ドライガーデンのお庭をつくる際に、植栽する植物を選ぶのは楽しみのひとつですよね。
クールな雰囲気になったり、お洒落な雰囲気になったり、植栽する植物によってその雰囲気はガラっと変わります。
この記事では、そんなドライガーデンのお庭づくりにおすすめの植物「サボテン」の魅力を徹底解析します。
目次
サボテンってどんな植物?
サボテンの魅力って何?
サボテンの育て方
サボテンの自生地
サボテンの種類
サボテンを使ったドライガーデンのお庭
①玉型サボテンをメインにつくるドライガーデンのお庭
②柱サボテンをメインにつくるドライガーデンのお庭
③ウチワサボテンをメインにつくるドライガーデンのお庭
サボテンでクールでカッコいいドライガーデンのお庭をつくるには
やっぱりプロに依頼したい方
サボテンってどんな植物?
サボテンはアメリカやメキシコなどの中南米などに広く自生する植物です。 多くは砂漠など乾燥地帯の環境を好み、太陽の光が照りつける灼熱の過酷な環境にも耐えられる強健な性質を持っていますが、観葉植物に比べ水やりの回数が少なく、ローメンテナンスで育てられる植物として、ドライガーデン向きの植物としても根強い人気があります。日本には1,600年代の江戸時代に持ち込まれ、古くから園芸植物として親しまれています。
サボテンには、手のひらサイズから数メートルを超える大型のもの、鋭い棘を持ち厳つくカッコいいものや、丸くてフワフワして可愛らしいものまで、形状・サイズ・タイプなどの種類は多く、サボテンの魅力にハマる愛好家も多くいます。荒々しい見た目からは、想像できない綺麗な花を咲かせる種もあります。また、サボテンは風水でも「悪いものを寄せ付けない」といわれる縁起のいい植物でもあります。
日本では、昭和30年代にサボテンブームが起きました。サボテンクラブが日本各地に作られ、愛好家によって栽培や育種の技術向上がはかられました。多くの素晴らしい園芸品種が生み出され、世界的に高い評価も得ました。
サボテンの魅力って何?
ここまで、サボテンがどんな植物かご紹介してきましたが、ここでは庭.pro(ニワドットプロ)のスタッフが思う、サボテンの魅力をご紹介します。
☝種類が豊富
サボテンの種類は2,000種以上あるといわれています。
種類によってトゲの色や長さ、斑入りのもの、綴化(てっか)やモンストロースなど特異な形状のものなど様々なタイプがあり、園芸においては、「玉型サボテン」「柱サボテン」「ウチワサボテン」「エビサボテン」「木の葉サボテン」「森林性柱(紐)サボテン」「葦(あし)サボテン」の7つが代表的な種類です。
ホームセンターや園芸店で購入可能なお手軽なものから、希少な種類のものまでその幅は広く、色々な種類の中から自分の好みや、育て方、植栽場所のスペースやお庭のデザイン、生育環境にあわせた「サボテン探し」もきっとドライガーデンのお庭づくりの楽しみになるはずです。
☝初心者でも育てやすい
サボテンは、自生地では多くが高山で育つため、寒さにも比較的強く日本でも地植えで育てられる種が多く存在します。水分を自ら蓄えるため水やりは毎日行う必要がなくローメンテナンスで、初心者でも比較的育てやすいのはサボテンの大きな魅力ですよね。
ただし、サボテンの置き場所には少し注意が必要です。湿気を嫌うため、屋外、屋内とも風通しのよい場所で育てましょう。また、屋外で育てる場合には、雨に直接当たらないように注意しましょう。
サボテンは生長のスピードが非常にゆっくりなので、年数をかけのんびりと育てることができるのもサボテンの魅力のひとつです。一見、生長していないように見えるサボテンでもよく見ると、花の蕾をつけていたり、少しずつ大きくなっていたりすることに気づくはずです。忙しい日々を送る現代の人にとって、サボテンのあるドライガーデンのお庭は、日々の中に癒しを見つけられる、オアシスのような存在になるのかもしれませんね。
☝クールでたくましい姿に魅せられる
サボテンはその特異な姿や、鋭くいかついトゲなどから、アメリカ東部の広大な赤い大地の土っぽさや、西部開拓時代のワイルドな時の中でたくましく生きる姿を思い描く方も多いのではないのでしょうか。荒々しい大地の中で、環境に負けないよう進化を遂げ生き抜いてきた姿は、たくましさを感じさせ、多種多様な個性を持っています。この個性的で、過酷な環境に負けず、たくましく生きてきたにもかかわらず、見た目はどこかクールな印象の姿に人々は魅せらる。これこそがサボテンにハマる人が多い理由なのではないかと思います。
