気です。健全な枝葉を覚えておくことが、病気を見分けるときに重要であるため、普段からよく観察し、不安なときは植物図鑑などを参照しましょう。

幹にこぶがあったり、枯れはじめている

幹にこぶができていたら「こぶ病」でしょう。こぶが大きくなると樹木が折れやすくなってしまいます。

幹が枯れはじめていれば「胴枯れ病」でしょう。感染すると患部は赤みを帯びて、触るとざらざらとしています。また亀裂が入ることもあり、病気が進行すると患部より上部は枯死します。

枝葉と比較して幹の病気は地上からも観察しやすいため、見分けるのが容易です。普段からよく観察して、被害が拡大する前に対処しましょう。

根っこにこぶができている

根っこにこぶができていたら、「根頭がん腫病」の疑いがあります。こぶが地際に現れることもありますが、こぶの多くは土中を確認しないと発見できません。幹や枝葉に異常がないのに樹木に元気がなければ、根っこを掘り起こしての有無を確認してみる必要があります。

害虫がついていたら食害や病気の恐れがある

樹木につく害虫は葉や茎を食べてしまったり、病気を呼び寄せたりする恐れがあります。
代表的な害虫を3種類紹介します。

ネバネバの透明な液を出すアブラムシ

葉や幹に寄生し、1つの葉に数百匹付くこともある虫がアブラムシです。アブラムシの特徴は、透明な液を出すことで、液を触るとネバネバします。ほとんどの樹木に現れ、梅雨前や残暑が厳しい時期に多く発生します。樹木の汁をすするときに、ウイルスや細菌が樹木に感染してしまうことが多いです。

白い虫が大量発生していたらカイガラムシ

白っぽい虫が無数についていたらカイガラムシです。体長は1~3mmほどで、葉や茎から汁をすすります。夏が繁殖期で、大量に発生してしまうと新しい葉が出なくなったり、枝が枯れてしまったりします。果樹や観葉植物に多く見られる害虫です。

葉を食べてしまう毛虫

毛虫はさまざまな種類がありますが、ほとんどの毛虫は葉を食べて樹木に害を与えます。葉を食べられた樹木は、成長するために必要な葉を失うため衰弱します。また、毛虫にうっかり触ってしまうと皮膚がただれるため、素手では触らないようにしましょう。

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庭木の病気ごとの対策法!おすすめの薬剤や消毒に最適な時期を紹介

それぞれの病気や害虫への対処法や、適切な対処時期について紹介します。

樹木が衰弱するうどんこ病には木酢液や重曹のスプレー

うどんこ病は自然回復する可能性もありますが、酢を薄めたスプレーや重曹を薄めたスプレーを散布するのがおすすめです。症状が広範囲に広がってしてしまった場合は、発生箇所全体を切除します。切除した部分は可燃ゴミにまとめて処理し放置しないようにしましょう。風で菌が舞ってしまい、再び樹木に感染するためです。

薬剤散布に適した時期は、発生が多くなる5月~6月、もしくは9月~11月が良いでしょう。樹木によってうどんこ病の種類が変わります。

例えば、感染しやすい樹木であるアジサイやハナミズキでは、うどんこ病の種類が違うため、樹木に合った薬剤選びが必要です。

葉が落ちてしまう褐斑病は患部を取り除く

褐斑病は患部を取り除くのがもっとも効果的な対処法でしょう。取り除いた部分は焼却するか可燃ごみとして処理します。薬剤での処理には「STダコニール1000」がおすすめです。庭木の中でも褐斑病になりやすいツツジなどにも効果を発揮します。

薬剤散布は病気が多発する梅雨前から開始すると、病気の感染を抑えられます。また、梅雨時期の雨で薬剤が流れることも防げるため、効果的な薬剤散布が可能です。

枝が枯れてしまうてんぐ巣病は切除する

てんぐ巣病は患部を切り落とすのが適切な対処法でしょう。対処は落葉している時期におこないます。葉がついている成長期に枝を落とすと、翌年以降の花のつきが悪くなるためです。

切断部分にはペースト状の薬剤を塗布します。おすすめは「トップジンMペースト」です。切断面からの病原菌の侵入を防ぎ、切り口の回復を促進します。雨の侵入を防ぎ枝の腐敗を防ぐ効果もあります。

