お庭の台風・強風対策をプロの庭師が伝授します
日本では、毎年5月~10月にかけて台風が多く発生し、コースによっては大変多くの被害がもたらされます。お庭の庭木や季節の草花、鉢植えなどは、台風による被害が心配になります。強風による倒木やお庭の備品類などの飛来などが起こらないように、台風が襲来する前に準備をしておきましょう。
このページでは、お庭の庭木などの台風対策や台風後のお手入れなどについて、ご紹介いたします。
目次
日頃からのお手入れが大切
お庭の台風・強風対策で一番大切なことは、日頃からのお手入れです。台風の襲来が多くなる時期は、毎年6月~10月の期間ですが、特に9月は上陸確率が高い月なので、日頃からのお手入れは7月~8月中には終わらせておきたいものです。
庭木の根張り
樹木の根は、水を求め、空気がある、根の張りやすい柔らかい土の部分に根を張っていきますから、強風の影響を受けても倒れないような根を張ってもらうには、深くまで根が張っていけるような用土にすることが一番大切なのです。
風通し良く
台風シーズンは、樹木が旺盛に生長する時期で、枝も葉もどんどんと茂っていきますが、枝葉が茂り過ぎると、風の抵抗を受けやすく、強風時などに枝に大きな力がかかり、折れやすくなりますし、根の張りが弱いと倒木ということになってしまいます。このようなことにならないように、前もって剪定を行い、風通しを良くして、枝折れや倒木のリスクを低減しておきましょう。また、高い木の場合は、樹高を抑えるような剪定を行っておきましょう。
溝の掃除
大雨が降った場合に、排水溝、雨水枡、樋などに落ち葉やごみが溜まっていないか確認してみましょう。
台風などで大量の雨が降った場合などでは、排水溝や雨水枡、樋などにごみが溜まり、水をせき止めてしまい、水が逆流したり、溢れ出したりして、庭木などが冠水する場合があります。一時的であれば庭木も特に問題ないかも知れませんが、雨が長引いたり、長く湿気が抜けなかった場合などは、根腐れなどの原因にもなるので、台風前に対処しておきたいものです。
台風が近づいて来たら
台風の進路にあたり、通過予定日時などがわかる場合には、その1日前までには片付けなどの準備は行いたいものです。防風ネットやロープなどを必要とする場合もあるので、いざという時のために準備をしておくのも良いかも知れませんね。
安全な場所に移動
台風の強風で飛来しそうなものは全て片付けておきましょう。ガーデニング用品、植木鉢、掃除用具、剪定用具などの風で飛ばされてしまいそうなものは、全て片付けましょう。強風で倒れて落ちてしまったり、吊るしたりしている鉢なども地面に下しておきましょう。
防風ネットを活用
幼木や草花、苗木などは、防風ネットで全体を覆っておきましょう。菜園などに植えている野菜などについても、同様に覆っておきましょう。ふわっと掛けるのではなく、植物が折れない程度の強さで、風が吹いてもパタパタしないように、しっかりと押さえて掛けておきましょう。強風が吹いても防風ネット全体が揺さぶられないように、ネットの端はブロックやれんがなどの重し使って固定しておきましょう。
支柱を施す
地植えの樹木は、防風ネットで覆った上で、エクステリアなどの固定物に紐やロープで繋いで固定しておきましょう。また、倒木や枝折れの危険性のあるものは、支柱を立てて倒伏を防止しましょう。
野菜や果実は収穫しておく
菜園で育てている野菜や果樹などの実は、収穫できる状態であれば、台風襲来前に収穫しておきましょう。収穫できない場合は、防風ネットや落果防止兼用の果実掛袋なども活用してみましょう。
台風通過後
台風通過後は、被害状況や被害の状態を早めに確認を行い、できるだけ早く対処したいものです。
倒木の確認
台風が通過後は、倒木や傾いている木がないかなどの確認を行いましょう。また、強風で折れた枝などが隣家へ飛来していないかなども確認を行いましょう。
枝の剪定
折れかかっている枝が木に残っている場合は、剪定を行い切り取ってしましましょう。そのままにして風が吹いたときに通行人などに当たってしまうことのないようにしておきましょう。
傷口の保護
枝などが折れてしまった場合は、折れた枝の付いていた口の部分を確認しましょう。口の部分がガタガタの場合は平らになるように剪定を行い、切り口から雑菌が入らないように保護剤を塗っておきましょう。
植えなおし
強風などで傾いてしまった樹木は、できれば掘り起こして、植えなおしを行いましょう。木のダメージが大きい場合は伐採を行った方が良い場合もあります。
洗い流し・水かけ
風雨などでは、庭木の幹や葉などに泥などがついている場合があります。葉の気功をふさいでいる場合は、病気の原因にもなる場合もあるので、早めに洗い流してあげましょう。
まとめ
庭木や台風で倒木したり、枝が折れたりしたら大変残念な気持ちになりますし、見栄えも悪くなってしまいます。台風によるお庭の被害を最小限にするためには、やはり事前準備をしっかりと行うことが大切です。そして、ご自宅の被害を少なくことと、隣家へ被害が及ばないようにしておくことも重要です。
台風で倒木したり、木が傾いてしまった場合などで、ご自身で対処が難しい場合は、庭.proにぜひお声がけください。
2024年1月30日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