海外のリゾート地の雰囲気をイメージしてつくるドライガーデンのお庭には、エキゾチックで雄大なヤシがぴったりです。
ヤシには、生長すると数メートルにもなる大型種のものから、比較的小ぶりで、住宅地のお庭にぴったりな種までさまざまな種類があります。
この記事では、リゾートスタイルのドライガーデンにおすすめの植物「ヤシ」の魅力を徹底解析します。
目次
ヤシってどんな植物?
ヤシの魅力って何?
ヤシの育て方
ヤシの自生地
ヤシの種類
ヤシを使ったドライガーデンのお庭
①ヤシをメインにつくるドライガーデンのお庭
②ヤシ×多肉植物でつくるドライガーデンのお庭
③ヤシ×オージープランツ(オーストラリアンプランツ)でつくるドライガーデンのお庭
ヤシでお洒落なドライガーデンのお庭をつくるには
やっぱりプロに依頼したい方
ヤシってどんな植物?
世界中の熱帯・亜熱帯地域を中心に自生するヤシは、は英語で「Palm Tree(パームツリー)」と呼ばれ、「Palm(パーム)」には「手のひら」といった意味があります。ヤシの葉が空に向かうがごとくに広がり、まるで手のひらを開いたように見えることから、そのように呼ばれているといわれています。
ヤシには2,000~3,000もの種類があり、テーブルで育てられるテーブルヤシのような小型の種から、ココヤシなどリゾート地でみられるような大型になる種類があります。鉢植えで育てられるものも多い人気の観葉植物です。
潮風や乾燥に強く、耐寒性に優れている種も多く、初心者でも育てやすく、リゾートのようなお洒落な雰囲気のドライガーデンのお庭によく似合う植物です。
ヤシの魅力って何?
ここでは庭.pro(ニワドットプロ)のスタッフが思う、ヤシの魅力をご紹介します。
☝南国気分を味わえる、エキゾチックでお洒落な見た目
ヤシの木といえば、南国の青い空、青い海をイメージする方が多いのではないのでしょうか。
日常ではなかなか感じることのない、リゾート地の時間がゆっくり流れるような雰囲気を醸し出す、エキゾチックでお洒落な見た目はヤシの魅力のひとつですよね。
自宅にいながらリゾート気分を味わえたら…。そんな願いを叶えてくれるのが、ヤシを使ったリゾートスタイルのドライガーデンのお庭です。
☝初心者でも育てやすい
乾燥を好み、潮風にも強く、寒さにも耐え、病害虫にも強健な種が多く、初心者でも育てやすい植物です。南国のイメージのあるヤシですが、日本で自生している種もあり、毎日の水やりなどのメンテナンスも少なく、管理がとてもしやすいのもヤシの魅力です。
☝豊富な種類
ヤシには大型のものから小型のものまで、さまざまな種類が2,000~3,000種あり、植栽場所やお庭の雰囲気、生育環境など、その目的に適したものを探しやすいというのもヤシの大きな魅力です。ヤシはエキゾチックで雄大な見た目から、お庭の主役になる植物です。アガベやサボテンなどの多肉植物やオージープランツ(オーストラリアンプランツ)など他の植物との相性もよいので、ヤシの木を主役にリゾート感あふれる、ドライガーデンのお庭をつくることができます。
ヤシの育て方
置き場所
寒さに弱い種類
春~秋:戸外のひなた
冬:室内の日当たりのよい窓近く
寒さに強い種類
年中:戸外のひなた
水やり
春~秋:土の表面が乾いたらたっぷりと与える。
冬:控えめにして乾かしぎみに管理する。
注意する病害虫
春~秋:カイガラムシ
※気付いたら、綿棒やピンセットなどで取り除きましょう。
ハダニ
※葉水を与えたり、濡れタオルで葉を拭いたりして予防しましょう。
さらに詳しいヤシの育て方は下記の記事にも記載しています!参考にしてくださいね。
ヤシの自生地
ヤシは世界中の熱帯・亜熱帯地域で広く自生しています。
ヤシの自生地の環境は?
