この記事では、育てやすいおすすめの芝生の種類と、真似してみたい芝生・人工芝の庭リフォームプランについてご紹介します。「隣の芝は青く見える」ということわざがあるくらい、芝生は庭の景観を作り上げる大切な存在です。自宅の芝生でのんびり過ごす夢を庭リフォームで叶えましょう。
目次
芝の特徴
庭リフォームでおすすめの芝生10選
1:高麗芝(コウライシバ)
2:姫高麗芝(ヒメコウライシバ)
3:野芝(ノシバ)
4:バミューダグラス類
5:ウィーピングラブグラス
6:ケンタッキーブルーグラス
7:ファインフェスク
8:ペレニアルライグラス
9:ウインターオーバーシード
10:人工芝
ショートパイル
ロングパイル
芝生の上手な育て方
水やり
肥料
芝刈り
目土入れ
エアレーション
芝生・人工芝以外のおすすめの植物3点
リュウノヒゲ
ヒメイワダレソウ(リッピア)
アジュガ
芝生・人工芝を用いたおすすめの庭リフォームプラン3点
ドッグランのある芝生の庭
ウッドデッキから眺める芝生の庭
駐車場の緑化でヒートアイランド防止に
まとめ
芝の特徴
芝はイネ科の多年草で、学名はZoysia(ゾイシャ)といいます。「芝」というと一本一本の植物のことをいい、「芝生」というと、芝がマット状に広がっている状態のことを言います。「人工芝」は植物ではなく、芝生に似せて作った工業製品で、生きている芝ではありません。
そもそも芝は家畜のための牧草でしたが、大英帝国の貴族たちが裕福の象徴として、屋敷の庭に牧草と家畜を置いたところから始まりました。自宅の美しい芝生がステイタスの象徴なのは、昔も今も変わりないのかもしれませんね。
庭リフォームでおすすめの芝生10選
芝生には大きく分けて、日本芝と西洋芝の2種類があります。更に暖地に強いタイプと、寒冷地に強いタイプに分かれます。
一般的に、日本芝は夏芝と呼ばれ春夏成長型です。成長がゆっくりで、手入れが楽といわれています。一方、西洋芝は寒さに強く冬でも青々としていますが、大きくなるので刈り込みが大変といわれています。こちらでは「庭リフォームでおすすめの芝生」を10点ご紹介します。
1:高麗芝(コウライシバ)
一番よく植えられている日本芝はこの「高麗芝」で、日本では比較的育てやすい品種です。密度もあり葉が美しく、そんなに大きくならないので手入れも楽です。春になると葉が茂り、成長期を迎えます。晩秋10℃を下回ると葉が枯れて茶色くなり、枯れた状態で越冬休眠します。また春になると青々と茂ってくるので安心してくださいね。
2:姫高麗芝(ヒメコウライシバ)
高麗芝の一種の「姫高麗芝」は、高麗芝より葉の幅が細くしなやかで洗練されています。葉が茂る密度は濃く、鮮やかな緑色の大変美しい芝生ができあがりますよ。ただし普通の高麗芝よりも生長が早いため、刈り込みなどのこまめなメンテナンスが必要になります。
3:野芝(ノシバ)
日本の野山に生えるため「野芝」と呼ばれています。都市部などの公園で良く見かけられる芝生で、多少踏みつけられても丈夫なので、通路や駐車場などによく植えられています。上の2つの日本芝に比べ葉の生える密度が粗く、葉の幅が太めで手触りがチクチクしているのが特徴です。日本芝の中では一番寒さに強いですが、北海道や東北北部では屋外で育てるのは難しいかもしれません。
4:バミューダグラス類
バミューダグラスは世界で最も用いられている暖地型の西洋芝で、夏の生育がすばらしい特徴があります。踏圧や擦り切れに強いのでスポーツターフによく使われます。ティフトン類と呼ばれる芝も、スポーツ競技場によく使われますが、このティフトンもバミューダグラス類の一種なのですよ。
5:ウィーピングラブグラス
暖地型で日照りや乾燥に強く、痩せた土地でも根がよく張るため、高速道路の法面や砂防工事、砂丘の緑化など土木工事に使用されます。ウィーピングラブグラスはあまり一般家庭では使われない芝ですが、造成地の法面などに使用される場合があります。別名はシナダレスズメガヤです。
6:ケンタッキーブルーグラス
葉色が美しく柔らかで、勢力旺盛なので北半球で最も愛されている、西洋芝の代名詞のような芝で、緻密で高品質なターフを形成します。本来は寒冷地型で暑さや乾燥に弱く、日本では関東以西ではうまく育ちませんでしたが、最近では暖地に強くなるよう改良されたケンタッキーブルーグラスの「ムーンライトSLT」という品種があり、西日本地域でも植えることができます。
