剪定はむずかしくない!時期やコツを伝授します
マサキの葉はツヤがあり、見た目にも美しいことから、庭木や生け垣に用いている方も多いでしょう。
そのいっぽうで、成長のスピードが早く、樹形が乱れやすいマサキの扱いに、手を焼いているかもしれません。
この記事では、マサキを美しく保つための剪定方法を紹介します。ぜひ、参考にしながら剪定を行ってくださいね。
目次
マサキの基本情報
マサキの特徴
マサキの種類
マサキ | キンマサキ | ギンマサキ | オウゴンマサキ
マサキの剪定時期
マサキの剪定道具
マサキの剪定メリット
マサキの剪定方法
マサキの育て方
マサキの病害虫
うどんこ病 | マサキナガカイガラムシ | ミノウスバ | ユウマダラエダシャク
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
マサキの基本情報
属名:ニシキギ属
科名:ニシキギ科
学名:Euonymus japonicus
英名:Evergreen spindle tree
和名:正木
別名:オオバマサキ、ボウシュウマサキ、コバマサキなど
原産地:日本、中国、朝鮮半島
樹高:約1~5m前後
区分:常緑広葉樹
耐暑性:強い
耐寒性:強い
開花期:6月~7月
花色:淡い緑色
果実期:10月~11月頃
剪定時期:3月~4月、5月~6月、9月~10月
用途:庭木、生け垣など
花言葉:「厚遇」「円満」
マサキの特徴
しっかりとした厚みと、ツヤのある葉が特徴的なマサキは、カラーリーフとして人気がある庭木です。
一年中美しい葉をつけている常緑樹なので、生け垣に用いている方も多いでしょう。
また、マサキは萌芽力が強く、真上に向かって成長していくスピードが早い庭木。シンボルツリーとして、1本のみ育てているお庭もあるかもしれませんね。
斑入り、黄金色、シルバー系など、葉のカラーバリエーションが豊富なので、和風から洋風の家まで、違和感なく馴染む品種を選べるのが魅力。
耐暑性、耐寒性もあり、潮風や排ガスなどの大気汚染といった悪環境にも強いので、育てやすいメリットもあります。しかし、樹形が乱れやすい傾向があるので、定期的な剪定は欠かせない庭木です。
コツさえ掴んでしまえば、一年中美しい姿を楽しませてくれるので、ぜひ剪定方法をマスターしましょう!
マサキの種類
マサキは品種によって葉色が変わるため、さまざまな表情をみせてくれる庭木です。
ご自宅のイメージに合うマサキを見つけてくださいね。
マサキ
一般的な緑色の葉を持つマサキ。
キンマサキ
濃い緑色の葉に黄色の斑が入る。
ギンマサキ
緑色がやわらかく、乳白色の斑が入る。
オウゴンマサキ
遠くからでも目をひくほどの明るい黄金色。
マサキの剪定時期
マサキの剪定は、年3回の適期が訪れます。
3~4月は、新芽が芽吹くまえなので、強剪定に向いています。
マサキを庭木のシンボルツリーにしている方は、樹形を理想の形へ整えるチャンスです。太い枝などを剪定するなら、3~4月に行いましょう。
5~6月は、梅雨に入るまえの大切な剪定シーズンです。
マサキは葉が密に茂るので、長雨が続くと風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。予防のためにも、剪定をするのがおすすめです。
9~10月は、冬のシーズンへ入るまえの剪定作業です。寒い時期に剪定をすると、マサキへの負担が大きくなり、枯れてしまうことがあります。
本格的な寒さが訪れるまえに、剪定作業は終わらせておきましょう。
マサキを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。

マサキの剪定道具
マサキの剪定を行う際は、剪定道具から揃えましょう。
・軍手
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
を準備します。
樹高や樹形にあわせて、剪定バサミ・刈り込みバサミ・ノコギリを使い分けてください。また、細菌による病気をうつさないために、道具の刃先はアルコールなどで消毒して使用するのがおすすめです。
マサキの剪定メリット
マサキの剪定メリットは、乱れた樹形を整え、病害虫の発生を防げる点です。
生育旺盛なマサキは、真上に伸びていく性質があり樹形も暴れやすい庭木。
春先、梅雨前、秋の年3回、定期的に剪定を行えば、樹形を整えられるでしょう。
また、長雨の続く梅雨シーズンは、病害虫が発生しやすい季節です。梅雨入りまえにマサキの剪定を行うことは、病害虫予防のメリットも兼ね備えています。
マサキの剪定方法
マサキは、育て方によって剪定方法が変わってきます。
『刈り込み剪定・間引き剪定・切り戻し剪定』について詳しく紹介していきましょう。
刈り込み剪定
マサキを生け垣として育てている環境では、刈り込み剪定が適しています。
伸びすぎてしまったマサキを、刈り込みバサミを使用して切りそろえていきましょう。萌芽力の強いマサキは、刈り込み後に小枝が分岐していきます。ツヤのある美しい葉が密になっていくので、生け垣には刈り込み剪定がおすすめです。
間引き剪定
伸びすぎた徒長枝や枯れてしまった枝など、不要な枝は間引き剪定していきましょう。
間引き剪定は、透かし剪定とも呼ばれており、枝の根元から切り落としていきます。
マサキが混み入っていると感じたときには、間引き剪定を行い、風通しのよさを確保するのがおすすめ。
生け垣、一本仕立て、どちらで育てている場合にも向いている剪定方法です。
切り戻し剪定
マサキをコンパクトな樹形にしたいときには、切り戻し剪定がよいでしょう。
どのくらいのサイズにするかイメージした後で、枝の途中で剪定していきます。根元から剪定はせずに、3分の1ほどの場所で切り落とします。
切り戻し剪定を行う際には、強剪定になってしまいがち。新芽が芽吹くまえの3~4月に剪定を行い、切り口には癒合剤を忘れずに塗ってあげましょう。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。