ここでは、日本の環境でも育てやすい「ココスヤシ」を例に自生地の環境をご紹介します。
ココスヤシ(ヤタイヤシ)はアルゼンチンやブラジルなど南米で自生しています。
マナウス(ブラジル)
緯度:3.13°S / 経度:60.02°W 高度:72 (m)
月平均気温 | 月降水量 | |
1月 | 26.8℃ | 300.1m |
2月 | 26.6℃ | 300.1mm |
3月 | 26.8℃ | 333.5mm |
4月 | 26.8℃ | 326.4mm |
5月 | 27.1℃ | 228.9mm |
6月 | 27.3℃ | 114.3mm |
7月 | 27.5℃ | 72.8mm |
8月 | 28.3℃ | 56.2mm |
9月 | 28.6℃ | 76.9mm |
10月 | 28.4℃ | 114.9mm |
11月 | 28.2℃ | 192.2mm |
12月 | 27.2℃ | 258.4mm |
上記の表は、ココスヤシの自生地である、ブラジルのマナウスの月平均気温と月降水量です。
ブラジルのマナウスは、世界最大の熱帯雨林であるアマゾンの最大の都市であり、アマゾン観光の起点地です。
比較的雨の少ない6月~11月が乾季、雨の多い12月~5月が雨季にわかれている熱帯性気候で、一年を通して暑く気温変化が少ないのが特徴です。
雨季には雷雨が発生することも多く、降水量は多めですが、乾季である7月~9月は降水量は少なくなります。本州の気候でココスヤシを育てる場合は、降水量の多い梅雨時期は自然雨で育てられますが、自然雨の少ない季節には、週に1回~2回ほど、根腐れを防ぐため、土の表面が乾いてから1日~2日空けてから水やりを行うようにしましょう。
マナウスは年間を通して平均気温が20℃以下になることはありませんが、東京以西でも12~3月は平均気温が10℃以下になる地域もありますので、ヤシを含めた、ドライガーデン向きの植物は寒さには弱い種類のものもあるため、地植えで育てる場合には、寒さに比較的強い品種を選ぶとよいでしょう。
ヤシの種類
ヤシには2,000~3,000の種類があるといわれています。ここでは、10種のヤシをピックアップしご紹介していきます。
ご紹介するヤシ以外にもたくさんの種類があり、種類によって大きく育つ種や、葉に斑が入る種などその魅力は様々です。ぜひ、気になるヤシを見つけてみてみてくださいね。
アレカヤシ/黄金竹椰子(コガネタケヤシ)
学名:Dypsis lutescens
原産地:マダガスカル
耐寒性:弱い
シャープな姿がお洒落なヤシ。強い直射日光の当たる場所に置くと幹や葉が黄色くなる性質がある。寒さにはとても弱いので、室内の温かい場所で育てる。
サバルヤシ
学名:Sabal Adans
原産地:メキシコ
耐寒性:比較的強い
シルバーがかったグリーンの大きな熊手のような葉が特徴的。生長すると20m以上にもなる大型種。耐寒性、耐暑性、耐乾燥性、耐風性に優れている。
チャメロプス・フミリス
学名:Chamaerops humilis
原産地:地中海
耐寒性:強い
ヨーロッパの地中海地方で唯一自生する耐寒性の高いヤシ。生長しても5m程度とヤシの中ではコンパクトですが、葉が密集し、どっしりとした姿は存在感抜群。
テーブルヤシ
学名:Chamaedorea
原産地:中南米
耐寒性:弱い
ヤシの中では小型な種で、室内のインテリアや観葉直物としても人気。耐陰性にも優れていて、置き場所は明るい日陰が最適。
ナツメヤシ/棗椰子(なつめやし)
学名:Phoenix dactylifera
原産地:北アフリカ、西南アジアのペルシャ湾沿岸
耐寒性:強い
鳥の羽のようなアーチ状の葉を優雅につけ、生長すると30mにもなる大型種。ドライフルーツやゼリー、ジャムなどに加工され食されることもある。
ビロウヤシ
学名:Livistona rotundifolia
原産地:東南アジア、沖縄
耐寒性:弱い
葉の先の方が緩やかに垂れるのが特徴的。葉は面積が広く、うちわのような形をしている。耐陰性が高く室内の明るい場所でも育てれれる。
フェニックス・カナリエンシス(カナリーヤシ )
学名:Phoenix canariensis
原産地:アフリカ西海岸、カナリア諸島
耐寒性:比較的強い
生長すると15m前後にもなる大型種。別名は伝説上の不死鳥「フェニックス」と呼ばれ、樹形は鳥が羽ばたいている姿のように見える。
ココスヤシ( ヤタイヤシ / ブラジルヤシ )
学名:Butia yatay、Butia capitata
原産地:ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ
耐寒性:比較的強い
ヤシの中でも比較的小型の種ながら、ブルーグリーンの葉が美しい人気の種。耐寒性もあり丈夫で、初心者でも比較的育てやすい。
ワシントニア・フィリフェア
学名:Washingtonia filifera
原産地:アメリカ南西部
耐寒性:強い
葉の縁に、白い糸状の繊維が垂れるのが特徴的なヤシ。乾燥や高温、寒さにも強い。
ワシントニア・ロブスタ
学名:Washingtonia robusta
原産地:アメリカ南西部、メキシコ
耐寒性:強い
生長すると30m以上にもなる大型種。細くひょろひょろと伸びる幹が特徴的。
0℃まで:弱い
