家を購入したときに外構工事が手付かずだった人や、一戸建てを手に入れてから年月が経った人など、自分の好みを反映させた庭にリフォームしたいという需要が増加しています。
家族の成長や生活の変化にともない、「庭の草抜きが負担になってきた」「退職したので家庭菜園を楽しみたい」という人や、「子供を遊ばせるウッドデッキが欲しい」「子供が車の免許を取ったので駐車場を広げたい」という人など、自宅の庭に対する希望は様々です。
庭のリフォームでは、芝生や砂利敷きへの変更、花壇やウッドデッキの設置、カーポートやフェンスの設置など様々な外構工事を行います。業者に依頼するときには、おおまかな素材の特徴や費用相場を知っておくと、説明がスムーズになります。
この記事では庭リフォームの費用相場について、それぞれの素材・設備の特徴とともに詳しく解説します。
目次
1.庭の地面のリフォーム
1-1.芝生の特徴と費用相場
1-2.砂利の特徴と費用相場
1-3.レンガ舗装の特徴と費用相場
1-4.コンクリート舗装の特徴と費用相場
1-5.花壇・家庭菜園の特徴と費用相場
1-6.植栽の特徴と費用相場
2.ウッドデッキ・階段・フェンスのリフォーム
2-1.ウッドデッキの特徴と費用相場
2-2.階段の特徴と費用相場
2-3.フェンスの特徴と費用相場
3.複数の箇所をリフォームしたい場合の費用は?
4.プロに相談する前にできることは?
1.庭の地面のリフォーム
新築のお家では、庭の地面は造成したそのままなら真砂土が敷かれていることが多く、放っておくと雑草が生えてきたり、小さい子供が転んで怪我をする、といった不安があります。また、野菜や植物を育てようとしても、真砂土のままでは上手く育たないこともあります。
そこで、雑草が生えにくい砂利や、子供が転んでも怪我をしにくい芝生、家庭菜園や花壇に適した土を入れるなど、庭のリフォームをすることで家族が快適に過ごせるようになります。
まずは庭の地面のリフォームに使われる素材ごとの特徴と費用相場を見ていきましょう。
1-1.芝生の特徴と費用相場
芝生には天然芝と人工芝の2種類があります。それぞれ特徴が異なり、メリット・デメリットもあります。
天然芝は葉が柔らかく、密集して生えているため天然のクッション性があり、子供が転んでも真砂土の場合より怪我をしにくく安心です。
ただし、天然芝には定期的な芝刈りや病害虫対策などのメンテナンスが必要になります。種類によっては夏の暑さや冬の寒さに弱かったり、梅雨時に痛んで剥げてしまう場合もあります。
人工芝は、ポリエチレンなどの人工素材で作られています。葉の長さも変わらず病害虫もつかないため、メンテナンスは不要です。しかし、天然芝と比べると葉の柔らかさや見た目に違和感を感じる場合もあります。
芝生の費用相場は、施工費用も含めると1平方メートルあたり天然芝約4,000円〜、人工芝は約5,000円〜です。
庭の水はけが極端に悪いなど、芝生の生育に適していない土地の場合は、土壌改良や暗渠排水などの費用が別途かかります。
1-2.砂利の特徴と費用相場
砂利は用途によって形状や粒の大きさが異なり、さらに色でも分別して販売されています。
雑草対策や防犯対策に使われる砕石系の砂利や、見た目が美しく庭園の素材として使用する玉砂利、ロックガーデンやドライガーデンに使用するカラー砂利などの種類があります。レンガやセラミックをリサイクルした砂利もあり、使用する砂利の種類によって価格は変わります。
砂利の費用相場は、1平方メートルあたり約4,500円〜です。庭の地面にそのまま砂利を敷くと踏圧で砂利が徐々に地面に沈み込んでいくため、防草シートを敷設した上に砂利敷き施工するのが一般的です。
1-3.レンガ舗装の特徴と費用相場
玄関アプローチや庭園の歩道、テラスゾーンなどにレンガを敷くと、自然とゾーニングができておしゃれな庭になりますね。花壇やグランドカバーを踏まないように、人の導線をコントロールできるメリットもあります。
