メジロやヒヨドリなど、好きな野鳥を庭木に呼びたいときにおすすめするのが誘鳥木です。しかし、庭に野鳥を呼びたいけれど、「どんな種類の樹木を植えたらよいかわからない」「カラスやスズメは呼びたくない」「小鳥が好きな木の実がなる植物はどれだろう」などとお困りではありませんか。
この記事では庭木に野鳥を呼び寄せたい方のために、以下を分かりやすく解説します。
・誘鳥木とはどのような樹木か
・誘鳥木のメリット・デメリット
・野鳥の種類に合ったおすすめの誘鳥木
・誘鳥木に野鳥を呼び寄せるコツ
・誘鳥木を庭木にしたときの注意点
野鳥のさえずりが聞こえる庭は、暮らしを豊かにしてくれます。おすすめの誘鳥木を野鳥ごとに解説していますので、庭に植える樹木の参考にしてくださいね。
目次
野鳥が庭木にやってくる誘鳥木とは?
誘鳥木を庭木にするメリット・デメリット
誘鳥木を庭木にするメリット
誘鳥木を庭木にするデメリット
庭木に野鳥を呼べるおすすめの誘鳥木9選
①メジロにはムラサキシキブがおすすめ
②ヒヨドリにはネズミモチがおすすめ
③アカハラにはエノキがおすすめ
④オナガにはナンテンがおすすめ
⑤シジュウカラにはイロハモミジがおすすめ
⑥ヤマガラにはエゴノキがおすすめ
⑦ツグミにはマユミがおすすめ
⑧ウグイスにはカラスザンショウがおすすめ
⑨コゲラにはハナミズキがおすすめ
庭木の誘鳥木に野鳥を集める3つのコツ
違う種類の樹木を揃える
野鳥が好む水場を作る
巣箱を作って呼び寄せる
誘鳥木を庭木にしたときの注意点
樹木の大きさに注意する
近隣の住宅までの距離に注意する
植樹する樹木の量に注意する
誘鳥木選びや剪定にお困りなら庭.proにご相談ください!
野鳥が庭木にやってくる誘鳥木とは?
誘鳥木とは野鳥が集まりやすい樹木のことです。樹木の種類によって、野鳥の集まりやすさが異なります。野鳥が集まりやすい樹木の特徴は、実や花をつける果樹や、周りを見渡しやすい高木であることです。野鳥は木の実や花の蜜を好んで樹木に集まります。
また、食べるために集まるだけではなく、外敵から身を守るために、敵を察知しやすい高い場所を好みます。巣を作って子作りしたり、ねぐらを作ったりして棲みつくこともあるため、枝がよく張った樹木も好みます。
逆に花や実が少ない樹木や、枝の少ない樹木は誘鳥木とはいえません。上記のような要因で、鳥が訪れやすい樹木が誘鳥木と言えるでしょう。
誘鳥木を庭木にするメリット・デメリット
誘鳥木を庭木にすると、様々なメリットとデメリットがあります。詳しく紹介します。
誘鳥木を庭木にするメリット
誘鳥木を庭木にするメリットは、以下の3つです。
・害虫駆除の効果が期待できる
・鳴き声やかわいい姿に癒される
・写真を気軽に撮影できる
順番に解説します。
害虫駆除の効果が期待できる
野鳥は虫をエサとして好むため、害虫駆除の効果が期待できます。うっかり毛虫に触れて、皮ふを痛めてしまうことも少なくなるでしょう。毛虫などのほかにも、蜂も食べてくれるため、庭に誘鳥木があると家の周りに巣を作られにくく、小さい子どもが庭で遊んでも安心でしょう。
また、害虫による食害が少なくなるため、木の実の収量も増えます。増えた木の実が野鳥をまた呼び寄せやすくなる、という流れを作ることが可能です。
鳴き声やかわいい姿に癒される
小鳥の鳴き声やかわいい姿は、私たちを癒してくれます。朝の目覚めに野鳥のさえずりが聞こえると、素敵な一日を始められます。庭でティータイムを楽しむときも、自然のBGMを奏でてくれます。