マサキの育て方
一年を通して、マサキの美しい葉を楽しむためには、適切な育て方を知っておくとよいでしょう。育て方のポイントを紹介します。
日当たり
マサキは日当たりのよい場所で育てましょう。半日陰でも育ちますが、美しい葉や花、実を楽しみたい場合には、日当たりのよさがポイントです。
水やり
植え付け1年未満のマサキは、水やりが必要です。根が成長している途中なので、土の表面が乾いていないか、注意深く観察しておきましょう。
植え付けから1年を過ぎたら、基本的に水やりの必要はありません。ただし、真夏や乾燥した日が続くときには水をあたえてください。

肥料
マサキの肥料は年1回、2月頃を目安に施します。
寒肥として、有機質肥料を株元近くへあたえましょう。

植え付け
マサキは、春または秋に植え付けを行います。
植え付けた後に根が成長しやすい、3~4月中旬がとくにおすすめです。春の植え付けを逃してしまった方は、暑さがやわらいだ9月中旬~10月中旬の植え付けでも問題ありません。
日当たりのよい場所を見つけたら、マサキの根鉢より大きめの穴を掘っておきます。
そこへ有機質肥料や緩効性化成肥料などを、元肥として施します。または、腐葉土を土へすき込んでおくのもよいでしょう。
マサキの成長を促す促進剤となります。


マサキの病害虫
マサキの剪定を怠っていると、病害虫が発生しやすくなります。ここからは、マサキが気をつけたい病害虫を紹介します。
うどんこ病
うどんこ病は、春から秋にかけて発症しやすい病気です。
糸状菌のカビが風で飛ばされて、植物に付着することが原因で増殖します。
マサキの葉が、白い粉をまぶしたような状態になっていないか、こまめにチェックしましょう。
なお、うどんこ病が発症してしまった際には、薬剤散布をするのがおすすめです。初期の段階なら、お酢や重曹を薄めたスプレーでの対応もよいでしょう。
被害を拡大させないために、発症している枝を剪定してしまう方法もあります。
うどんこ病を防ぐ対策として、日頃からこまめな剪定を行い、風通しと日当たりのよい環境を作っておくことが大切です。
マサキナガカイガラムシ
マサキナガカイガラムシは、マサキに発生する長さ約1mmほどのカイガラムシです。
大量発生し、植物に付着しながら樹液を吸って弱らせてしまうので、早めに駆除しましょう。
幼虫なら、牛乳を薄めたスプレーや薬剤散布で対応できますが、成虫には効き目がありません。歯ブラシやヘラを使ってこすり落としてください。
ミノウスバ
新芽が芽吹く5月頃は、ミノウスバの幼虫に注意しましょう。
大量発生し、マサキの美しい葉を食い荒らしてしまいます。
気付かないまま放置してしまうと、成長して卵を産み付けてしまうでしょう。翌年も同じ被害を繰り返さないためにも、早めに薬剤で捕殺するのがおすすめです。
ユウマダラエダシャク
5~6月にかけて黒い幼虫が発生していたら、ユウマダラエダシャクでしょう。食害被害にあうまえに、薬剤で捕殺しましょう。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

まとめ
マサキの葉は美しく、生け垣や庭木として人気があります。ところが、萌芽力が強いため、放っておくと樹形が乱れやすいのがデメリット。マサキの剪定シーズンは年に3回訪れるので、この記事を参考にぜひ、挑戦してみてください。愛着を持って剪定したマサキは、病害虫も発生しにくくなり、美しい姿を年中楽しませてくれるはずですよ。
もしマサキのお手入れで困った場合は、庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。皆様のお庭づくりのお手伝いができれば幸いです。
2024年1月26日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎







