マイホームを検討する際に、まずは、新築一戸建てにするかマンションにするかで迷うことでしょう。ところが最近では、その2択以外に「中古一戸建て住宅」というワードをよく見聞きするようになりました。新築でなくてもお好みに合わせてリフォームやリノベーションできるという新たな選択肢が増えると同時に、建物自体はもちろんのことお庭に対する疑問や不安も新たに生まれますね。こちらの記事では、中古住宅ならではの代表的な庭リフォームのお悩み例をあげますので、中古住宅を購入する方や購入してお困りの方は参考にしてくださいね。
目次
中古住宅が人気の理由
中古住宅は新築より安い!
中古住宅なら人気の地区に住めるかも?!
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例①大木の伐採
・伐採及び剪定(松など)
・残していい木とそうでない木の見分け方
・伐採の際のお清めは?
・伐根の必要性
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例②庭石
・庭石の移動
・庭石の撤去
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例③雑草対策
・ふと気づいたら草ボーボー
・雑草は庭リフォームで解決です!
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例④野良猫対策
・野良猫の深刻な被害
・野良猫対策
中古住宅が人気の理由
中古住宅は新築より安い!
何といっても、中古住宅のメリットは、新築一戸建てを購入するより安いということです。一般的に2割~5割安いと言われています。新築で想定していたよりも広さや間取りなど条件の良い物件を購入できる可能性も高まります。また中古住宅にすることで、浮いた予算分を新生活に回したり、リフォームすることで内装などこだわりの部分を好みに仕上げたり、庭リフォームに回すこともできますよね。近頃では古民家がブームになっているところからも分かる通り、リフォームやリノベーション次第では、新築物件にはない、味わい深い住処となるところが魅力的です。
中古住宅なら、既存住宅の使えるところや良いところはそのまま利用して、老朽化した部分や好みで無い部分をリフォームしたり、手を加えることによって自分だけのオンリーワンの一戸建てができあがります。
中古住宅なら人気の地区に住めるかも?!
交通の便がよい場所や、治安がよく閑静な住宅街、小学校や病院まで徒歩数分の距離など、人気のある地域にマイホームを建てたいと思う方は多いと思います。そういった土地は人気があるので倍率も高く、更地を探してもなかなかご縁がないことも多いと思います。しかし中古住宅という選択肢があれば、憧れの人気の地区に一戸建てマイホームを持つことも可能かもしれませんよ。
ただし、マンションと違って一戸建ての中古住宅には建物だけでなく、庭もセットで付いてきます。立地や間取り、建物ばかりに気を取られて「庭は後から何とかしよう」と思って購入したら、意外なお悩みもセットで付いてくるなんてこも起こりえます。
ここからは中古住宅購入の際の「庭のリフォームのお悩み例」についてご紹介します。
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例①大木の伐採
購入した中古住宅の庭に元々生えていた樹木。家主が去った後、手入れをされない期間が長いと、木々が生い茂り、まるでジャングルの様になってしまうケースがよくあります。木が大木になりすぎると、マイホームに日光が入らず薄暗くなるだけでなく、枝が電線に引っかかったり、隣家を落ち葉で散らかしてしまったり、隣近所への迷惑にもなりかねません。これでは困りますよね。
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伐採及び剪定(松など)
まず「伐採」と「剪定」の言葉の意味ですが、「伐採」とは、樹木を根元から切り取り、撤去することです。「剪定」とは大きく育ちすぎた木を切り詰めてサイズダウンしたり、花芽や新芽を出させたり、見映えよく成長させるために整えるカット方法のことです。好みの樹木が、人の動線の邪魔にならない場所に生えているならば、「剪定」してスッキリさせて大切に育てましょう。
ご自身で剪定することが可能な木もありますが、切り枝の処分に困って結局プロに依頼した方が早く片付くなんてことも良くあるので、残したい木ならなおさら造園のプロに依頼して、今後のお手入方法についてもしっかりレクチャーしてもううのもアリですね。
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中古住宅に元々植わっていたよく知らない木に、特に思い入れがないなら「伐採」の対象にしてもよいと思います。昔の住宅では木を茂らせて、クローズド外構のようにして人目を遮る、少し薄暗い感じが好ましかったようですが、現代風の庭は日当たりがよく、外部からの目をあまり遮らないオープンな外構が主流になっています。伐採や剪定をしてすっきりさせれば、明るく風通しもよく、アプローチが広く感じますよ。
残していい木とそうでない木の見分け方
せっかく生えている木をすべて伐採するのは忍びないのであれば、残せるものは残して、どうしても邪魔になるものは伐採するという選択でもいいと思います。では、どれが残していい木で、どれが残さない方がよい木なのでしょうか。
もちろん家主のお好みにもよりますが、一般的に言って、人の動線の邪魔になる木や、土地に対して大きすぎる木はふさわしくないでしょう。住宅を洋風にまとめるなら、オタフクナンテンやモミジなど洋館にも似合う低中木や、高木ならアオダモなど成長が緩慢なものを残すとよいでしょう。
松などの和風の大木で、洋館にはあまり似つかわしくないなら撤去の対象かもしれません。また、マツに関しては根が地中深くまで張り、やっかいなので要らなければ後回しにせず、外構エクステリアを庭リフォームする前に早い段階で伐根することをおすすめします。どうしても抜きたくない場合は木を避けてウッドデッキなどをこしらえるという方法もありますので、庭リフォーム業者におたずねくださいね。
伐採の際のお清めは?