また、愛くるしい姿も私たちを癒してくれるでしょう。大切に育てた庭木で小鳥が遊ぶ姿を見られるのは、誘鳥木を持つ人の特権です。ぜひ誘鳥木を庭に植えて、野鳥との生活を体感してください。
自宅で野鳥の写真撮影ができる
庭の誘鳥木に野鳥が来ると、自宅から写真撮影できるのもメリットです。通常、野鳥を写真に収めようと思ったら、山や公園など、樹木があるところに出かける必要があります。場合によっては経費や時間がかかるため、自宅ですぐに写真撮影ができるのは大きなメリットです。
また、出かけても野鳥が見つからないこともあり、必ず写真撮影に成功するわけではありません。庭であれば訪れたときに写真を撮影すれば、野鳥を写真に収める確率が上がるため、撮り逃しが少なくなるでしょう。
誘鳥木を庭木にするデメリット
誘鳥木を庭木にするデメリットは以下の3つです。
・鳴き声が騒音になる
・フン害がひどくなる
・害鳥を呼び寄せてしまうこともある
順番に解説します。
鳴き声が騒音になる
野鳥の鳴き声は程度が過ぎると騒音になります。数羽程度であれば気になりませんが、数十羽、数百羽と集まると騒音で周辺に迷惑をかけてしまうでしょう。
野鳥のフンは害になる場合がある
野鳥がするフンは、家屋や周辺に損害を与える場合もあります。野鳥は決まった場所にフンをするわけではなく、屋根が傷む原因になったり、道路などにされると周辺の景観を損ねたりします。
通常、野鳥のフンは種子を運ぶ役割があり、そこから植物が生えて庭を豊かにしてくれたり、フンが栄養となって農作物を育ててくれたりします。しかし、意図しないところへフンをされると害になってしまいます。
害鳥を呼び寄せてしまうこともある
大量のフンで庭を汚したり、鳴き声が大きかったりする害鳥と呼ばれる野鳥を誘鳥木が呼び寄せてしまうこともあります。樹木の種類によって呼び寄せやすい野鳥はあるものの、訪れてもらいたい野鳥は完全にはコントロールできないからです。
代表的な害鳥はカラスで、数多く集まり、多くのフンをするため注意が必要です。カラスを呼び寄せないためには強い光が有効であるため、太陽光を反射させるCDなどを庭先に吊るすとよいでしょう。また、雑食で人の食べ残しを好むため、庭先に生ごみの袋を置いたままにしないようにしましょう。
庭木に野鳥を呼べるおすすめの誘鳥木9選!
誘鳥木によって野鳥の好みは異なります。よって庭木に呼びたい野鳥に合わせた誘鳥木を選ぶことが大切です。ここでは野鳥の好みに合わせた誘鳥木を9種類紹介します。訪れてもらいたい野鳥がいたら参考にしてみてください。
①メジロにはムラサキシキブがおすすめ
メジロを呼び寄せるには、ムラサキシキブがおすすめです。ムラサキシキブの実はメジロが好んで食べます。その鮮やかな紫の実と、メジロの特徴である緑色の体色とのコントラストも楽しめるでしょう。
ムラサキシキブは3m程の低木で、手入れがしやすいこともおすすめの理由です。3mほどの樹高であれば、脚立を使用して自分で手入れができます。ムラサキシキブは6月に花が咲き、9~10月に実をつける植物です。庭木の手入れとともにメジロを楽しんでみてはいかがでしょうか。
②ヒヨドリにはネズミモチがおすすめ
ヒヨドリを呼び寄せるには、ネズミモチがおすすめです。5~6月の花が咲く時期や、10月頃の実が熟したときにヒヨドリが訪れやすいでしょう。
ネズミモチの実は生薬の「ジョテイシ」と呼ばれ、お茶などで利用できます。ヒヨドリが花の蜜を吸ったり、木の実をついばむ姿を楽しみながら、秋には実の収穫を期待できる樹木です。
③アカハラにはエノキがおすすめ
アカハラを呼び寄せるには、エノキがおすすめです。エノキの花は小さく鑑賞の邪魔をしないため、アカハラの特徴である、赤みがかったお腹の部分をよく観察できるでしょう。
