最近「庭じまい」という言葉をよく耳にします。終活の遺産整理の準備として、また、より快適なお庭ライフを楽しむために「庭じまい」を検討されている方が増えているようですが、「その費用はどのくらい?」と聞かれると、全く見当がつかないという方がほとんどではないでしょうか。この記事では、誰もが気になる「伐採・伐根・庭石撤去」など、庭じまいの気になる費用例を徹底調査してみたいと思います。
目次
「庭じまい」という社会現象について
【庭じまいの費用例①】伐採
– シラカシ5本の伐採費用例
– アクラ6m1本の伐採費用例
【庭じまいの費用例②】伐根
【庭じまいの費用例③】剪定
– シマトネリコの剪定費用例
– クスノキの剪定費用例
– カイズカイブキとアラカシの剪定費用例
【庭じまいの費用例④】庭石撤去
【庭じまいの費用例⑤】物置の撤去
【庭じまいの費用例⑥】その他
– スキ取り撤去工事の費用例
– 土の処分の費用例
– お祓いの費用例
– 池を埋める費用例
– 樹木のメンテナンスの費用例
— 消毒の費用例
— 施肥の費用例
— 重機の費用例
まとめ
「庭じまい」という社会現象について
「庭じまい」とは、一般的に「お庭の終活」のことをいいます。40年50年と住み続けている古い実家に、松の門かぶりや、石灯籠、大きな庭石など、現代の生活様式には合わなくなってしまったアイテムがあってお困りではないでしょうか?
昔は富の象徴=ステイタスだったこれらの外構物を庭じまいで撤去し、バリアフリーでローメンテナンスのお庭に作り替える人が増えています。相続した子や孫が困らない様にすることはもちろん、年を重ねてステイタスより「暮らし易さ」を重視して、日々の生活がし易く、手入れが楽で綺麗な状態を保てるお庭なら言うことなしですね。
今や社会現象になりつつある「庭じまい」ですが、気になる費用はどのくらいなのでしょうか?現場を見ないと正確には分からないとはいえ、心の準備として大体の目安を知っておきたいですよね?!
そこで!気になる「庭じまい」にかかる費用例を徹底調査してみたいと思います。一般的な庭リフォーム業者の価格は以下のようになっています。
※見本料金は一例です。ケースバイケースですので、詳細は専門業者に現場を見てもらい、見積もりを取ってくださいね。
【庭じまい①】伐採の費用例
伐採とは、樹木を株元からチェンソーなどで切り倒すことをいいます。
「木を切ってしまうなんて…」と長年放置してきた木が電線や隣家まで伸びて障害や事故を引き起こしたり、葉が落ちて迷惑をかけるとご近所トラブルにもなりかねません。
高木、中木、低木のおおよその伐採料金と、具体的な費用例を見てみましょう。
高木:5m~7m…27,500円~/1本(税込)
中木:3m~5m…9,900円~/1本(税込)
低木:3m未満…4,400円~/1本(税込)
※最小受注額が設定されている場合もあります。
シラカシ5本の伐採費用例
伐採した木の種類:シラカシ3m未満×5本
参考価格:伐採20,900円+切り枝処理5,500円=26,400円(税込)
アクラ6m1本の伐採費用例
伐採した木の種類:アクラ6m×1本
参考価格:伐採30,800円+切り枝処理7,700円=38,500円(税込)
当然のことながら、木は切り倒しただけでは撤去処分できません。幹から生えた枝を切り落とす「切り枝処理代金」がプラスされていることが分かります。長すぎる木なら、車に乗るサイズにチェンソーで玉切りします。
幹の太さや枝張りの量、樹木の難易度、現場に重機が入れるかどうか、それに伴う作業員の増員などにより、金額は大幅に変わります。詳しくはスタッフに現場を見てもらい、見積もりを取りましょう。
【庭じまい②】伐根の費用例
「伐根」とは、伐採した後に残った切り株を、土を深く掘り起こして、根こそぎ撤去処分することをいいます。切り株を残したままでも見た目が悪いだけで問題ない場所ならいいのですが、切り株がスズメバチや白アリの巣になると被害が及ぶ可能性もあります。
また、切り株になっても根っこが生きていて、エクステリアに悪さをすることも。特に、松や竹の切り株はやっかいです。根が水平に伸びやすく、基礎の下に潜り込み、破壊することもあるんですよ。切り株はなるべく残さず、伐根することをおすすめします。
伐根のおおよその費用例ですが、切り株の直径が大きいほど根っこの量も多いので、価格は上がります。
直径15cm未満…4,400円~/1株(税込)
直径16cm~30cm…6,600円~/1株(税込)
直径31cm~45cm…8,800円~/1株(税込)
現場の状況や樹木の種類により、価格は大幅に変わるようです。例えば、近くに配管、下水管などがある場合、重機だと傷つけるおそれがあるので、手作業で丁寧に掘っていくので工賃は上がるとのことです。こちらも詳しくは現場を見てからの正式な見積もりとなるようです。
【庭じまい③】剪定の費用例