レンガ舗装の費用相場は、1平方メートルあたり約15,000円〜です。
芝生や砂利に比べて費用相場が高くなってしまうので、歩道やテラスなど庭の一部にバランスよく導入するのがおすすめです。庭全体をレンガ敷きにするより、費用を大幅に抑えることができます。
1-4.コンクリート舗装の特徴と費用相場
駐車場や玄関アプローチ、テラスゾーンなど、雑草対策や雨の日の利便性のためコンクリート舗装をするお宅は多いですね。
雑草が生えずおしゃれな景観にもなりますが、庭を全面コンクリート舗装にしてしまうと、夏場の太陽の照り返しで家の中の温度が上昇してしまう場合があり、注意が必要です。
コンクリート舗装の費用相場は、1平方メートルあたり約8,000円〜、洗い出し加工は約13,000円~です。玄関スロープなどでは、滑り止めのためコンクリートに洗い出し加工を施す場合もあります。
砂利敷きの駐車場をコンクリート舗装にリフォームするなど、コンクリートを施工する地面にあらかじめ撤去が必要なものがある場合は、別途費用がかかります。
1-5.花壇・家庭菜園の特徴と費用相場
子供の食育や余暇の楽しみに、庭の一角に花壇や家庭菜園を作って花や野菜を育てたいという家庭も増えています。
新築のお家では土地の造成に真砂土を入れる場合が多く、庭の土はそのままでは花壇や畑に向いていない土壌といえるでしよう。
花壇や家庭菜園を設置する場合、レンガやコンクリートブロックなどで枠を作り、その中に新しく畑に適した黒土などを入れるか、庭の土を土壌改良するための腐葉土などを追加します。
花壇・家庭菜園の費用相場は、1平方メートルあたり約8,000円~です。これには花や野菜の苗は含まれません。
土を入れる枠に使う素材をプラスチックや発泡スチロール等に変更し、費用を安く抑えることもできます。
1-6.植栽の特徴と費用相場
庭や玄関まわりの雰囲気を変えるには、シンボルツリーや寄せ植えなど、植栽も有効な手段です。
植える植物によって、季節ごとの雰囲気や成長速度、お手入れのしやすさなどが異なります。自分で様々な樹木の特性や育て方を調べるのは大変なので、植栽はプロの業者にいくつかプランを提案してもらうのがおすすめです。
自然な風景が楽しめる雑木の庭や、手間のかからない乾燥地帯の植物を用いたドライガーデンなど、施工例の写真を見てイメージすると良いでしょう。家族で「どんな植物がいいかな」と選ぶ工程も楽しめますね。
植栽の費用相場は、樹木1本あたり約10,000円~です。植物の代金とは別に、土壌改良や植え込みの作業代等も必要になりますので、トータルで約50,000円〜になる場合が多いです。
2.ウッドデッキ・階段・フェンスのリフォーム
リビングから続くウッドデッキで子供を遊ばせたい、足腰が弱ってきたので玄関の階段の高さを変えたい、防犯のために外から見えにくいフェンスを立てたいなど、家族の生活に直結したリフォームの需要も増えています。
ウッドデッキ・階段・フェンスなどの構築物は、素材によって費用が大きく変わります。複数のパターンで見積もりを比較してから決めるのがおすすめです。
ウッドデッキ・階段・フェンスのリフォームで、素材ごとの特徴と費用相場を見ていきましょう。
2-1.ウッドデッキの特徴と費用相場
【画像出典 https://www.lixil.co.jp】
ウッドデッキに使われる素材は、天然木と人工木があります。それぞれ種類が豊富なので、腐食への強さやシロアリのつきにくさなど、設置場所の日当たりや屋根の有無などを考慮して決めると良いでしょう。
費用相場は、1平方メートルあたり天然木が約18,000円~、人工木が約25,000円~です。
天然木のウッドデッキの特徴は、自然な木の風合いがあり、経年変化で独特の味わいが楽しめる点です。しかし、天然素材のため腐食が進んだり、シロアリが発生しやすいなどのデメリットがあります。