ともすれば私たちよりも長く生きてきたであろう大木を、自分たちの都合で伐採するのは気が引け「何か良くないことが起こるのでは?」と心配になる気持ちも分かります。とくに宗教や信仰を持っていなくても、自然に対する崇拝や畏怖は日本人なら誰の心にもあるものです。伐採後の偶然の病気や不慮の事故に遭った時に「伐採のせいでは?」と勘違いして気に病むくらいなら、最初からお清めするといいでしょう。
庭リフォームの見積もりを取る際に、庭リフォーム専門業者に伐採の供養の旨を相談すれば、工事と一緒にお払いの手配を取ってくれるところがほとんどです。お清めした塩とお酒で、自分たちで略式のお払いすれば低予算で済みますよ。心配ならば神社に依頼して神主さんに来てもらえば本格的な供養となり安心して暮らすことができます。
伐根の必要性
樹木の伐採後、地表に切り株が出ていてもさほど気にならず、放置しても問題ないと思いがちですが、切り株になった状態でも根は成長しています。成長した根が侵入し植栽の肥料分を吸い取ってしまうと、植栽が負けて貧弱になったり、腐った切り株にシロアリが湧いたりすることもありますので、基本的には要らない切り株は伐根、撤去が望ましいと考えます。
樹木のトラブルというと植木屋さんにお願いするイメージがありますが、伐根となると、太い根が地中に張り巡らされていますので、重機を入れないと取り除くことができません。植木のみを扱う職人さんに依頼するよりも、いっそのこと庭リフォーム専門店で、フェンスやテラスなどの外構を造るついでに伐根も依頼したほうが、重機の手配などが二度手間にならず、素早く低予算でできますよ。
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例②庭石
庭石の移動
古い住宅にありがちな。大きな庭石。庭リフォームでカーポートなどのエクステリアを作る際に邪魔になるようなら移動しましょう。しかし、日本庭園にある庭石は数百キロどころか数トンの重さの石もあり、手間がかかるためコストもかかります。あまりにも大きいものだと業者によっては断られることもあるようです。まずは庭リフォーム業者に、庭石の移動は可能か相談し、見積もりを取りましょう。
重機が入れる場所なら、ユンボで掘り出し、ユニック(小型クレーンが付いたトラック)で釣り上げることができますが、重機が入れないような狭い場所であれば、三脚を立ててチェーンブロックで吊り下げ移動したり、板とブロックで「てこの原理」で移動したり、丈夫な布の上に載せて、4人で四隅を持ち上げて移動するので手間がかかります。
庭石の撤去
これから庭リフォームでエクステリアを造るのに、庭石が邪魔になってしまうような場合は撤去しましょう。捨てるにはもったいないような立派な石は、あわよくば買い取ってもらえたら・・・と考えてしまいますね。残念ながら、昔ながらの和風庭園を好む人が少なくなった今では、庭石の買取りは難しいのが実情です。自分が要らなかったように、需要がほとんど無いことに加え、そのまま持ち帰るには移動するのに専用の重機が必要になり、コストがかさんでしまうので、無料で引き取ってくれるなら御の字といったところでしょう。
庭石の撤去費用は、サイズや地理など諸条件により変わってきますが、撤去作業代金にプラスして処分費用が掛かります。庭石の大きさにもよりますが、およそ20万円~100万円ほどかかる場合もあるようです。先に記した庭石の移動同様、重機が入れる場所であればユニックで釣り上げて運びますが、車が入れない場所で、持ち上げられないサイズの庭石だった場合、粉砕してから運ぶことがありますので、更に工賃がかかります。
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例③雑草対策
ふと気づいたら草ボーボー
お庭の悩みといえば、にっくき雑草です。いざ引っ越してバタバタと忙しく過ごしていると、地中に眠っていた雑草の種が、にょきにょきと生え、気付いたら草ボーボーになって、びっくりすることでしょう。中古住宅として販売中は、買い手が付くまでは不動産業者がまめに除草剤をまいたり、草取りをしたりしてきれいになっていたので気付かなかったと思いますが、築年数の古い中古物件では、庭は土のままであまり防草対策はされていないケースがよくあります。
庭リフォームで防草対策を!