庭の大木の枝が、台風などの強風時に2階のガラス窓に当たって割れそうで怖い。お隣さんの敷地に大量の枯葉を落としたり、伸び放題の枝が電線にかかっていたりトラブルになりそう。でも、思い入れのある庭木なので伐採はしたくない・・・ということならプロの手による「剪定」がおすすめです。
シマトネリコの剪定の費用例
剪定した木の種類:シマトネリコ4m~3m×2本
参考価格:剪定18,700円+切り枝処理3,300円=22,000円(税込))
クスノキの剪定の費用例
剪定した木の種類:楠木15m×1本
参考価格:剪定77,000円(高所作業車使用)+切り枝処理11,000円=88,000円(税込)
カイズカイブキとアラカシ剪定の費用例
剪定した木の種類:カイズカ4m×20本以上、アラカシ5m×10本以上、
(伐採 カイズカ4m×5本含む)
参考価格:剪定・伐採165,000円+切り枝処理55,000円(2tトラック5台分)=220,000円(税込)
剪定の費用は、本数が少ないのであれば「樹木の種類+高さ+剪定方法」で計算する方法もありますが、庭全体の剪定をお任せしたいのであれば、「庭師の日当+ごみ処理費用」での見積りも可能です。長年放置された庭だと枝葉が茂り、カットした枝が多く出る分、ごみ処理費用が高くなるとのことです。
※いずれも料金は一例で、状況の難易度、木の状態等により価格は変わるそうです。
【庭じまい④】庭石撤去の費用例
昔ながらの庭に立派な石が鎮座していてお困りではないでしょうか?庭リフォームしたいと思っているのに、処分費用がどのくらいか見当もつかないと途方に暮れてしまいますよね。
庭石の撤去は、人力か、あるいは重機でそのまま運べる重さやサイズなら早いのですが、クレーン車で入れない場所の場合、運びだせる場所までチェーンブロック(滑車と歯車を組み合わせた道具で3本の丸太や鉄パイプの上部を結束した箇所に吊下げて使用する)を使って動かすか、現場で破砕してから運び出すため、道路(車)までどのくらいの距離かにより金額も変わってくるようです。
庭石撤去及び処分 33,000円~
1トンで66,000~77,000円以上(税込)
※料金は一例です。大きさや現場状況によって変動します。
ところで、その大きな庭石や石灯籠は何キロくらいあるのか分かりますか?ほとんどの方は見当もつかないのではないかと思います。例えば、1立米くらいの石が庭にあったとして、どのくらいの重さでしょうか。実は、石の種類さえ分かれば、何トンか計算する方法があるんですよ。
1立米(1m×1m×1m)の水が1トンだと、昔、習ったと思います。石には見かけ比重というものがあり、水と比べて何倍の比重か調べることにより、おおよその重さが分かってきます。(ネット検索すれば調べられるものも多く、便利な世の中になりましたね!)
例えば、岡山県には世界に誇る「万成石」というピンク色の美しい花崗岩があります。この岩石の見かけ比重は2.63(t/m3)となっています。つまり万成石一立米は「水1×万成石の比重2.63=2.63トン」というわけです。
【庭じまい⑤】物置の撤去の費用例
庭の構造物で意外と盲点なのが物置です。農作業道具や野菜を干したり、ガレージにしたりと何かと便利に使っているので、ついつい放置していたのではないでしょうか。しかし劣化がひどいと、見た目が悪いだけでなく、台風や地震で破損し、ご近所に被害をもたらしたり、死角になり空き巣に狙われやすくなったりするのだそうです。古くてそろそろ潮時ならば、庭じまいの際に撤去処分しましょう。
物置の撤去処分といっても、木造のガレージのようなものから、主要メーカーのスチール製の物置もありますので、ケースバイケースではあるのですが、3辺の合計が4m以内の物置で、おおよその費用は、解体+撤去で約16,500円からとなっています。
物置の解体撤去及び処分 16,500円~33,000円以上(税込)
(大きさや現場状況によって変動があります)
※基礎や土台がある場合、解体費用は別途必要です。
スチール製の物置よりも、木製の物置のほうが費用は高くなるようです。また、物置の中に物が残っていると、処分費用もかさみますので、使えそうなものはフリマアプリやリサイクルショップに持ち込んで、物置の中を片付けておきましょう。
【庭じまい⑥】その他の費用例
樹木の伐採や伐根、剪定と、庭石や物置撤去の庭じまいにかかる大体の費用が分かってきましたね。後は、残土の処分費用や庭池の埋め戻し、庭木のメンテナンスなど、その他の費用例をいくつか挙げてみたいと思います。
スキ取り撤去工事の費用例
10㎡…22,000円(税込)~
「スキ取り撤去工事」とは、庭のエクステリアを取り除いた際の、地盤面の余分な砂利や残土を取り除いて、平らにならす作業です。およそ10㎡で20,000円からで、元々平らな土壌の場合はお安くできそうです。しかし、これから新しく土間コンクリートにしたり、ウッドデッキを設えたりするために、盛った土を切り崩し、なるべく道路との高低差をなくしたいなら、大がかりになるのでもう少し費用がかかりそうです。この時、スキ取った残土は産業廃棄物となり、処分代金は別途かかります。