サボテンの育て方
置き場所
寒さに弱い種類
春~秋:風通しのよい、雨があたらない戸外のひなた
冬:霜や雨のあたらない戸外のひなた(気温が5℃以下になる場合は室内の窓近く、戸外の場合は簡易温室)
寒さに強い種類
春~秋:風通しのよい、雨があたらない戸外のひなた
冬:霜や雨のあたらない戸外のひなた(気温が0℃以下になる場合は室内の窓近く、戸外の場合は簡易温室)
水やり
春~秋:土が内部まで乾いたらたっぷりと与える。
冬:休眠期となるため水やりの頻度を減らす。土が内部まで乾いたら2~3日後にあたえる。12月下旬~2月までは断水もしくは、月2回程度、暖かい日の午前中に表土を湿らせる程度与える。
注意する病害虫
春~秋:カイガラムシ
※気付いたら、綿棒やピンセットなどで取り除きましょう。
春~秋:アブラムシ
※風通しの良い環境で育てることで発生を予防できます。発生したら、園芸用の駆除剤で防除しましょう。
春~秋:ナメクジ
※園芸用のナメクジ駆除剤で防除しましょう。
夏~秋:アカダニ
※薬剤で繰り返し防除しましょう。
年間:赤腐病、黒腐病
※腐ってしまった部分をすべて取り除き、傷口を殺菌消毒しましょう。
さらに詳しいサボテンの育て方は下記の記事にも記載しています!参考にしてくださいね。
サボテンの自生地
サボテンは南北アメリカ大陸で広く自生しています。
サボテンの自生地の環境は?
フェニックス(アメリカ・アリゾナ州)
緯度:33.43°N / 経度: 112.02°W 高度: 344(m)
月平均気温 | 月降水量 | |
1月 | 13.8℃ | 22.9m |
2月 | 15.6℃ | 23.0mm |
3月 | 19.0℃ | 22.9mm |
4月 | 22.8℃ | 5.9mm |
5月 | 27.8℃ | 3.2mm |
6月 | 33.0℃ | 0.6mm |
7月 | 35.2℃ | 23.1mm |
8月 | 34.6℃ | 23.7mm |
9月 | 31.8℃ | 15.1mm |
10月 | 25.2℃ | 14.8mm |
11月 | 18.3℃ | 16.1mm |
12月 | 13.2℃ | 19.3mm |
上記の表は、サボテンの自生地のひとつである、アメリカ、アリゾナ州のフェニックスの月平均気温と月降水量です。
アメリカのフェニックスは、一年を通して降水量が少なく、よく晴れ乾燥した気候が続きます。
降水量は、フェニックスが7月は23.1mm、8月は23.7mmで、サボテンは暑さには強い植物ではありますが、日本の蒸し暑さは苦手です。日本ではフェニックスと比べ、年間を通して降水量が多く、夏は湿度も高くなるため、地植えで育てるためには、風通しがよく、多少の雨であれば傷まず育つ、強健な種類のサボテンを選ぶ必要があります。
また、フェニックスは夏は非常に暑く40℃を超えることもあり、冬は温暖な気候です。夏と冬の気温差は大きですが、フェニックスは年間を通して平均気温が10℃以下になることはありません。対して東京以西でも12~3月は平均気温が10℃以下になります。サボテンを含めた、乾燥地帯に自生する植物は寒さには弱い傾向にあります。地植えで育てる場合には、寒さに比較的強い品種を選ぶようにしましょう。
サボテンの種類
サボテンには2,000種類以上の種類があるといわれています。ここでは、10種のサボテンをピックアップしご紹介していきます。
ご紹介するサボテン以外にもたくさんの種類があり、種類によってその個性は様々です。ぜひ、お気に入りのサボテンを見つけてみてくださいね。
【玉型サボテン】アストロフィツム・アステリアス/兜丸(かぶとまる)
学名:Astrophytum asterias
原産地:アメリカ南西部、メキシコ北東部
耐寒性:弱い
ウニのようなサボテンといわれていて、トゲは持たず、独特の「棘座(しざ=アレオーレ)」を持つ人気のサボテン。
【柱サボテン】翁丸(おきなまる)
学名:Cephalocereus senilis
原産地:メキシコ東部
耐寒性:弱い
野生では200年ほど生きる、長寿なサボテンですが、原産地のメキシコ東部では絶滅の危機に瀕してる。夏に黄色がかった白または薄いピンクの花を咲かせる。
