犬を飼っているご家庭にとって、庭は犬の運動や遊びの場として大切なスペースなのではないでしょうか。もし庭リフォームを検討されているなら、住む人だけでなく犬も安全に過ごせるよう工夫したいですね。今回は、犬と快適に暮らす庭リフォームのポイントをご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。
「庭のお手入れが大変」とお悩みでは?
犬と快適に暮らす庭づくりを考える前に、まずは「庭のお手入のお悩み」から考えていきましょう。
住まいがより豊かになる屋外スペースが庭。でも、春から夏にかけては雑草が伸びやすく、こまめなお手入れをしていなければ、たちまち雑草だらけになってしまう…とお悩みではないでしょうか。また秋冬も落葉の掃除や樹木のお手入れなど、1年を通して何かと手のかかる場所でもあります。
あなたがもし今「庭の維持が大変になってきた…」と感じているなら、思いきってリフォームを検討するタイミングなのかもしれません。たとえば、植栽をできるだけ1か所にまとめる、天然芝から人工芝に変えるなど、お手入れを今よりもっとラクにするアイデアはたくさんあります。せっかく庭リフォームをするなら、「できるだけ手がかからず、心地よく過ごせる庭」をめざしたいですね。
「ナチュラルテイスト」の庭リフォームがおすすめ
建物のイメージにもよりますが、温かみがあり癒される雰囲気がお好みなら、「ナチュラルテイスト」の庭リフォームがおすすめです。
たとえば、木製のガレージやウッドフェンスなど木の温もりが感じられるエクステリアをふんだんに取り入れれば、建物を優しい雰囲気で包み込んでくれるはず。より自然な雰囲気をめざすなら、あえて整えず人の手が入り過ぎていないナチュラルな植栽に仕上げると良いでしょう。さりげなく高低差のある植物を植えてニュアンスのある表情を生み出すのも素敵です。
ウッド調のエクステリアを取り入れる
庭をより美しく使いやすくしてくれるのが、ウッド調のエクステリア。自然に調和しながら、心地良いスペースを生み出してくれます。そのなかでも、特に注目したいのがウッドデッキです。最近では樹脂製でつくられたお手入れしやすいタイプもあるため、天然木に近い上質で温かな雰囲気を屋外でも演出できます。リビングからアクセスできる位置にウッドデッキを設置すれば、屋内外が緩やかに繋がりアウトドアリビングのような使い方もできそう。お茶をしたり、ガーデニングを楽しんだりと暮らしの夢が広がりますね。
岡山の気候にマッチする自然な雰囲気の植栽を
岡山県のキャッチフレーズ「晴れの国岡山」のとおり、岡山県は晴れの日が多いのが特徴です。夏は涼しく冬は暖かいという「瀬戸内式気候」で、全国有数の農業地帯としても知られています。そんな晴れが多い岡山の気候にマッチする、自然の樹木(落葉樹・常緑樹)を取り入れると、ナチュラルな雰囲気をより素敵に演出できるはず。ぜひ樹種や育て方などもご相談ください。
また植栽は、住まいの景観を美しくしてくれるだけでなく防犯面にも役立つものです。外からの視線が気になるなら、少し高さのある木や植物を植えると目隠し効果も期待できますよ。庭リフォームの際には、岡山の気候やお好みのテイストに合う植栽を取り入れてみてはいかがでしょうか。
「犬と快適に暮らす」庭リフォームのポイント
毎日犬の散歩をしていても、「自宅にも、犬が自由に遊べる場所をつくってあげたい」と願う方は多いのではないでしょうか。犬が遊ぶスペースは、住む人だけでなく犬にとっても安心して過ごせるよう配慮することが大切です。犬と快適に暮らす庭リフォームを考える時、知っておきたいポイントをまとめましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
犬の足に優しい庭づくりを
滑りにくい床材がおすすめ
庭の床材を選ぶポイントは、「滑りにくいこと」「清潔に保てること」です。特に滑りやすい床は、犬の足に大きな負担となります。ケガや病気などに繋がらないよう、滑りにくいタイルやノンスリップ加工のものを選ぶようにしましょう。