また、エノキは大きいものだと、30mほどになる高木に成長します。ミミズや虫を好むアカハラにとっては、高い場所から虫を探せるため、他の樹木より好んで訪れる可能性があります。広い庭に誘鳥木を植えられる人にはおすすめの樹木です。
④オナガにはナンテンがおすすめ
オナガを呼び寄せるには、ナンテンがおすすめです。体が白く、すらりと長くのびた薄青色の尾羽を持つオナガは、鑑賞時にナンテンの赤い実と綺麗なコントラストを見せます。また、ナンテンの実は11~12月に実るため、餌が少なくなる冬期に呼び寄せることが可能です。
⑤シジュウカラにはイロハモミジがおすすめ
シジュウカラを呼び寄せるには、イロハモミジがおすすめです。イロハモミジは成長すると樹木の高さが10mを超えます。シジュウカラはスズメと同じ程度の大きさの野鳥です。そのため、外敵を察知するために高木であるイロハモミジを好んでやってくるでしょう。
また、シジュウカラは樹の空洞などに巣を作ります。そのため、巣箱の設置とも相性がよく、設置するとよりシジュウカラを呼び寄せやすくなるでしょう。
誘鳥木として植えるイロハモミジは、年中鑑賞を楽しめます。新緑の季節や秋の紅葉と、野鳥がいない間も楽しめる樹木で、鑑賞用としてもおすすめです。
⑥ヤマガラにはエゴノキがおすすめ
ヤマガラを呼び寄せるには、エゴノキがおすすめです。エゴノキの実には毒があるため、好んで食べる野鳥は多くありません。しかし、ヤマガラはエゴノキの実を餌にするため、誘鳥木にうってつけです。
黒い頭と赤い腹を持つヤマガラは美しく、小さな前脚で器用に木の実を掴む姿にファンは多くいます。ヤマガラの実を食べる野鳥は少ないため、ヤマガラが好きな方におすすめしたい誘鳥木です。
⑦ツグミにはマユミがおすすめ
ツグミを呼び寄せるには、マユミがおすすめです。マユミは10月頃から実をつけ始めるため、越冬の目的で日本にやってくるツグミと相性がよいでしょう。マユミは落葉してからも赤い実が残り目立つため、鑑賞用としても長く楽しめます。
⑧ウグイスにはカラスザンショウがおすすめ
ウグイスを呼び寄せるには、カラスザンショウがおすすめです。カラスザンショウの実は、落葉後に実だけが残ります。そのため、ウグイスが訪れると、観察の邪魔になる葉がないため撮影しやすい樹木です。ウグイスの体色である、淡い緑色もよく観察できるでしょう。
⑨コゲラにはハナミズキがおすすめ
コゲラを呼び寄せるには、ハナミズキがおすすめです。ハナミズキは害虫が付きやすい樹木であるため、虫を餌として好むコゲラと相性がよいでしょう。
またハナミズキは、4月下旬から5月下旬に綺麗な花を咲かせます。鑑賞用としても価値があり、花を楽しみながらコゲラが訪れるのを待てるためおすすめです。
庭木の誘鳥木に野鳥を集める3つのコツ
庭木の誘鳥木に野鳥を集めるコツは3つあります。
・違う種類の樹木を揃える
・野鳥が好む水辺を作る
・巣箱を作って呼び寄せる
順番に紹介します。
違う種類の樹木を揃える
違う種類の樹木を揃えると、庭に野鳥が来やすくなります。なぜなら、樹木よって開花の時期が違うため、庭に花が咲いている期間が長くなるからです。
例えば、サクラだけを植えたとすると、花の開花時期である4月頃には野鳥が訪れる可能性が高まります。しかし、花が落ちてからは、餌を求める野鳥の訪れは期待できません。
花の開花期間が短いサクラの他にも、5月頃に花が咲くエゴノキなどを植えると、春先の長い期間、庭に花が咲いているため、野鳥が訪れやすいでしょう。