7:ファインフェスク
フェスク類は寒冷型西洋芝ですが、耐暑性があり、岡山を含む本州なら育てることが可能です。葉が細く美しいのが特徴で、クリーピングレッドフェスク、チューイングフェスク、ハードフェスクなどがあります。また、フェスク類のトールフェスクは法面工事向きで芝生には向いていないと言われていましたが、家庭用に品種改良されたものも出てきました。
8:ペレニアルライグラス
ライグラスは寒冷地型の西洋芝なので、かつては西日本のエリアでは育ちませんでした。ところが品種改良で耐暑性に優れたペレニアルライグラスの「アメージングAプラス」という品種は温暖地でも利用可能で、今まで育たなかった九州地方の庭でもライグラスが育つようになりました。
9:ウインターオーバーシード
「ウインターオーバーシード」とは、芝の品種名ではなく、夏芝と冬芝のいいとこ取りをする「播種の方法」です。例えば、自宅のお庭で高麗芝を育てていると、晩秋から枯れ込んで、春まで芝生の庭が茶色くなってしまいます。そこで「夏芝」の高麗芝の上から「冬芝」の種子を秋ごろまき、2種混植にすれば、夏芝が枯れた頃に冬芝が成長し葉を茂らせて、夏でも冬でも緑の芝を見られるというわけです。
ただし、休眠中の日本芝と混植することになるので、勢力が強すぎる西洋芝だと、元の高齢芝が弱り消えてしまう可能性があるので、あまり勢力の強くない品種「サツキワセ(ペレニアルライグラスとイタリアンライグラスの交配種)」などのオーバーシードがおすすめです。
10:人工芝
最近の人工芝はまるで本物の芝と見まがうほどの色つやだったり、葉がグリーン一色ではなく茶色味かかった葉も編み込んであったり、より一層リアルさを追求していて侮れません。手触りもなめらかなので、素足で歩いても気持ちがよくおすすめです。
人工芝は何といっても、水やりや肥料、芝刈りや雑草取りなどの手間が一切ないのがメリットです。また防草効果も期待できます。
人工芝には、主にショートパイルとロングパイルの2タイプあります。
ショートパイル
パイルとは芝の葉っぱに模した部分のことで、つまりショートパイルとは芝丈の長さが短いタイプということです。短いと言っても長さ1cm~3cm前後で、一般家庭できれいに刈り込まれた状態と同じくらいの長さといえます。ショートパイルの中でも丈が長めのものは、ふさふさとした踏み心地でゴージャスですが、毛足が長い分、熱がこもりやすいというデメリットもあります。お好みの長さのものを選ぶとよいでしょう。
ロングパイル
ロングパイルは毛足の長い人工芝のことです。ロングパイルの人工芝は、主にサッカー場などのスポーツ競技場に使われる人工芝で、長さは5cmほどあり、芝生でくつろぐには長すぎます。ロングパイルは一般家庭の庭リフォームにはあまり向いていません。
芝生の上手な育て方
芝生は種まきから育てることも可能ですが、完成までに時間がかかるので「芝生の庭リフォーム」では、主に育った状態のマット状の芝生を張り付けていきます。その方が美しく均一に貼れ、早く芝生の庭を楽しむことができるからです。初心者でも上手にお手入れできる育て方を見てみましょう。(この章は人工芝には必要ない作業です)
水やり
夏芝は、水やりはさほど必要ありませんが、降雨がなく日照りが続く時には水やりをしましょう。日中暑い時の水やりは避け、朝か夕方に行います。
冬芝は、水やりは必須です。乾燥に弱いので乾いたらしっかり与えましょう。一方、加湿にも弱いので、蒸れないよう涼しい時間帯にやるよう注意しましょう。
肥料
夏芝は、育成期の4月~10月まで、芝生専用の化成肥料(窒素10:リン酸10:カリ10)を1.5ケ月に1回施肥します。
冬芝は、3月から12月まで(真夏は避ける)芝生専用の化成肥料(窒素10:リン酸10:カリ10)を月1回与えます。
芝刈り
夏芝は春から夏、冬芝は秋から冬と、それぞれの成長期の間は月2回ほど芝刈りを行います。葉の長さ3cmくらいに刈り込みましょう。ハサミでできる作業ではないので、芝生専用の電動バリカンか芝刈り機で刈り込みます。一般的な草刈機でも芝を刈ることができますが、芝を刈る時に葉が飛び散り、全身に浴びてしまいますので、汚れたくなければ、後ろに集塵受けがついている「芝刈り専用」のものを購入しましょう。
目土入れ
