美しい自然な枝ぶりの樹にする剪定
春に葉の出る前、枝先に甘い匂いのする大きな白い花を咲かせる「ハクモクレン(白木蓮)」。和風のお庭、洋風のお庭どちらにもよく合い、お庭のシンボルツリーとしてもよく植栽されています。
ハクモクレンは放任しても樹形はそれほど乱れないので、大きさを木にしないのであれば、剪定は軽くすませても問題ありませんが、将来的に美しい自然な枝ぶりの樹にするためにはちょっとしたコツが必要です。
この記事では、ハクモクレンの剪定方法や基本の育て方などをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ハクモクレンの基本情報
ハクモクレンの特徴
ハクモクレンの剪定のタイミング
ハクモクレンの剪定道具
ハクモクレンの剪定メリット
ハクモクレンの剪定方法
不要な枝を切り落とす
形を整える
ハクモクレンの育て方
ハクモクレンの病害虫
カミキリムシ
カイガラムシ
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
ハクモクレンの基本情報
属名:モクレン属
科名:モクレン科
学名:Magnolia denudata
英名:Yulan magnolia
和名:白木蓮(ハクモクレン)
原産地:中国
樹高:5~10m
区分:落葉樹、高木
耐暑性:強い
耐寒性:普通
開花期:3月~4月頃
花色:白
用途:庭木、シンボルツリーなど
花言葉:高潔な心、気高、荘厳、崇高、慈悲、自然への愛
ハクモクレンの特徴
ハクモクレンは比較的温暖な地域に自生する落葉高木で、春には枝先に大きな白い花を咲かせ、花からは甘い匂いが香ります。お庭のシンボルツリーとしてよく植栽され、古くから親しまれてきた花木です。
同じモクレンの仲間として紫色の花をつける「モクレン(シモクレン)」がありますが、モクレンは小型で樹高が3~5mに対し、ハクモクレンは大型で、樹高は10~15mまで生長します。また、花びらの枚数はモクレン(木蓮)が6枚なのに対し、ハクモクレンは9枚と違いがあります。
また、ハクモクレンの近縁種として同じ白い花を咲かせる「コブシ(辛夷)」がありますが、コブシはハクモクレンより花が小さいという違いがあります。
ハクモクレンの剪定のタイミング
ハクモクレンの剪定は、葉が完全に落葉した1月~2月に行います。
剪定は不要な枝を切り落とし、形を整えます。ハクモクレンは、放任してもそれほど樹形は乱れないので、高さや大きさを気にしない場合は、剪定は不要な枝を間引く程度にとどめます。
ハクモクレンを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。

ハクモクレンの剪定道具
ハクモクレンの剪定は、以下の剪定道具を揃えておきましょう。
・軍手
・植木バサミ
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
ハサミやノコギリは事前に消毒を行います。道具の刃先にウィルスが付着している場合があり、消毒せずにハサミやノコギリなどの道具を使用すると、他の植物にウィルスが感染して弱らせてしまう恐れがあります。
また、ハサミは自分の手に馴染むものを選びましょう。使いにくいものを使用していると、思わぬケガにつながる恐れがあります。
ハクモクレンの剪定メリット
枝先を剪定する場合、できるだけ外側へ枝が伸びていく芽を残します。外芽を残すことによって、将来的に美しく自然な枝ぶりの樹にすることができます。
ハクモクレンの剪定方法
ハクモクレンの剪定は、葉が完全に落葉した1月~2月に行います。
不要な枝を切り落とす
不要枝(混みあっている枝、内向枝、交差枝)は切り落とします。枝先を剪定する場合は、外芽を残すよう心がけましょう。外芽を残すことにより、将来的に美しい自然な枝ぶりの樹にすることができます。
主幹から生えている枝が混みあっている場合は、枝のつけ根から切って整理しましょう。
形を整える
全体のバランスを見ながら、樹冠を乱してしまっている枝や外側の枝を切り落として、形や大きさを整えます。樹冠からはみ出している太い枝は、樹冠ラインより内側で切って大きさをまとめます。
高さを維持したい場合や、小さくコンパクトにまとめたい場合は、高く伸びた主幹を枝わかれしているところのすぐ上で切り戻しましょう。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。


ハクモクレンの育て方
ハクモクレンは病気にも強く、天敵となる虫も少ない樹木です。
日当たり
ハクモクレンは日当たりがよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では育ちが悪くなります。
ハクモクレンは比較的寒さに強いですが、蕾が生じた後に霜が降りると、花が傷んでしまうので、寒くなる時期には霜にあてないよう注意が必要です。
水やり
根付いた後は降雨のみで育つため水やりは、基本的に必要ありません。
肥料
堆肥や油かすなどの有機質肥料を休眠期の1月~2月頃に寒肥として株元にあたえましょう。
植え付け
植え付けの適期は1月~3月上旬です。湿気のある肥沃な土地を好みますが、土質はあまり選びません。
ハクモクレンの病害虫
ハクモクレンは、病害虫の心配はあまりありませんが、虫害には少し注意が必要です。
虫害で気をつけたいのが「カミキリムシ」「カイガラムシ」です。
カミキリムシ
幹や枝の中に産卵します。6~8月頃に幼虫が木の幹の中を食害します。
見つけ次第、専用の薬剤を注入し駆除しましょう。
カイガラムシ
葉、枝、幹に集団でつき木の皮の下の汁を吸います。排泄物が原因で「すす病」を発生することもあります。
剪定をし風通しをよくすることで対策します。見つけた次第、数が少ない場合はブラシでかき落とし、数が多い場合は薬剤を散布しましょう。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

まとめ
枝先に甘い匂いのする大きな白い花が咲く「ハナモクレン」は、お庭のシンボルツリーとして、和風、洋風どちらのお庭にも合う庭木です。
病気や虫の被害にあいにくく、剪定も比較的作業が少ないので、花の咲くお庭のシンボルツリーとしてハナモクレンを植えてみたいという方もいらっしゃると思います。
ハナモクレンの剪定は外芽を残すことがポイントです。ぜひ、この記事を参考に剪定を行ってみてください。
ハナモクレンの剪定に自信がない方や日々のお手入れで困った場合は、専門の業者や造園会社に依頼するのもよいでしょう。
お困りの際は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談ください。
皆様のお庭のハナモクレンが健康に育つよう、お手伝いができれば幸いです。
2024年1月29日更新







