ストレリチアの育て方をプロの庭師が伝授します
「ストレリチア(極楽鳥花)」は、その美しい姿が「極楽鳥(ごくらくちょう)」に似ていることより、極楽鳥花とも呼ばれる観葉植物です。
ストレリチアは、南アフリカを原産とする植物で、日本では主に4種が知られており、ストレリチア・レギナエ(Strelitzia reginae)が最も多く栽培されています。レギナエの品種は、草丈が1m程度ですが、他の品種は10mにもなる種類もあります。寒さにも比較的強く、育てやすいため、関東以西ではお庭に地植えされています。
このページでは、ストレリチアの育て方やお手入れ方法、剪定などについてご紹介します。
目次
ストレリチア(極楽鳥花)の基礎知識
ストレリチア(極楽鳥花)の特長
ストレリチア(極楽鳥花)の育て方
ストレリチア(極楽鳥花)の剪定方法
やっぱりプロに依頼したい方
ストレリチア(極楽鳥花)の基礎知識
学名:Strelitzia
科名:ゴクラクチョウカ科(バショウ科で分類される場合あり)
属名:ゴクラクチョウカ属
原産地: 南アフリカ
和名:極楽鳥花(ごくらくちょうか)
英名:Strelitzia
樹高:低木~高木 1m~10m
常落区分:常緑性
日照:日なた
耐暑:強い
耐寒:やや弱い
耐陰:弱い
開花期:5月~10月
花色:オレンジ、青
剪定時期:5月~7月
記念樹:花言葉の、「気取った恋」、「恋の伊達者」、「輝かしい未来」などより、恋人へのプレゼントや結婚記念日などのプレゼントに最適です。エキゾチックな姿より、南国リゾート風のお庭や、ドライガーデンのお庭へのプレゼントなどに最適です。
花言葉:「気取った恋」、「恋の伊達者」、「輝かしい未来」、「寛容」
ストレリチア(極楽鳥花)の特長
ストレリチア(極楽鳥花)は、南国に生息する美しい鳥の姿に似ていることから、日本名では極楽鳥花と呼ばれていますが、その姿はまさに南国植物に囲まれた中にいるように、鮮やかな色彩で楽しませてくれます。
ストレリチアの代表的な品種で、極楽鳥花と呼ばれる、ストレリチア・レギネ(レギナエ)という品種は、ひとつのつぼみから何度も花を咲かせるという特長があります。
ストレリチア・ニコライという品種は、バナナのように伸びた葉っぱが特徴的で、まさに南国リゾートの雰囲気を醸し出してくれます。
ストレリチア・ノンリーフという品種は園芸品種で、葉の先が序々に小さくなっていき、茎だけがそびえ立っているように見えるのが特長です。
このように、ストレリチアは、品種によって、その姿や花色などが異なり、お花を楽しんだり、観葉植物として茎や葉を楽しむものなどがあるので、用途や特徴を良く理解して育てていってみましょう。
そんなストレリチアは、その特長ある姿から、南国リゾート風ガーデンや、ドライガーデン 、ロックガーデンなどに用いられている見ごたえのある植物です。
ストレリチア(極楽鳥花)の育て方
植える場所
ストレリチア(極楽鳥花)は、耐陰性が弱く、日光に当てないと花の付きも悪くなるため、地植えの場合には、日当たりと水はけのよい場所を選んで植え付けましょう。真夏の日差しで葉焼けをするようであれば、日よけなどを施しましょう。
土づくり
ストレリチア(極楽鳥花)は、水はけがの良く、通気性の良い土壌を好みます。水はけが悪い場合は、根腐れを起こしてしまう場合があるので、注意が必要です。
水やり
ストレリチア(極楽鳥花)の水やりは、地植えの場合は、根が太く乾燥には強い性質ですから、植えつけ後活着すれば、水やりはほとんど不要です。乾燥には比較的強いですが、夏の猛暑期間は地表が乾いていたらたっぷりと与えましょう。冬場は水を与えすぎると根腐れの原因となるので注意が必要です。
肥料
ストレリチア(極楽鳥花)の肥料は、春から秋にかけての成長期に、リン酸がやや多めの肥料を置き肥するか、液体肥料を与えましょう。
植え付け・植え替え
ストレリチア(極楽鳥花)の鉢植えの場合は、1~2年に1回は植え替えを行いましょう。根詰まりするとすぐに弱ってくるので、早めに対処していきましょう。
夏越し
ストレリチア(極楽鳥花)は、耐暑性が強いので特に対応は必要ありませんが、水切れと葉焼けには注意しましょう。夏場の直射日光で葉焼けする場合があるので、必要であれば、日差しを遮るような対策を施しましょう。
冬越し
ストレリチア(極楽鳥花)は、暖地であれば乾燥気味に管理を行うことで、地植えでも越冬が可能ですが、耐寒性は強くはないため、土まで凍るような寒冷地や、積雪のある地方などでは、耐寒対策を施しましょう。
病虫害・病気対策
ストレリチア(極楽鳥花)は、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、に注意が必要です。また、乾燥が続いた場合には、ハダニが発生することがあるので、葉水をこまめに与えて発生を防ぎましょう。
増やし方
ストレリチア(極楽鳥花)は、5月~9月に株分けで増やすことが可能ですが、ストレリチアは、葉を切り落としてしまうと、その切り口からは新しい葉は生えてこないため、茎や葉をカットしてのサイズ調整は行えないので、根ごと葉を切り分ける株分けを行い、サイズ調整を行うと同時に、増やしていくことが可能です。
ストレリチア(極楽鳥花)の剪定方法
ストレリチア(極楽鳥花)の剪定時期は、5月~7月の生長期の後半から、成生期が終わった後の期間に、古くなった葉や葉柄を切り取っておきましょう。また、咲き終わった花も花茎の根元から切り取りましょう。
まとめ
ストレリチア(極楽鳥花)は、バショウやバナナに近縁の植物で、エキゾチックな姿で楽しませてくれる南国リゾート風のお庭にぴったりです。育てやすく環境が合えば、どんどんと生長してくれます。お花を咲かせるポイントは、日差しをたっぷりと当てることです。そんなストレリチアは、洋風ガーデン、ドライガーデン、ロックガーデンなどのアクセントにぴったりな南国の植物です。ストレリチアを使ったオシャレなお庭を作りたい」という方には、ドライ系植物同士の組み合わせや植え方のバランスまでドライ系植物を知り尽くした庭.proにぜひお声がけください。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