【柱サボテン】カーネギア・ギガンティア/弁慶柱(ベンケイチュウ)
学名:Cereus giganteus,Carnegiea gigantea
原産地:アメリカ南西部、メキシコ北西部
耐寒性:弱い
最も有名な、巨大な柱サボテン。生長すると10メートル以上にもなるが、生長スピードは遅く年に数センチしか伸びないが、丈夫で育てやすい。
【ウチワサボテン】金烏帽子(キンエボシ)
学名:Opuntia microdasy
原産地:メキシコ
耐寒性:弱い
とても細かいトゲをたくさんつけるウチワサボテン。新芽部分がウサギの耳のように見えることから「ゴールデンバニー」とも呼ばれる。
【玉型サボテン】金手毬(きんてまり)
学名:Mammillaria elongata
原産地:メキシコ
耐寒性:弱い
まるっとした細い円筒型がかわいいサボテン。トゲはうっすら金色をしており、そり返るような形が特徴的。
【柱サボテン】ケレウス・ヒルメニアナス/鬼面角(きめんかく)
学名:Cereus hildmannianus
原産地:ブラジル南東部、アルゼンチン
耐寒性:強い
サボテンの特徴ともいえるトゲはほとんどつけない。柱サボテンの中でも人気の品種。暑さ、乾燥に強く育てやすい。
【玉型サボテン】コピアポア・クラインジア-ナ/雷血丸(らいけつまる)
学名:Copiapoa krainziana var. scopulina
原産地:チリ北部
耐寒性:弱い
やわらかい真っ白なトゲに覆われている、チリ北部の限られた場所にのみ自生するレアな種。
【玉型サボテン】ゴールデンバレルカクタス/金鯱サボテン(きんしゃちさぼてん)
学名:Echinocactus grusonii
原産地:メキシコ、アメリカ南西部
耐寒性:弱い
コロンとしたかわいい丸みと黄金色のトゲが特徴的。日本では広く流通している。真夏の直射日光は苦手で葉焼けをおこすことも。
【玉型サボテン】コリファンタ・エレファントイデンス・ブマンマ/天司丸(てんしまる)
学名:Coryphantha elephantidens subsp. bumamma
原産地:メキシコ南西部
耐寒性:弱い
玉型サボテン。晩夏から秋にかけ黄色の花が咲く。とても丈夫で高温にも耐え、耐寒性にも強くとても丈夫。
【玉型サボテン】フェロカクタス/鯱頭(しゃちがしら)
学名:Ferocactus cylindraceus
原産地:アメリカ南部、メキシコ(バハ・カルフォルニア半島、ソラノ州)
耐寒性:弱い
球体を覆う赤、グレー、黄色で構成されるトゲが美しい。昼夜の温度差が大きいほどトゲは鮮やかになる。
0℃まで:弱い
-1から-5℃まで:比較的強い
-6℃以下:強い
サボテンを使ったドライガーデンのお庭
ここからはサボテンを使ったドライガーデンのお庭づくりについて紹介していきます。
サボテンや多肉植物など、主に砂漠地帯などの乾燥地帯で育つ植物と、乾燥した砂利や石などを使うことで、シンプルでモダンな雰囲気をつくるお庭のことをドライガーデンと言います。
乾燥地帯の植物の他に、オーストラリアやニュージーランドなどの南半球に自生する、柔らかい印象のオージープランツ(オーストラリアンプランツ)を植栽したり、個性的な見た目の植物を取り入れることで、他のお庭とは一味違った、クールで個性的なお庭にすることができます。
都市部や狭いスペースでも楽しむことができ、また水やりなどの日々のお手入れが簡単なローメンテナンスのお庭というメリットがドライガーデンにはあり、ガーデニングの新しいスタイルとして注目されています。お気に入りの植物を用いて、自分だけのオリジナルなドライガーデンを作ることで、癒しやリラックスを感じることができます。
①玉型サボテンをメインにつくるドライガーデンのお庭
ゴールデンバレルカクタス/金鯱サボテン(きんしゃちさぼてん)や金手毬(きんてまり)などのまるっとした形がかわいらしい印象の玉型サボテンは、アガベやユッカとの相性が抜群です。赤茶色の砂利や岩を使うと、乾燥地帯の荒々しい雰囲気のカッコいいお庭に。グレーの砂利や岩を使うと、植物の瑞々しいグリーンとグレーの色合いがスタイリッシュでクールな雰囲気のお庭に。どちらもお洒落でカッコいいドライガーデンのお庭になりますよ!
