古い枝を株元から間引く剪定!
「ウツギ(空木)」は、「卯の花(うのはな)」とも呼ばれ、日本の山野に広く自生し、半日蔭でもよく育ち、丈夫で刈り込みにも強いため、庭木や生垣として親しまれています。樹幹や枝が中空になることから「ウツギ(空木)」という名で呼ばれていると言われています。5月~7月に白色の釣鐘形の花をつけます。
ウツギは、株立ちになり、徒長枝が出やすく、やや乱れた樹形になるため、幹の数が多い場合は整理をする剪定が必要になります。ウツギを健康に育てるためには、適切なタイミングと方法で剪定を行うことが大切です。この記事では、ウツギの剪定方法や基本の育て方などをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ウツギ(空木)の基本情報
ウツギ(空木)の特徴
ウツギ(空木)の剪定のタイミング
ウツギ(空木)の剪定道具
ウツギ(空木)の剪定メリット
ウツギ(空木)の剪定方法
↳12月~3月上旬の剪定
↳6月中旬~7月の剪定
ウツギ(空木)の育て方
ウツギ(空木)の病害虫
↳うどんこ病
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
ウツギ(空木)の基本情報
属名:ウツギ属
科名:アジサイ科
学名:Deutzia crenata
英名:Slender deutzia、Japanese snowflower
和名:空木(ウツギ)
別名:卯の花
原産地:日本、中国
樹高:1.5~2m
区分:落葉樹、低木
耐暑性:強い
耐寒性:強い
開花期:5月~7月
花色:白色
用途:庭木、生垣など
花言葉:秘密、古風
ウツギ(空木)の特徴
ウツギはたくさんの白色の釣鐘形の花を下向きにつけ、花は花茶としても利用されます。日当たりのよい場所を好みますが、半日蔭でもよく育ち、庭木や生垣の他、大鉢植えでも楽しめます。小花は直径1~1.5cmで花びらは5枚で開ききりません。花びらの外側には毛が生えています。葉は単葉で対生し、葉身は長さ4~9cm、幅2.5~3.5cmで、先が長く尖り、縁はごく細かい鋸歯です。10月~11月に直径4~6cmの実が熟します。
ウツギの品種・近種
【ヒメウツギ】
株も花もウツギよりやや小さい。花は白色で、葉や枝には毛がない。
【サラサウツギ】
ウツギの八重咲きの品種。外側に花びらが紅紫色に帯びる。
ウツギ(空木)の剪定のタイミング
ウツギの剪定の適期は12月~3月上旬、花後の6月中旬~7月です。
花後の6月中旬~7月に不要枝を切り取ります。
12月~3月上旬に古い枝を株元から間引きます。
ウツギは、株立ちとなり、徒長枝が出やすく、やや乱れた樹形になりやすいので、幹の数が多い場合や混みあった枝などの整理を12月~3月上旬に行います。また、花後の剪定では、不要枝を切り取ります。
ウツギを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。
ウツギ(空木)の剪定道具
ウツギの剪定は、以下の剪定道具を揃えておきましょう。
・軍手
・植木バサミ
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
剪定作業にはハサミやノコギリが最低限必要です。生垣を剪定する場合は、刈り込みバサミも用意しましょう。剪定ハサミは自分の手の大きさにあったものを選ぶようにしましょう。手の大きさにあわないものを使用すると、疲れてしまったり、思わぬケガを招く恐れがあります。
また、使用した刃物は必ずお手入れをしましょう。木くずや樹液がついたまま放置すると、次回使用する際に、錆びて切れ味が悪くなってしまいます。切れ味の悪い、剪定道具を使用することにより、樹木に負担をかけ、弱らせてしまう恐れがります。使用後は手入れをしっかり行い、使用前は消毒を行い清潔で切れ味の良い刃物で剪定を行うようにしましょう。
ウツギ(空木)の剪定メリット
ウツギは、剪定で混みあった枝や不要枝を整理することにより、乱れた樹形を整え、育てる場所にあわせて大きさ形を保つことができます。また、古い枝には花がつきにくくなるので、株元やつけ根から切り落とし、新しい枝に更新することで、花つきをよくすることができます。
ウツギは樹形や大きさ以外の面では、それほど手入れを必要としませんが、1年に1回は不要枝を整理する剪定を行い形や大きさを整えましょう。
ウツギ(空木)の剪定方法
ウツギの剪定は12月~3月上旬、花後の6月中旬~7月に行います。
12月~3月上旬の剪定
【幹の数を減らす】
花つきが悪くなった古い枝は、株元やつけ根から切り落とし、新しい枝に更新します。
【不要枝を切る】
混みあった枝などの不要枝は、つけ根から切り取ります。
【樹形を整える】
枝先を切り、樹形の形や大きさを整えます。
6月中旬~7月の剪定
【不要枝を切る】
枝数が多く、伸びた枝どうしが絡み合った場合は、新しい枝でも、枝元から適度に間引き、枝の本数を減らします。
徒長枝には、花がつかないので切り戻します。花芽分化していない花後すぐに剪定を行うことにより、花芽を切り落としてしまう心配がありません。
ウツギの樹形をコンパクトに仕立て直したい場合は、休眠期である2月にすべての枝を枝元から切り戻します。この剪定を行った場合、その年の花は見られませんが、翌年(2年目)からは花を楽しむことができます。ウツギは萌芽力旺盛なので、すべての枝を切り戻しても、生長に問題はありません。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
ウツギ(空木)の育て方
ウツギは半日蔭でも生長する、丈夫な樹木です。
日当たり
日当たり~半日蔭の風通し、水はけが良い場所を好みます。
水やり
地植えの場合水やりは、基本的に必要なく、自然雨で育ちます。
肥料
肥料をあたえると、大きくなりすぎるため、基本的には必要ありません。
植え付け
植え付けの適期は1月~3月です。
ウツギ(空木)の病害虫
ウツギは「うどんこ病」の病害被害に注意が必要です。
うどんこ病
初夏~晩秋にかけて発生します。葉や蕾の表面に粉をふいたように白い部分が広がり、枯れます。
風通しが悪くなると発生しやすいので、不要な枝を剪定し、風通しをよくしたり、4月~5月に殺虫剤を散布することで予防します。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
まとめ
「ウツギ(空木)」は、白色の花を5月~7月にたわわに咲かせます。日当たりの良い場所を好みますが、半日蔭の場所でもよく育ち、萌芽力旺盛で丈夫で刈り込みに強く、生け垣としても植栽されます。ウツギは、大きく育ちやすく、やや樹形が乱れやすいため、混みあった部分を剪定で間引き、育てる場所にあわせてボリュームや大きさを整えるのが剪定のコツです。ぜひ、この記事を参考に剪定を行ってみてくださいね。
ご自身での剪定作業が難しいと感じた場合や、やり方がわからないという方は、専門の造園会社やプロの庭師に依頼するのもよいでしょう。
ウツギの剪定やお手入れで困った場合は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。
庭木が健康に育つよう、皆様のお手伝いができれば幸いです。
2024年1月30日更新