人工木のウッドデッキは、樹脂と木粉が原材料であるため、腐食が遅い、シロアリがつきにくいなど、管理が楽なのが特徴です。ただし、風合いや見た目の点では天然木に劣りますし、天然木より衝撃に弱いので注意が必要です。
ウッドデッキは、安定が悪いうえに足元から腐食しやすくなるため、地面に直接置くことは避けましょう。設置場所には土台が必要です。
コンクリート等の舗装がなく、芝生や地面の上に直接設置する場合は、ウッドデッキの足と地面との間に束石を置く必要があります。束石には1個あたり約5,000円~の費用が別途かかります。
2-2.階段の特徴と費用相場
階段は、玄関だけでなく駐車場や庭の一部に使われている場合もあります。既存の階段の高さを変える、手すりを付ける、雨の日に滑りにくいタイルに張り替えるといった、安全面に配慮したリフォームの需要も高まっています。
階段設置の費用相場は、1平方メートルあたり約8,000円〜です。代表的な素材は大理石、タイル、合板などで、素材によって費用が大きく変わります。
玄関や駐車場、庭の一部など、階段を設置したい場所によって似合う素材は変わります。業者に相談するときは施工例の写真を見せてもらうなどして、完成イメージを考えてみましょう。
2-3.フェンスの特徴と費用相場
【画像出典:YKK AP https://www.ykkap.co.jp】
古くなったコンクリートブロックを風通しの良いフェンスに変えたいという家庭や、新築当初はオープン外構にしていたものの、道路との境界があいまいであったり、目隠しや防犯面を考えて塀やフェンスを追加したいと考える家庭もあります。
フェンス設置の費用相場は1メートルあたり約30,000円~です。フェンスの素材によって材料費が大きく異なります。
フェンスの素材は木、アルミ、スチール、鋳物などが多く、デザイン性を重視したもの、格子状で防犯対策に優れたものなど、様々な種類のフェンスがあります。
フェンスの設置時には、コンクリートや化粧ブロックなどでフェンスの土台を作る基礎工事が必要です。ブロックの高さによって基礎工事の金額が変わります。
3.複数の箇所をリフォームしたい場合の費用は?
家庭菜園や階段など庭の敷地の一部リフォームではなく、芝生と駐車場や、玄関アプローチ全体など、複数の箇所をリフォームしたい場合の費用はどのようになるのでしょうか?
庭のリフォームでは、使用する素材の特徴や設置費用を把握することが大切です。しかし、素人がこれらを自分で調べるには限界があります。複数の箇所や広い面積のリフォームを行う場合、費用の計算も複雑になってきます。
そんなときは、実績豊富な業者に相談して複数のプランを提案してもらう、素材や工事ごとの見積りを出してもらうなど、リフォームにかかる費用をしっかり比較・検討することが大切です。
4.プロに相談する前にできることは?
どのエリアでも、複数のエクステリア専門業者や造園業者がいますが、それぞれに庭づくりの技術やセンスが異なります。
正式な見積もりを依頼する前に、各業者の施工例の写真などを見て「どれくらいの費用で、どんなことができる業者なのか」という当たりをつけておくのも良いでしょう。
また、プロに相談する前に、家族で「どんな庭にしたいか」「リフォームで何が必要か」「今後のメンテナンスにかけられるコストはどれくらいか」というイメージをざっくりと固めておくことも大切です。
各部に使用する素材が変わると金額も変動しますので、「ここは安く済ませたい」「ここは安全面や機能優先で良いものを使いたい」など、リフォームを行う上でこだわる部分を決めておくと迷いが少なくなりますよ。
その上で、人気の素材やおすすめのデザイン、メンテナンスの頻度などをふまえて、実績豊富な全問業者に提案してもらうと良いでしょう。