枝の暴れを少し残す剪定
「ロウバイ(蝋梅)」はロウ細工のように透き通る花びらを持つことからこの名が付けられたと言われています。年明けから2月にかけてのお庭がもっとも寂しい時期に、やわらかく可愛らしい黄色い花と芳香でお庭を明るく華やかに彩ります。
ロウバイは放任しても花が咲くため、剪定を怠ると、株元や幹から徒長枝が出て樹形が乱れ、見苦しくなってしまいます。そのため、混みあった枝を整理し、樹形を整える剪定が必要となります。剪定では、ロウバイの特徴である枝の暴れは残すように心がけると良いでしょう。この記事では、ロウバイの剪定方法やベストなタイミングを紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ロウバイ(蝋梅)の基本情報
ロウバイ(蝋梅)の特徴
ロウバイ(蝋梅)の剪定のタイミング
ロウバイ(蝋梅)の剪定道具
ロウバイ(蝋梅)の剪定メリット
ロウバイ(蝋梅)の剪定方法
↳2月中旬~3月の剪定
↳11月の剪定
ロウバイ(蝋梅)の育て方
ロウバイ(蝋梅)の病害虫
↳アブラムシ
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
ロウバイ(蝋梅)の基本情報
属名:ロウバイ属
科名:ロウバイ科
学名:Chimonanthus praecox
英名:Wintersweet
原産地:中国
樹高:4m
区分:落葉樹、低木
耐暑性:強い
耐寒性:強い
開花期:1月~2月
花色:黄色
用途:シンボルツリーなど
花言葉:ゆかしさ、慈しみ、先導、先見
ロウバイ(蝋梅)の特徴
「ロウバイ」は中国原産の花木で、年明けから2月に透き通る黄色いを咲かせ、花からはよい香りが漂いお庭に一足早い春を運んできてくれます。花木としての利用価値が高く、茶庭によく利用され、和風のお庭や和モダンのお庭のシンボルツリーとしても植栽されます。花は直径約2cmほどで、ロウ細工のような光沢のある花を葉の展開前の1月~2月の落葉時期に、枝に横向きあるいは下向きについて開花します。花は黄色で中心が暗紫色でよく香ります。葉は単葉で対生です。葉身は長さ8~15cmほどです。6月~7月頃に3cmほどの実をつけ暗褐色に熟します。ロウバイの実には有毒成分が含まれているため、食べれません。
品種・近種
【ソシンロウバイ】
花の中心も黄色で、ロウバイよりも花が大きい。
【福寿】
濃い黄色で花弁に幅がある。
ロウバイ(蝋梅)の剪定のタイミング
ロウバイの剪定は、花後の2月中旬~3月と11月が適しています。
花後の2月中旬~3月の剪定では、徒長した枝を切り戻します。
11月の剪定では、伸びすぎた枝の先を軽く剪定します。
数年に一度、2月中旬~3月の春の剪定で、花をたくさん咲かせた枝をつけ根近くから切って新しい枝を出させ、更新しましょう。
ロウバイを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。
ロウバイ(蝋梅)の剪定道具
ロウバイの剪定には以下の剪定道具を準備しましょう。
・軍手
・植木バサミ
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
樹木の剪定にはさまざまな道具が必要です。剪定道具は作業に適した物を使用しましょう。また、ハサミやノコギリなどの刃物は、自分の手に馴染むものを使用しましょう。使いにくい道具を使用することは思わぬケガなどを引き起こす原因となりますので、購入時に実際に手に取って確認し、自分にしっくりくるものを選ぶことをおすすめします。
ハサミやノコギリなどの刃物は使用前に必ず消毒をしましょう。消毒を怠ると、切り取った枝の切り口から病原菌が入り、樹木が菌に感染して、弱らせてしまう恐れがあります。
ロウバイ(蝋梅)の剪定メリット
いきおいよく伸びる立ち枝は、他の枝に絡み混みあう原因となり、放っておくと樹形が乱れ見苦しくなってしまうので、立ち枝を切り戻すことにより、樹形をコンパクトに美しくすることができます。また、長い枝には花がつかないので、短い枝が出るように剪定することで、枝全体にまんべんなく花を咲かせることができます。
ロウバイ(蝋梅)の剪定方法
ロウバイの剪定は、花後の2月中旬~3月と11月に行います。
2月中旬~3月の剪定
【樹形を整える】
樹冠からはみ出している枝を芽の上で切り、樹形を整えます。
【立ち枝を切り戻す】
立ち枝は、他の枝に絡む原因になるので、芽のすぐ上で切り戻します。
【不要枝を切る】
逆さ枝や交差している枝を切り取り、徒長枝は芽の上で切ります。
【主幹を太らせる】
株立ちで地際からよく芽吹くので、3本程度を主幹にして、あとは地際から切り取り、主幹はしっかり太らせます。
【ふところ枝を整理する】
ふところ枝には花がつかないので整理します。
【枝を更新する】
4~5年に一度、花をたくさん咲かせた枝をつけ根近くで切って新しい枝を出させ、更新します。
11月の剪定
【混みあった部分を切る】
混みあった部分では、枝は対生で1カ所から2本ずつ出るので、バランスを見て対生の枝を互い違いに切ってすっきりさせます。
【不要枝を切る】
交差枝、徒長枝などの不要な枝を切って、日の光や風が中まで入るようにします。ひこばえも切り取りましょう。
ロウバイの枝は多少暴れたほうが樹形の雰囲気が良くなるので、枝の暴れは少し残るように心がけて剪定を行いましょう。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
ロウバイ(蝋梅)の育て方
ロウバイは土壌をあまり選ばず、初心者の方でも比較的育てやすい樹木です。
日当たり
半日陰から日なたに植えつけます。
春から夏にかけては日によく当てます。
水やり
春~秋は土の表面が乾いたらたっぷり水をあたえましょう。
肥料
2月に寒肥として油かすと腐葉土や堆肥を株周りにあたえましょう。
植え付け
ロウバイの植え付けは2月~3月頃が適期です。厳冬期の植え付けは避けましょう。
ロウバイの病害虫
ロウバイは、病害虫の被害は少ないですが虫害には少し注意が必要です。
虫害で気をつけたいのが「アブラムシ」です。
アブラムシ
群生して植物に寄生します。新芽や若葉の汁を吸います。葉が縮れたり、ウイルスを媒介します。
見つけた場合は、筆などで払い落し、捕殺します。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
まとめ
ロウ細工のようなつやと、良い香りがする花を咲かせる「ロウバイ」は、和風のお庭や和モダンのお庭のシンボルツリーにおすすめの樹木です。年明け~2月のお庭が寂しい時期に、透き通るような黄色い花を咲かせ、良い香りを漂わせてお庭を彩ります。
ロウバイは、放任すると枝が混みあい樹形が乱れやすいため、きれいな樹形を保つためには剪定を行う必要があります。ロウバイの剪定は、特徴でもある枝の暴れを少し残すことがコツです。ぜひ、この記事を参考にロウバイの剪定を行ってみてくださいね。
ご自身での作業に不安を感じる場合には、プロの庭師や剪定を行っている造園会社、造園業者にお願いするのも良いでしょう。
ロウバイの剪定やお手入れで困った場合は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。お庭づくりのお手伝いができれば幸いです。
2024年1月30日更新