②柱サボテンをメインにつくるドライガーデンのお庭
お庭のスペースが小さくて多くの植物を植えられないという方は、柱サボテンをメインにドライガーデンのお庭をつくるのがおすすめです。
スペースの小さい、玄関や門まわりに、高さがあり、見た目のインパクトが強いカーネギア・ギガンティア/弁慶柱(ベンケイチュウ)などの柱サボテンをメインにドライガーデンのお庭をつくるのがおすすめです。
柱サボテンは、高さのある種類が多いので、玉型サボテンとの組合せもおすすめですよ。柱サボテンと玉型サボテン、そしてアガベなどの植物を組合せればオリジナルの素敵で、しかもローメンテナンスなドライガーデンに。
③ウチワサボテンをメインにつくるドライガーデンのお庭
金烏帽子(キンエボシ)などのウチワサボテンのお庭は、ジャンルにとらわれずエキゾチックな雰囲気のお庭をつくりたい方におすすめ。
玉型サボテンや柱サボテンにはない、なんともいえないエキゾチックな雰囲気を醸し出し、海外のカフェやホテルのロビーなどお洒落な空間を思わせるドライガーデンに。ドラセナやニューサイランなど葉が細長く美しい植物との相性も抜群で、クールでお洒落なドライガーデンになりますよ。
サボテンでクールでカッコいいドライガーデンのお庭をつくるには
ここまで、サボテンの魅力やサボテンを使ったドライガーデンのお庭づくりを紹介してきました。
サボテンを使ったドライガーデンのお庭をつくるには、以下のようなことをあらかじめ調べたり、考えておかなくてはなりません。
・お住まいのエリアの生育環境
☝お住まいのエリアによって耐寒性や耐暑性は異なります。お庭づくりをした後に、住まいのエリアの生育環境にあわない品種のサボテンや植物だった…なんてことのないように事前にしっかり調べておくことが必要です。
・サボテンを植栽する場所やお庭のデザイン
☝お気に入りの品種のサボテンを用意しても、植栽する場所の環境やスペースにあわず、上手く育たなかったり、とりあえず植えてみたけど思っていたより大きく生長してしまい、お庭のバランスが悪くなってしまった…なんてことになってしまったら残念ですよね。
・サボテンを購入する場所や方法
☝サボテンは、比較的手に入りやすい植物ですが、品種によっては希少なものもあり、ホームセンターなどでは手に入らないものもあります。希少なものは、一般的には、インターネットのオンラインショップなどで購入する場合が多いですが、写真とは異なる商品を販売したり、説明欄の記載と異なる商品が送られてくるような、悪質なオンラインショップもあるので注意が必要です。特に希少な品種のサボテンを安価で販売している場合、説明欄に安価で販売している理由の記載あれば別ですが、実際には見た目が悪かったり、発育が悪い粗悪品が送られてくるなんてこともありますので注意しましょう。オンラインショップでの植物の購入は、実際に自分の目で見て購入ができない分、信頼して購入できるショップを選ぶことも大切です。
お庭のデザインを考えたり、希少な品種のサボテンを状態よく準備するのは、なるべく楽にお庭づくりをしたい方にはハードルの高い作業です。お庭をつくりたいと思っても、実際には何から始めたらいいのかわからないという、初心者の方も多いのではないでしょうか。
そんな時に頼れるのは、造園業者やお庭づくりを専門に行っている業者です。プロならではの豊富な知識と、確かな技術であなたの理想のお庭づくりが叶うでしょう。
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事前にお庭の日の当たり方や風の通りなど、生育環境を確認し、サボテンが育つドライガーデンのお庭をデザインし、ご提案から施工まで行います。
希望が上手く伝えられない、サボテンのことはよくわからないという方は、すべておまかせでも大丈夫です!造園のプロが植物の日々のお手入れなどについても、丁寧にアドバイスし、皆様の素敵なガーデンライフをサポートいたします。
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2024年1月25日