さらに床材の熱にも注意が必要です。夏場の直射日光に当たると、床材の表面温度が高くなることもあります。日よけや屋根を取り入れたり、こまめな水打ちをしたりなど温度を下げる工夫をしましょう。
先ほどご紹介した「ウッドデッキ」は、ドッグランとして使ったり、家族の憩いの場として楽しんだりなど、使いみちの多い屋外スペース。人工木でつくられたデッキなら、水を流すこともできるため犬が汚してしまっても掃除がラク。ウッドデッキの素材も、滑りにくさやお手入れのしやすさ、熱に配慮されたものを選ぶのがおすすめです。
また、犬の足に優しい芝生も人気。雑草が生えにくくお手入れも比較的ラクな人工芝は、ドッグランに最適です。抗菌効果のあるものやへたりにくいものまでさまざまなタイプがあるので、ぜひお好みの人工芝を探してみてはいかがでしょうか。
段差をなくす
犬は高低差を判断しづらいと言われているため、転落事故にも注意したいところ。また老犬や足の短い犬種にとっては、段差が足腰への負担になります。犬種を問わず安全性を高めるなら段差をできるだけなくすのがベター。
どうしても段差ができてしまう場合は、低めにしたりスロープを設置したりするのが良いでしょう。スロープの幅を広めにすることで、人だけでなく犬も歩きやすく、万一犬の介護が必要になっても手助けしやすくなります。
犬にとって危険な植物を避ける
美しく花壇を彩る草花たちも、犬に害を及ぼすものが少なくありません。犬と安心して暮らせる庭をつくるためには、花壇などに植える植物の種類にも配慮することが大切です。触れただけで皮膚炎などに繋がる植物もあれば、犬が口にしない限り問題ない植物もあります。事前に植える予定の植物について、その特性などを調べておくと安心ですね。
ただ、どんなに気をつけていても飼い主が見ていない時に犬がうっかり草花を食べてしまうことも考えられます。犬が過ごす場所の近くには、植栽や花壇をつくらないのがベターです。
また、花壇に植物を植え替えしている間にも危険が。球根などを食べてしまう危険もあるため、作業中に放置しないよう注意が必要です。さらに、安全な植物でも除草剤や殺虫剤によって危険が伴うことも考えられます。植栽や花壇を犬の遊ぶ場所から離すことが難しい場合には、植栽のまわりに柵を設けるなど犬が入れない工夫をしておくことが大切です。
犬のお手入れに使いやすい「水栓」を
犬と一緒に快適に暮らすために、ぜひ設置しておきたいのが「水栓」です。以下のように、水栓はさまざまな用途で使うため、ぜひ設置を検討してみてください。
・犬の体を洗う
・散歩から帰宅した後の足を洗う
・夏の水遊びに
・屋外で遊んだ子どもの手足を洗う
・ガーデニングの水やりに
大きなサイズの犬も洗いやすいよう、水受けは大きめに、水栓はシャワーと水栓が2口あると便利。庭のイメージに合うおしゃれなデザインの立水栓なら、エクステリアのアクセントとしても素敵です。
水栓の注意点は、水たまりをつくらないことです。水は寄生虫や細菌などの汚染が心配されるため、犬が誤って飲んでしまうと感染症の危険性があります。
また、犬を外で洗う場合は、直射日光が当たらないよう配慮することも大切なポイント。濡れた毛に直射日光が長時間当たることで、やけどのような症状を起こすこともあります。水栓の近くには日除けになるものを用意するよう検討してみてください。
犬が飛び越えないよう「フェンス」でガードを
お庭で犬を遊ばせていると、心配なのが敷地から「脱走」してしまうことなのではないでしょうか。犬が庭から出てしまうと、思わぬ事故に遭う危険や他人に危害を加えてしまう危険も考えられます。
そのためフェンスの設置は必須。犬種やサイズにもよりますが、基本的に犬はジャンプ力があるため飛び越えられない高さのフェンスを庭に設置しておくのが良いでしょう。足を引っ掛けて登れないもの、フェンスと地面の間にすき間ができないものを選ぶのがベターです。
フェンスの高さはどのくらい?