幹が枯れる胴枯病には薬剤散布

胴枯れ病は、桑や梨などの果樹に多く見られる病気で、薬剤で対処します。おすすめは「GFベンレート水和剤」で、治癒効果と予防効果のどちらの効果も期待できます。最適な散布時期は胴枯れ病が発生しやすい春の前が良いでしょう。

病気が進行してひどくなってしまった部分がある場合は切除します。切除した部分には「トップジンMペースト」を塗布し、切り口を保護しましょう。

成長を阻害する根頭がんしゅ病・こぶ病は切除する

根頭がんしゅ病の対処法はこぶの切除です。生育不良を引き起こし樹木を衰弱させる病気で、通年かかる可能性があります。切除した場合は「トップジンMペースト」で切除面から菌が入らないようにしましょう。

また、同じようなこぶが幹や枝にできる病気に、こぶ病があります。こぶ病の対処法はこぶの切除です。根頭がんしゅ病同様、「トップジンMペースト」を切り口に塗布します。どちらの病気も見つけ次第切除し、こぶが肥大しないようにしましょう。

 

STダコニール1000
出典:住友化学園芸

 

トップジンMペースト
出典:住友化学園芸

 

GFベンレート
出典:住友化学園芸

患部を切除する際は、こちらの記事もおすすめです。

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庭木の成長を阻害する害虫は木酢液をスプレーする

害虫を見つけたら、割り箸などで取り除きます。木酢液でスプレーして駆除するのもおすすめです。薬剤散布の時期は特に決まりがなく、発生の都度おこなうと良いでしょう。市販の殺虫剤を使用する方法もありますが、誤って体に入ってしまうと健康を損なうリスクがあるため、天然成分由来の木酢液の使用を検討しましょう。

庭木を病気にさせない対策や予防法

庭木を病気にさせない対策や予防法は以下の3つです。
・殺菌剤を使用する
・剪定をおこない風通しをよくする
・土壌を改良する

順番に解説します。

殺菌剤を使用する

庭木の病気の予防には殺菌剤の使用が効果的です。市販のものでも十分効果は得られますが、同じような薬剤の種類でも対応する樹種が違うので、それぞれの薬剤がどのような病気や樹種に対応しているかを確認しましょう。

万能薬として効果が期待できるのが木酢液です。炭焼きするときにできる副産物で、殺菌作用・害虫駆除の効果があります。天然由来の成分でできているため、人体や周囲の植物への影響が少なく、どのような樹木に対しても使用できます。

例えば、近隣の方へ薬剤散布のお断りを入れるときも、木酢液の安全性を伝えられれば相手方に納得してもらいやすいでしょう。病気にかかったときにも用いられる木酢液は予防にも大きな力を発揮するため、積極的な使用をおすすめします。

剪定して風通しをよくする

剪定をして枝が混み合っている状態を改善し風通しをよくすると、病気の発生を抑えられます。なぜなら、病気の原因である細菌やカビは湿度を好むためです。また、枝が少なくなると害虫が天敵に見つけられやすくなるため、害虫駆除の効果も期待できるでしょう。

梅雨の時期は湿度が高まるため、枝の混み具合には特に注意が必要です。剪定は少量であれば通年可能なため、様子を観察しながら少しずつ落とすと、樹木の負担が少なく済みます。 一気に剪定するときは樹木が休眠期の冬におこなうようにしましょう。

ただし常緑樹は、冬を越すための栄養を葉に蓄えているため、冬に剪定すると弱ります。成長が盛んな4月~6月頃が、常緑樹の剪定に適した時期です。

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土壌を改良する

土壌の改良は土中を殺菌したり、水はけを良くしたりできるので、病気の対策に効果的です。

土の中でも細菌は増殖するため、木酢液を使用して殺菌します。適切に希釈した木酢液を土壌に散布すると、土壌有機物が発生し土がやわらかくなったり、根が伸びやすくなったりして、樹木の生長を助けてくれるでしょう。

直接散布する方法以外にも、枝葉の消毒と同時に土壌改良してしまう方法もあります。木酢液で枝葉を消毒する際、液が滴るほど大量に使用すると土中にまで木酢液が浸透し、土壌を殺菌することが可能です。