念願のマイホームで、定期的に草抜きをしたり、除草剤を撒いたりするなんて、忙しい皆さんにとっては時間の無駄以外の何物でもありません。雑草対策は庭リフォームで解決しましょう!専門業者に依頼すれば予算や希望に合わせて色々な防草対策を提案してくれます。
防草シートを引いて本物と見まがうような質感の人工芝を敷いたり、カーポートをコンクリート土間にしたり、玄関アプローチをレンガやインターロッキング、砂利などで舗装したりすると、新築住宅同様、きれいに仕上がります。
▶【庭リフォームで雑草対策!草取り作業が楽になる5つの防草方法】の記事はこちら
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例④野良猫対策
野良猫の深刻な被害
中古住宅が、長らく空き家になっていると、どこからか野良猫が侵入し、子猫を産み育てていることがしばしばあります。 仔猫がかわいいからと、飼うつもりもないのに餌を与えるのはNGです。気まぐれな餌付けのせいで、鳴き声や野良猫のフン、車を汚すなどといった被害でご近所に迷惑がかかってしまいます。
野良猫対策は行政機関に相談も
野良猫の対策としては、猫が嫌がる音波が出る機械を設置する、トウガラシや木酢液など嫌いな臭いがする忌避剤を置くのも一つの方法です。昔ながらのペットボトルを置く方法は、見栄えが良くないですし、あまり効果がないようなのでおすすめしません。絶対にしてはいけないのが、猫を虐待することです。虐待とみなされると動物の愛護及び管理に関する法律に基づき処罰されますし、ご近所からの社会的信用まで失うことになります。
無事に野良猫を追い払ってご自宅に被害がなくなったとしても、根本的な解決にはなりません。野良犬と違い野良猫は行政が捕獲することはありませんので、一時的に居なくなってもまた戻ってきたり、寝ぐらをご近所に移動しただけなんてことも。まずはお住いの自治体で猫の保護活動をしている団体はないか探してみましょう。また、飼主のいない猫の不妊・去勢手術費用を自治体が一部負担してくれるかもしれませんので市のHPで調べてみましょう。
■岡山県「地域猫活動における不妊去勢手術の助成金交付について」 ◀岡山県HPより
■広島県「地域猫活動について – 広島県動物愛護センター」 ◀広島県HPより
中古住宅購入の際の庭リフォームのお悩み例⑤セットバック
中古住宅には「セットバックあり」などと但し書きされていることがあります。セットバックとは、「今後建て直すときがきたら家を後退して建ててくださいね」という取り決めです。なぜセットバック条件が付いた物件があるのかというと、「住宅に接する道路は(消防車が入れるように)道路を4mの幅にする」という法律があるためです。
その取り決めができる以前からある古い町並みでは、幅4m以下の道路がたくさん存在します。そういった極端に狭い道路のことを「二項道路」と呼びます。(建築基準法42条第2項に定められていることから名付けられました)
二項道路に接した中古住宅を購入した際に、家を建て直すとなると引っ込めて建てなくてはならず、敷地が小さくなってしまい、当然ながら庭や外構にも影響してきます。中古物件をいずれ更地にして建て直すつもりならば、今フェンスや敷石を庭リフォームしても撤去しなければならない日が来るかもしれません。中古住宅を購入する際は、隣接する道路もしっかり確認して吟味しましょう。
まとめ
空き家問題が社会現象になっている昨今、注目され始めた中古住宅ですが、いかがでしたでしょうか。要らない大木や庭石を撤去できれば、あとは新築時の庭リフォームと何ら変わりはないようですね。住宅の価値は築20年と言われていますが、それは住宅の税法上の価値が0円になるというだけで、まったく住めなくなるわけではありません。古民家住宅も自分好みにリノベーションすれば、カフェのようにおしゃれに仕上げることも可能です。
また外的な要因から生活の中の「おうち時間」を重視する傾向にある近年では、庭も「第2のリビング」として有効活用する人が多く、その活用方法や施工のバリエイションも様々です。まずは庭リフォーム専門業者に現地を見に来てもらい、中古住宅で快適に暮らせるようにアドバイスをもらいましょう。