犬の大きさやジャンプ力をふまえ、飛び越えられないフェンスの高さを設定することが大切です。たとえば、小型犬でも犬種によっては100cmを超えるハイジャンプをすることがあります。小さいからといって油断せずに、余裕のある高さを選びましょう。
フェンスのデザインは?
犬のタイプによっては、巧みにフェンスをよじ登ってしまうことがあります。また脱走には至らなくても、犬がフェンスに足をかけることで爪が引っかかりケガをする危険性も。脱走やケガを防ぐためには、「犬が足をかけられないデザイン」を選ぶことも大切なポイントです。たて格子のタイプは犬が足をかけにくいため、犬がよじ登りフェンスを飛び越える危険が少なくなります。また、フェンス下に穴を掘りそのすき間から脱走することも考えられます。フェンスの基礎部分もしっかりと作りましょう。
門扉はどのタイプが良い?
門扉の種類
開き門扉のタイプは取手に手を掛けて開錠してしまうなど、犬が開いてしまうこともあります。犬にとって横に引く動作は前足だけでは難しいため、住まいの門扉は「引き戸」にしておくのがおすすめです。フェンスと同様に、たて格子のデザインは犬が足をかけにくいためよじ登る危険が少なくなり、ケガの防止にも一役買ってくれます。
門扉の開閉の向きは?
引き戸にすることが難しい場合は、「内開き」または「二重扉」にするなどの工夫をしてみてください。フェンスと同様に、門扉本体と地面とのすき間から外に出てしまう場合も考えられるため、すき間をできるだけなくすこと、穴が掘れないようにすることが設置のポイントになります。
日除け対策は万全に
犬が庭で遊ぶときに注意したいのが「熱中症」です。特に暑い日に日当たりの良い場所で過ごしていると、人と同様に犬も熱中症の危険が高まります。そうならないためにも、屋根やターフ、オーニングなどを設置しておくのが良いでしょう。
日除け対策をしておけば、室内への日差しをコントロールすることもできるので住まいもより心地良くなるはずです。また、植栽によって自然な木陰をつくるのも良いアイデア。庭にも日陰をいくつかつくっておくと、犬が涼しい場所を探して移動しながら快適に遊ぶことができそうですね。
また犬が暑さの影響を受ける場所のひとつが床。人よりも地面からの放射熱を受けやすいため、体感温度が高くなると言われています。熱くなった床や路面などを歩くことで、足をやけどする危険もあるため、先ほどもご紹介したとおり、庭に使用する床材は高温にならないタイプを選ぶよう工夫してみてください。
天気を気にせず過ごせる「サンルーム」もおすすめ
庭リフォームを検討するなら、屋外スペースの一角に、天候を気にせず快適に過ごせるサンルームをつくるのもおすすめです。子どもや犬が安心して遊べる場所になるだけでなく、室内干しをするのにも便利なスペース。
また玄関で犬のお手入れをするのは汚れが気になる方にとっても、サンルームは絶好のお世話スペース。散歩後犬の足を拭いてあげるなど、ゆったりとした空間でお手入れをしてあげることができそうですね。
もし敷地や予算に余裕があるなら、サンルームをプラスしてリフォームすることを検討してみてはいかがでしょうか。
庭リフォームで、犬と安心して暮らせる住まいに
庭をリフォームすることで、今よりもっとお手入れがラクに、そして犬が快適に遊ぶスペースができるはず。愛犬と安心して暮らせる庭を実現するためにも、今回ご紹介したポイントを意識して、楽しみながら庭づくりを検討してみてはいかがでしょうか。きっと暮らしの夢が広がるはずですよ。あなたもぜひ、今回ご紹介した庭リフォームのポイントを参考にしてみてくださいね。