また、実がなる樹木や高さの違う樹木を組み合わせて植えると、野鳥を呼び寄せる可能性が高まるでしょう。開花の時期、実のなる時期、樹木の高さなどに配慮して樹木を植えると、様々な野鳥の好みに合わせられ、野鳥を呼び寄せやすくなるでしょう。
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野鳥が好む水場を作る
野鳥は水浴びをする習性があるため、水場を作ると訪れやすくなります。水場を作る方法の1つは、庭木の下などの庭の見えやすいところへ、水の張った皿を設置することです。すぐに実行可能で経費もかからないため、手軽に始められるでしょう。
野鳥が訪れるようになってからは、ときおり水を替えるようにします。羽にたまったゴミや寄生虫などが水に混ざっているためです。汚れた水では野鳥も集まりづらいでしょう。
水場を作るもう一つの方法は、庭に池や小川を作ることです。個人でも作れますが、大がかりな工事が予想されるため、自信がない方は業者に相談してみるとよいでしょう。これから庭の工事をする方は、庭の水場づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
巣箱を作って呼び寄せる
庭木の近くに野鳥が繁殖するための巣箱を作ると、野鳥を呼び寄せられます。巣箱を設置する際に最も気をつけたいのは、巣穴の大きさです。約3~6cmほどが適していて、訪れてほしい野鳥のサイズに、巣穴のサイズを合わせましょう。
巣穴が大きいと目的の野鳥以外が入る可能性がありますし、巣穴が小さいと野鳥が入れません。野鳥図鑑などを参考に野鳥のサイズを把握して、巣穴の大きさを決めましょう。
誘鳥木を庭木にしたときの注意点
誘鳥木を庭木にしたときの注意点は、以下のとおりです。
・樹木の大きさに注意する
・近隣の住宅までの距離に注意する
・植樹する樹木の量に注意する
順番に解説します。
樹木の大きさに注意する
10mを超すほど大きく成長するような種類の誘鳥木を植える際には、注意が必要です。樹木が大きくなると、電線や住宅に触れてしまったり、根が大きく張って塀を壊してしまったりして周囲に損害を与えます。樹種によっては大きくならないように、剪定などで大きさをコントロールする必要があります。
樹木の剪定には道具や知識が必要であるため、自分で作業する自信がない方は、業者に相談してみるとよいでしょう。
剪定方法は、こちらの記事もおすすめです。


近隣の住宅までの距離に注意する
野鳥の鳴き声は、聞いた人の感じ方や時間帯によっては、騒音となることがあるため、近隣の住宅までの距離を考慮しましょう。少しでも近隣の住宅から離れたところに誘鳥木を植えると、苦情になる可能性を下げられます。
植樹する樹木の量に注意する
樹木の量が増えすぎると、集まる野鳥の量が多くなり、騒音やフン害がおきる可能性があるため注意が必要です。
樹木の種類を多くしたい場合は、剪定などで樹木の大きさをコントロールして、大きくしすぎないようにしましょう。1つひとつの樹木を小さくすると、野鳥が集まりすぎるのを回避できます。
誘鳥木選びや剪定にお困りなら庭.proにご相談ください!
誘鳥木でわからないことがあれば、庭.proにご相談ください。野鳥を呼び寄せるには、樹木の種類や植える環境、呼び寄せる野鳥の生態などを考慮する必要があります。ご相談は無料でおこなっていますので、お気軽に庭のプロ集団「庭.pro」までお気軽にご連絡ください。綺麗な庭で皆様の暮らしが豊かになれば幸いです。
2024年1月31日更新