しばらくすると芝生が凹んでくることがあります。雨水がたまるとそこだけ蒸れて枯れて茶色っぽくなることも。そこで「芝の目土」を入れて平らにならします。目土入れは真夏と真冬を避けて行いましょう。土を入れすぎると光合成ができず枯れてしまいますので注意しながら薄くすき込みます。
エアレーション
芝生の下の土が踏み固められて、芝の根っこに酸素が行き渡らず、育成不良になることがあります。そうならないために5月~6月頃エアレーションという作業を行います。ローンスパイクという農機具で地面を5cm~10cmほど挿して通気を行います。靴の裏にスパイクを取り付けて、歩いて挿していく商品もありますよ。
芝生・人工芝以外のおすすめの植物3点
「芝生もいいけど変化が欲しい」「お花が咲いたら素敵なのに」などとお思いの方に「芝生・人工芝以外のおすすめの植物」をご紹介します。茎やツルで横に広がる性質の植物をお探しなら「グランドカバー」でWEB検索してみるとよいでしょう。グランドカバープランツは、基本的に放置でも育つ植物が多いようです。
リュウノヒゲ
キジカクシ科ジャノヒゲ属の多年草です。日陰にも強い植物なので、暗い通路の足元などにリュウノヒゲを植えると素敵です。主に和風邸宅の植え込み例が多いですが、葉の短い「玉竜」や、ブラックリーフの「黒龍」を使うとスタイリッシュに仕上がりますよ。葉を鑑賞する植物ですが、夏に目立たない花を咲かせ、秋冬には紫色の実を楽しむことができます。
ヒメイワダレソウ(リッピア)
クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草です。地を這うように広がりグランドカバーにピッタリの植物です。一つ一つの花は地味ですが、白~ピンクの小さな花が密集して一つの花に見える花茎をたくさん咲かせ、群生して咲き誇った姿は見事ですよ。4月~11月までよく咲きます。
アジュガ
シソ科アジュガ属の多年草で、日本の固有種は「十二単(ジュウニヒトエ)」の名で知られています。園芸品種では白やピンクの斑入りの「マルチカラー」や、銅葉の「チョコレートチップ」などいろいろな園芸品種があり、人気のグランドカバープランツです。4月~5月になると青紫の花を立ち上げ咲いてきます。ピンクの花のものもありますよ。
芝生・人工芝を用いたおすすめの庭リフォームプラン3点
では、実際に芝生・人工芝を使った庭リフォームのプランを見てみましょう。芝生や人工芝で庭リフォームしたいけれど、具体的なイメージが湧かないという時には、他の人がどんな施工をしたのか見せてもらうのも勉強になります。この章では、真似してみたい「芝生・人工芝を用いたおすすめの庭リフォームプラン」を3点ご紹介します。
ドッグランのある芝生の庭
「愛犬が思い切り遊べる芝生の庭が欲しい」という夢は、庭リフォームで叶います。芝生は景観がよいだけでなく、実用的でもありますよ。お天気が悪かったり、飼い主の体調が悪かったりして散歩に行かれない時も、愛犬を少しお庭に出してやればトイレタイムやストレス発散にもなります。
ウッドデッキから眺める芝生の庭
芝生を一段高いところから眺めると、庭で見るのとはまた違った景色となります。芝から離れて見ているので、グリーンが色鮮やかに絨毯のように広がって見えます。一面の芝生を眺めながら、ウッドデッキの上でバーベキューを楽しんだり、風に吹かれてくつろいだり。特別感を味わえること間違いなしです。
駐車場の緑化でヒートアイランド防止に
広い庭がないからと、芝生を諦めていませんか。狭いスペースでも芝生を楽しむことができますよ。玄関前の駐車場スペースに芝生を植えれば、コンクリートの照り返しも軽減でき、緑化でヒートアイランド防止にも役立ちます。芝生・人工芝どちらでも対応できますので、庭リフォーム業者に相談してみてくださいね。
まとめ
「庭リフォームでおすすめの芝生・人工芝10選」を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。自宅に合う芝を選ぶなら、温暖な地域なら「温暖地型」の芝か、寒冷地型でも「耐暑性」のあるものだと上手に育てられますよ。またお手入れ不要の「人工芝」も、高齢者宅や、庭に手がかけられない人におすすめです。
予算やメンテナンスの事など、どのプランが適しているのか、庭のプロ集団『庭.pro』までご相談ください。庭リフォームで芝生の夢を叶えて、素敵な暮らしになりますように!