また、 周囲の土の上下をひっくり返す「 天地返し」と呼ばれる方法も有効です。 地表部分は太陽の光で殺菌されるため、土中の土と地表の土を入れ替えて土を殺菌できます。土の掘削は力仕事になるため、薬を使った作業よりも手間がかかります。時間や労力に余裕がある方向けの作業です。

土の水はけのよさは、樹木を病気にかかりづらくし、害虫対策にも効果を発揮します。地面に水が溜まらないと樹木の周囲の湿度が下がるため、病気や害虫がつきづらい環境を作ることが可能です。使用する土壌改良剤はパーライトとモミガラがおすすめで、どちらも土中に混ぜこむと水はけがよくなります。

庭木の病気対策に薬剤散布で消毒するときの注意点

庭木に薬剤散布するときの注意点は以下のとおりです。
・用法・容量を厳守する
・薬剤散布のタイミングに注意する
・装備品を整え皮ふの露出に注意する
・作業条件を確認する
・作業後は薬剤を洗い流し立ち入らせない

順番に解説します。

用法・用量を厳守する

用法・用量を厳守することが、薬剤散布する際の大原則です。薬剤効果を高めるために濃度を高くして散布するのは、かえって庭木を弱らせる原因になるため、決められた濃度を守りましょう。

また、薬剤は誤って体に入ってしまうと、具合が悪くなる場合があります。空気中に舞っている薬剤が口から体内に入ってしまう恐れがあるため、作業中の飲食やタバコは避けましょう。

薬剤散布のタイミングに注意する

薬剤を散布するタイミングに注意しましょう。なぜなら、日中の気温が高いときに散布してしまうと、水分が蒸発して薬剤濃度が上がるため、薬によって葉が枯れてしまうからです。したがって散布は朝夕の涼しい時間帯におこなうのがおすすめです。春や秋で気温が高くならないときは、日中の散布も可能です。気温に注意して散布のタイミングを図りましょう。

また、強風と大雨のような悪天候では作業しないようにします。強風時には意図したところに散布できなかったり、薬剤が近隣に誤って飛んでいってしまったりする恐れがあるためです。 トラブルの元になるため、強風時の薬剤散布は避けましょう。

さらに、大雨での作業は散布した薬剤が雨で流れてしまい、効果を発揮できません。樹木に薬剤がつきやすくするための薬剤に展着剤がありますが、大雨では一緒に流れてしまうため、効果は期待できないでしょう。晴天で風が少ない日に薬剤散布するとトラブルなく作業できます。

装備品を整え皮ふの露出に注意する

薬剤が皮ふに直接触れるとただれてしまう場合もあるため、最低限の装備を用意し可能な限り露出をさけましょう。整えたい装備品は以下のとおりです。
・帽子
・ゴーグル
・ゴム手袋
・長袖
・長ズボン
・長靴

また、マスクも忘れずに装着しましょう。普段使いの不織布マスクではなく、農業用のマスクが望ましいです。普段使うマスクと比べて空気中の薬剤の吸入を防ぐ効果が高いですが、値段が高いのが難点です。

作業条件を確認する

薬剤散布する樹木の周りの作業条件を確認し、消毒漏れやトラブルがないようにします。
・高い樹木の頂上まで薬剤が届くか
・垣根が大きい場合は奥まで薬剤が届くか
・周辺の家が近すぎないか、窓を開け放していないか

特に注意したいのは、高いところや奥地への散布です。離れた場所に散布しなければならないため、専用の道具を用意する必要があります。薬剤散布は全体にまんべんなく薬剤をかけると効果を最大限発揮します。 専門の道具を用意できないときは、業者への相談を検討しましょう。

作業後は薬剤を洗い流し立ち入らせない

作業後は露出している手や顔を洗い、消毒液を落とします。使い終わった装備品は次回の使用に備えるため、水で薬剤を洗い流しましょう。使い捨ての手袋なら、作業後に洗う必要がないため後片付けが簡単です。

また作業後は薬剤散布箇所へ、小さいお子さんやペットなどが立ち入らないようにします。落ちているものを口に入れたり拾ったりするため、小さいお子さんやペットは家の中から出さないようにしましょう。

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