土の処分の費用例
10㎡…22,000円(税込)~
古い構造物が土を高く盛った上に作られている場合がしばしば見受けられます。上記のスキ取り撤去工事などで出た、残土の処分にも費用は掛かってしまいます。およそ10㎡で22,000円からとなっています。1m以上土を盛ったり、切り土をしたりといった大規模なスキ取り撤去工事は、小型ショベルカーではできませんので、重機の操作などの関係で請け負えない業者もあります。重機が手配できるのか庭リフォーム業者に確認してみてくださいね。
お祓いの費用例
簡易的なお祓い…11,000円(税込)~
本格的なお祓い…55,000円(税込)~
日本には八百万の神がいて、あらゆるものに神様がいると昔は考えられていましたよね。現代人のほとんどが無神論者であっても、樹齢の高い大木を伐採したり、古くからある池を埋めたりして、何か祟りがあったらどうしよう・・・と一瞬、頭をよぎると思います。そんな時はお祓いを行ってから撤去処分しましょう。「こんなこと言ったら恥ずかしい?」と思わないで庭リフォーム業者に相談してください。家族で行う簡易的なものから、神主さんに来てもらう本格的なお祓いもあります。どこの業者でもお祓いの手配は行っていますのでご安心くださいね。
池を埋める費用例
5㎡…220,000円(税込)~
錦鯉を飼うことが富裕層のステイタスになっていたころの名残りで、実家に庭池があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。かつての富の象徴も、きちんと管理されていれば良いのですが、水を入れたまま放置すれば蚊などの繁殖地になりますし、悪臭の原因になることもあります。また遊びに来たお孫さんが落ちたりしたら危険ですので、庭じまいの際に埋め立てて解体しておきましょう。
埋め立てた後どうするかによって費用も変わってきます。まず水を抜き、池の解体やハツリ、ろ過設備の撤去をした後、埋め戻します。土を埋める際に、ただ埋めるだけなら真砂土、植栽にするなら植物に適した用土を入れます。駐車場やデッキにする予定なら、路盤をしっかり作りたいのでクラッシャーランなどの路盤材を入れて整地転圧します。
樹木のメンテナンスの費用例
庭の樹木を庭じまいで伐採せずに残した場合、剪定して整えた後、樹木のメンテナンスとして消毒や施肥をするとよいでしょう。
消毒の費用例
高木:5m~7m…8,250円~/1本(税込)
中木:3m~5m…4,400円~/1本(税込)
低木:3m未満…2,200円~/1本(税込)
※最小受注額が設定されている場合もあります。
庭全体の消毒を依頼するなら、基本料金+農薬料金で算出するほうが安く行うことができますよ。
施肥の費用例
3,300円~/1本(税込)
長年放置した庭は土中の養分が少なくなっています。花付きや実付きが悪くなったと感じたら、施肥を行いましょう。庭木の剪定などを依頼した際にあわせて行うと、職人の日当分お安くできる場合がありますので、積極的に利用するとよいでしょう
消毒や施肥には適した時期があります。詳しくは、樹木に詳しい庭師のいる庭リフォーム業者に相談して決めましょう。
重機の費用例
高所作業車(オペレーター付き)…33,000円/1日(税込)
※料金の一例です。現場の状況により、使用する重機は変わってきます。
剪定する木が高すぎる場合、高所作業車が必要となります。伐採するなら高木を倒した時に建物に直撃しないように引っ張る重機も必要です。自社で保有している重機かどうかにもよりますが、重機をレンタルする場合、2トンのクレーン車ならおよそ22,000円ですが、10トンのクレーン車だと5万円~10万円ほどかかります。自社に重機のオペレーターがいない場合は、オペレータレンタル代もかかるかもしれません。
さらに重機は基本的に公道を走りませんので、「重機回送費」という重機の運搬費用がかかります。重機回送費という項目がない場合は「諸経費」に含まれているかもしれません。このように、重機にはお金がかかるといった事情を踏まえると、庭じまいの撤去作業と、次に行う庭リフォームの工事は、同時に依頼したほうが、二度手間にならずに安上がりになりそうですね。
まとめ
伐採・伐根・庭石撤去などの費用例を徹底調査してみましたが、いかがでしたでしょうか。思ったよりもリーズナブルにできそうですね。これなら迷っているよりも、早く依頼してスッキリ片付けてしまった方がいいかもしれません。
全体的に見た感想ですが、庭じまいの費用は、職人さんの日当や重機の関係で、部分的に行うよりも、一気に行った方が安上がりになる傾向にあるようです。終活の一つとして元気なうちに、信頼のおける庭リフォーム業者に電話してみましょう。きっと親身になって相談に乗ってくれますよ。