-1から-5℃まで:比較的強い
-6℃以下:強い
ヤシを使ったドライガーデンのお庭
ここからはヤシを使ったドライガーデンのお庭づくりについて紹介していきます。
アガベやユッカなど、主に砂漠地帯などの乾燥地帯で育つ植物と、乾燥した石や岩、砂利を用いてつくるお庭のことをドライガーデンと言います。
乾燥地帯の植物の他に、エキゾチックな雰囲気のヤシやオーストラリアやニュージーランドなどに自生する、オージープランツ(オーストラリアンプランツ)を植栽したり、個性的な見た目の植物を取り入れることで、他のお庭とは一味違った、海外のリゾート地のようなスタイリッシュでお洒落なお庭にすることができます。
見た目は年間を通してあまり変わらず、四季折々の日本特有の季節の変化を楽しむようなお庭ではありませんが、剪定などのメンテナンスが少なく、また水やりなどの日々のお手入れも簡単というメリットがドライガーデンにはあります。
①ヤシをメインにつくるドライガーデンのお庭
大きな庭木を植え、インパクトのあるお庭をつくりたいという方は、ヤシをメインにトロピカルな雰囲気のドライガーデンのお庭をつくるのがおすすめです。ヤシは生長すると数mにもなる大型の種もあり、また葉を垂れ下げる種はエキゾチックでインパクト抜群。潮風にも強いので、海沿いの住宅なら、いろいろな種類のヤシを植栽し、大きい石と組み合わせたり、芝の上に植栽することでよりリゾートスタイルにこだわったドライガーデンのお庭にすることができます。
②ヤシ×多肉植物でつくるドライガーデンのお庭
ヤシ×多肉植物は乾燥地帯の荒々しい大自然を表現したり、スタイリッシュでお洒落な雰囲気のドライガーデンのお庭をつくりたい方におすすめの組合せ。アガベやサボテンなどの個性的な見た目の植物と、エキゾチックな雰囲気のヤシの相性は◎。日本のお庭にはない非日常な空間を演出することができます。荒々しい大自然を表現するために、石や岩はアメリカの乾燥地帯でよく見られる赤茶色のものを使うといいですよ。
③ヤシ×オージープランツ(オーストラリアンプランツ)でつくるドライガーデンのお庭
バンクシアやプロテアなどのオージープランツ(オーストラリアンプランツ)とヤシでつくるお庭は、ドライガーデンの中でも華やかな雰囲気を楽しむお庭づくりをしたい方におすすめの組合せ。オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の色鮮やかな花と、ヤシの雄大でスタイリッシュな姿が、新しい雰囲気のリゾートスタイルのお庭に。ドライガーデンの中でも、お洒落で華やかな雰囲気は住宅のお庭にはもちろんのこと、オープンカフェや宿泊施設などの入り口やガーデンにもおすすめです。
ヤシでお洒落なドライガーデンのお庭をつくるには
ここまで、ヤシの魅力やヤシを使ったドライガーデンのお庭づくりを紹介してきました。
ヤシを使ったドライガーデンのお庭をつくるには、以下のようなことをあらかじめ調べたり、考えておくことが必要です。
・お住まいのエリアの生育環境
☝お住まいのエリアによって耐寒性や耐暑性は異なります。植栽をした後に、住まいのエリアの生育環境にあわない品種のヤシだった…なんてことのないように事前にしっかり調べ、耐寒性や耐暑性など生育環境にあった品種のヤシを選ぶようにしましょう。
・ヤシを植栽する場所やお庭のデザイン
☝お気に入りの品種のヤシを用意しても、場所が狭くて植栽できなかったり、思っていたより大きく生長してしまい、他の植物や建物とのバランスが悪い…なんてことになってしまったら残念ですよね。
・ヤシを購入する場所や方法
☝ヤシは一般的に流通していてホームセンターなどで手に入る品種のものから、希少な品種で個人では手に入れにくいものもあります。希少な品種のものは、インターネットのオンラインショップなどで購入することが一般的ですが、写真や説明欄に記載されていることと異なる商品を販売したりするような、悪質なオンラインショップも存在するので注意が必要です。オンラインショップでの植物の購入は、実際に実物を自分の目で見て購入ができない分、信頼して購入できるショップを選ぶことも大切ですね。
ヤシにあったお庭のデザインを考えたり、希少な品種のヤシを購入するのは、お庭づくり初心者の方には少しハードルが高く感じるかもしれません。
そんな時に頼れるのが、ヤシを使ったドライガーデンのお庭づくりや希少な植物の入手に精通している、造園業者です。プロの豊富な知識と、確かな技術、希少な植物を入手する独自のルートを確立している、お庭づくり専門の業者ならあなたの理想のお庭づくりを叶えてくれることでしょう。
庭のプロ集団『庭.pro』ではドライガーデンのお庭づくりのプロが、一人ひとりの好みや希望にあったお庭づくりを実現します。
事前にお住まいの場所のお庭の日の当たり方や風の通りなど、ドライガーデン向きの植物の生育環境を確認し、ヤシがよく育つようお庭をデザインし、ご提案から施工まで行います。
とにかくプロの手で素敵なお庭をつくってほしいという方は、すべておまかせでも大丈夫です!造園のプロが植物の日々のお手入れなどについても、アドバイスし皆様の素敵なガーデンライフをお手伝いたします。
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2024年1月31日更新)