株を更新し花つきをよくする剪定
古くから庭木として親しまれてきた「バイカウツギ(梅花空木)」は、名前の「梅花(バイカ)」の通り、ウメに似た香りのよい白い花を初夏に咲かせる落葉性の花木です。日本では本州以南の山野に自生しています。
バイカウツギの株は古くなると花つきが悪くなるため、剪定で切り落として新しい株に更新する作業が必要となります。
この記事では、バイカウツギの剪定方法や基本の育て方などをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
バイカウツギの基本情報
バイカウツギの特徴
バイカウツギの剪定のタイミング
バイカウツギの剪定道具
バイカウツギの剪定メリット
バイカウツギの剪定方法
↳不要な枝を切り落とす
↳形を整える
↳株を更新する
バイカウツギの育て方
バイカウツギの病害虫
↳うどんこ病
↳カイガラムシ
まとめ
自分での剪定は事故に注意!
バイカウツギの基本情報
属名:梅花空木属
科名:アジサイ科
学名:Philadelphus satsumi
英名:Mock orange
和名:梅花空木(バイカウツギ)
原産地:アジア
樹高:2~3m
区分:落葉樹、低~中木
耐暑性:普通
耐寒性:普通
開花期:5月~7月
花色:白
用途:庭木など
花言葉:思い出、気品
バイカウツギの特徴
バイカウツギは香りのよいウメに似た白い花をつける落葉性の花木です。葉には表面に細かい毛が生えていて、先の尖った卵型をしています。生育旺盛で、土質もとくに選ばず、乾燥にも耐え、半日陰程度まで適応し、丈夫で育てやすい樹木です。長く伸びた枝がふんわりとカーブして広がる姿が美しいのも特徴です。
最近では、八重咲きの「バージナル」や花芯が淡紅色になる「ベル・エトワール」などの西洋種も人気で、園芸店でよく見かけるようになりました。
バイカウツギの剪定のタイミング
バイカウツギの剪定は、落葉期である1月~3月が適期です。
株立ちのものは、剪定で株数を整理すると、すっきりとした美しい樹形になります。古い株や枝は花つきが悪くなるので、切り落として新しい株や枝に更新します。
バイカウツギを含めた、樹木別剪定時期年間カレンダーを作成しました。興味がある方は、ぜひご覧ください。

バイカウツギの剪定道具
バイカウツギの剪定は、以下の剪定道具を揃えておきましょう。
・軍手
・植木バサミ
・剪定バサミ
・刈り込みバサミ
・ノコギリ
・脚立
・癒合剤
ハサミやノコギリは道具の刃先に病気やウィルスが付着している場合があり、消毒せずに使用すると、他の植物に病気やウィルスが感染してしまう恐れがあるので、使用前に必ず消毒しましょう。
また、ハサミは自分の手に馴染むものを用意しましょう。使いにくいものや切りにくいものを使用していると、思わぬケガにつながる恐れがあり危険です。
バイカウツギの剪定メリット
長年にわたり放任すると、不要な枝が増え乱れた樹形になります。また、古枝は花つきが悪くなり、細かい枝が増えて混みあってくるので、地際やつけ根から切り戻し整理をすることで、全体的にスッキリとした樹形にすることができます。
バイカウツギの剪定方法
バイカウツギの剪定は、葉が完全に落葉した1月~3月に行います。
不要な枝を切り落とす
不要枝(混みあっている枝、内向枝、交差枝、古い枝)は切り落としすっきりさせます。ひとつの節から枝が2本出ている場合は、一方を切り落として整理しましょう。
株立ちのものは、ある程度株数を整理するとすっきりして美しくなります。立ち数が多い場合は、根元から曲がっているものなどを優先的に切ります。
形を整える
放任すると、不要な枝が多くなり、乱れた樹形になってしまいます。全体のバランスを見ながら、外側の枝や樹冠を乱している枝を切り落として、形や大きさを整えます。高さを維持したい場合や、小さくコンパクトにまとめたい場合は、主幹を節のすぐ上で切ります。
株を更新する
株が古くなると花つきが悪くなります。古い株は新しい株より太く、茶色が薄くなります。それを目安に古い株を根本から優先的に切り落とし、新しい株に更新することで、花つきがよくなります。
■剪定方法をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。


バイカウツギの育て方
バイカウツギは生育旺盛で育てやすい花木です。
日当たり
バイカウツギは日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。半日陰程度でも育ちますが、極端に日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなります。
また、夏の強い西日が当たる場所は避けましょう。
水やり
降雨のみで育つため水やりは、基本的に必要ありません。
日照りが続いた場合は、水をあたえましょう。
肥料
堆肥や油かすなどの有機質肥料と緩効性化成肥料を混合し、1月~3月頃にあたえます。
植え付け
植え付けの適期は2月~3月です。水はけのよい場所を好みますが、土質はあまり選びません。
バイカウツギの病害虫
バイカウツギは、丈夫で育てやすい樹木ですが、病虫害には少し注意が必要です。
病害で気をつけたいのが「うどんこ病」、虫害で気をつけたいのが「カイガラムシ」です。
うどんこ病
春~秋の湿度の高い時期に多発します。
発症の初期に薬剤を散布します。病変部分は処分しましょう。
カイガラムシ
葉、枝、幹に集団でつき木の皮の下の汁を吸います。排泄物が原因で「すす病」を発生することもあります。
剪定で風通しをよくすることで対策します。見つけた次第、数が少ない場合はブラシでかき落とし、数が多い場合は薬剤を散布しましょう。
■害虫対策をさらにくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

まとめ
バイカウツギは香りのよいウメに似た白い花を咲かせる花木です。長く伸びた枝がふんわりとカーブして広がり、緑の葉と白い花のコントラストが美しく見るものを楽しませてくれます。
生育旺盛で、初心者でも育てやすい、花の咲く木としてお庭でバイカウツギを育ててみたいという方もいらっしゃると思います。
バイカウツギは剪定で、古い株を切り、新しい株に更新することで、花つきのよい健康な姿を維持することができます。
ぜひ、この記事を参考にバイカウツギの剪定を行ってみてください。
バイカウツギの剪定に自信がない方や日々のお手入れで困った場合は、専門の業者や造園会社に依頼するのもよいでしょう。
お困りの際は、ぜひ庭のプロ集団『庭.pro』へご相談くださいね。皆様の庭木が健康に育つよう、お手伝いができれば幸いです。
2024年1月26日







