シルバープリペットは生垣にも良く使われる人気の常緑樹です。日当たりが良い場所を好みますが、半日陰でも育ちます。また暑さ寒さ共に強く、生長が早いのも特徴で特別な手入れをしなくても花が咲きやすく乾燥に強いため、水やりを行う必要もよっぽど夏時期に雨が降らない日が続い時以外はあげなくても大丈夫なので、初心者でも育てやすい庭木です。
この記事では、シルバープリペットの剪定のコツやポイントを紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
シルバープリペットの特徴
シルバープリペットの剪定道具
シルバープリペットの剪定メリット
シルバープリペットの剪定の時期と剪定方法
シルバープリペットの注意点
シルバープリペットの生垣
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
シルバープリペットの基礎知識
学名:Ligustrum sinense
科名:モクセイ科
分類:常緑低木
原産地:ヨーロッパ・中国
和名:シルバープリペット
別名:セイヨウイボタ
開花期:5月~6月
花色:白
植えつけ時期:真冬、真夏以外ならOK
耐寒性:強い
高さ:1m~4m
成長:早い
シルバープリペットの特徴
シルバープリペットは斑入りの小さな葉と、細い枝を放射状に広げる美しい樹形が人気で、庭木としても好まれて植栽されています。斑の色は真っ白ではなく、クリーム色に近く、葉の色も淡いグリーン色なので、家の外観や、周囲の景観と馴染みやすい樹木です。春から初夏にかけて、香りの良い白くて小さな花を咲かせます。
生育旺盛で生長がとても早く、お手入れをせずに放っておくと3mくらいにまで生長します。庭木として楽しむため、あまり大きくしたくない場合は、定期的な剪定を行いましょう。花を咲かせた後、剪定をせずに放っておくと、黒く小さな実を枝の先にたわわに実らせます。
シルバープリペットの剪定道具
シルバープリペットに負担をかけずに剪定をするためには、適切な道具選びも大切です。
剪定前に、自分にあった使いやすい道具を揃えておきましょう。
基本の道具は下記のものを用意しましょう。
・軍手
・剪定バサミ(植木バサミ)
・刈り込みバサミ
・癒合剤
大きさや重さの違うものが何種類かある剪定道具を選ぶ際は、実際に持ってみて、自分が使いやすく手に馴染むものがおすすめです。
また、剪定道具は使用後、樹液や水分をキレイに拭き取り、よく乾かしておきましょう。樹液や水分がついたまま放置しておくと、切れ味が悪くなったり、錆びてしまったりします。剪定は、樹木にとっては手術のように負担をかけてしまうものです。使用する道具が古かったり、手入れされていないと、必要以上に樹木にストレスを与えてしまい、枯れてしまう原因をつくってしまうかもしれません。また、切れ味の悪いハサミは思わぬ事故やケガを招く恐れがあります。きちんと手入れをすることで、樹木にも自分にも優しい剪定を行うことができます。
シルバープリペットの剪定メリット
生育旺盛で生長が早いシルバープリペットは、手入れをせずに放っておくと3m以上にもなってしまい、見た目も悪くなってしまいます。また、大きくなると道路や隣家の敷地へはみ出してしまい、迷惑をかけてしまうこともあります。そのため、樹形の形を保ち、適宜な大きさを維持するためには、定期的に大きさを整える剪定が必要です。
また病害虫の被害は比較的少ないですが、葉を蛾の幼虫に食べられてしまうことがあります。定期的に剪定を行い、虫の好む日陰や湿気のある場所を作らないようにすることで、シルバープリペットを病害虫から守ることができます。
シルバープリペットの剪定の時期と剪定方法
シルバープリペットの剪定は時期を選びませんが酷暑の8月は避けたほうがいいでしょう。また、秋以降に剪定すると翌年に花が付きにくくなってしまう恐れがあるため、秋以降の剪定はなるべく避けたほうが無難です。
花を楽しみたい場合は、花芽を切ってしまう心配がないよう、花が終わってから秋までに剪定をしましょう。
シルバープリペットは放射状に枝を伸ばしながら成長します。剪定は上下に絡みあったり、曲がったりした枝が多いため、そのままにしておくと風通しが悪くなり害虫の発生の原因になる事があるため思い切って剪定を行うことをおすすめします。その際は剪定バサミよりも刈り込みバサミで思いきって剪定しても大丈夫です。一年に一度は、刈り込みバサミで思い切り剪定すると、全体の広がりを抑えることができます。シルバープリペットはどこを剪定してもすぐに密生するので、もしも剪定を失敗してしまった場合でも、生長が早いため枝がすぐに伸びて復活します。
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5月下旬シルバープリペットの剪定
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剪定1ヵ月後のシルバープリペット
■シルバープリペットを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。ぜひご覧ください。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
シルバープリペットの注意点
シルバープリペットの葉は、白い斑入りという特徴がありますが葉が伸びて、緑色の葉が出てきた場合には切り落としてしまいましょう。実はこの緑色の葉をそのままにしてしまうことで、シルバープリペットの葉の特徴の白い斑がなくなってしまう先祖返り(原種が出てくる)する事があります。緑色の葉は強い性質を持っているため、シルバープリペットの葉が全て緑色になってしまうことで、緑色のプリペットになってしまいます。ただ、これが秋になると綺麗な白い斑が復活する事もあります。ちなみに下の写真は白い斑がなくなってしまったケースです(岡山市南区の生垣)。特に日当たりの悪い場所にあるシルバープリペットが緑一色の葉になってしまいました。葉の白い斑を楽しむためには緑色の葉が生えていないか注意して、生えてきたら斑入りの葉が出ている部分まで切り詰めると、また約3ヶ月後には新しく白い斑入り葉が出てきました。
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白い斑入り葉が戻った状態
シルバープリペットの生垣
生垣にすると柔らかい感じに仕上がるので、庭木で目隠しをしたいけれどあまりカチッと刈り込むのは好きじゃないし洋風の建物やナチュラル系の庭にしたい方にはぴったりだと思います。さらに岡山では5~6月にかけて枝の先に小さな白い花をたくさん咲かせ、花は甘い香りを放つ特徴があります。シルバープリペットは成長すると枝がだんだん上にあがってくるので足元が透けてきます。その時、気になる人は低木と組合わせて目隠しするやり方もあります。
まとめ
シルバープリペットは生長が早く、放置してしまうと大がかりな剪定が必要になります。大がかりな剪定はシルバープリペットにストレスをあたえてしまうため、剪定に慣れていない方が行うと、生長に影響を与えてしまう恐れがあります。また、大がかりな剪定を行った際に出る、葉や木の枝などの大量のゴミを一度に処理するのは大変です。そのため、シルバープリペットの剪定は定期的に行うことをおすすめします。
ご自身での作業に不安のある方は、『プロの剪定業者』に任せるのもいいでしょう。
伸びてきた枝を切り、形を整える程度の比較的簡単な剪定は自分で行い、一年に一度の大がかりな作業の剪定や大範囲におよぶ生垣の剪定は、プロの剪定業者に任せることで、樹木にストレスを与えることなく、また自分自身のケガや作業中の事故などのリスクを回避することができます。
剪定作業をプロの業者に依頼したい方はぜひ、庭のプロ集団『庭.pro』までご相談ください。
シルバープリペットが美しく健康に育つよう、剪定後のお手入れなどのアドバイスも行います。皆様の素敵なお庭づくりのお手伝いができれば幸いです。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